質屋のスタッフブログ
2020年12月05日
鴫原質店の弟さんです。
12月3日と4日は仙台で開催されているリサイクル系の市場に参加してきました。毎月の事ですが、月初めに2つの市場が仙台で開催されるので、何も用事が無ければ参加させて頂いております。
市場によって出品される荷物の傾向が異なります。大きな分類では時計と宝飾品、そしてブランド品に分かれるのかな。3日に行った市場では時計と宝飾がでてくるものは少なく、4日に行った市場では多少の違いはあれど毎月出品されています。
個人的には小売り向けの腕時計がでてくる市場が好きかな。
なぜ市場によってそのような傾向がでてくるか。それはそこにいる買主に依存されます。宝飾品を買う人がいない市場に宝飾品を出したって、高値で売れるはずがありません。逆に買手が多い場合は、少ない荷物を値段を競って取り合うので、品物を完全な相場で買うという事はできず、結果的にセリ値は高くなる傾向にあります。
またここ数年の傾向としては、海外向けに品物を集めるバイヤーの値段が安定して高値を維持しています。それを知っているのかいないのかで、一つの品物の店頭買取の値段から、もし小売りをするのであればその値段設定まで全てが変わってきます。とにかく市場で売り抜ける最高の価格だけは知識としてとても重要です。とはいえ、上には上があるので、「できる限り身近で」という条件補足をさせて頂きます。
市場の参加者の殆どは「売り手」か「買い手」ですが、私の場合は値段の確認が主な目的です。11月にも「市場に参加してきました」的なブログを書きましたが、ほぼ毎月参加して値段の推移を見てきます。そういう意味合いで参加しているので、価格が合うものがあれば買ってきますが、意地になって購入する事はあまりありません。
ずっと前からですが、ブランド古物業界での主力商品は、10年以上前に販売されたスター商品(シャネルやルイヴィトン)や腕時計と宝飾品などが大きな割合を占めています。円高の時に海外からどんどん輸入して安く買えた商品達や、バブル全盛期に日本に輸入された商品などが、今は海外にどんどん輸出されているという状況が続いています。でるものが出尽くした時、その先は一体どうなる事やら。
状況に合わせて淡々とやるしかないのですが、色々と思い悩むこともありますね。お酒でも飲みながら色々と語り合いたい気分でが、真面目に仕事(作業)を頑張りましょう!
2020年12月01日
鴫原質店の弟さんです。
質流品の中に面白そうなものがあったので取り上げてみます。それがこちらのペンダントヘッド。
イギリスのソブリン金貨と思われる品物です。尚、1982年に造られたヤングエリザベス(通称)の5ポンド金貨は、発行枚数が2,500枚ととても少なく非常に高価な金額で取引されているようです。
裏面のデザインはこんな感じです。
セントジョージとドラゴンの絵柄が描かれているとのこと。
色々と調べてみるとソブリン金貨は、イギリスが金本位制度を採用した1816年の「貨幣法」で制定し、この金貨を唯一の1ポンド法貨として流通させることが決まったということです。また、その時代は植民地時代です。広くイギリス植民地でも流通したため、ロンドン王立造幣局以外でも鋳造され、この貨幣には鋳造所を示すミントマークが刻まれているとか。とても見えずらいですが、1982の文字の右側に「B P」とあるのがそれにあたるのかな?
インターネットの普及により調べものがとても簡単になりました。1982年の5ポンドのソブリン金貨(発行枚数2,500枚のレアコイン)を画像検索で見る事ができます。それと比較すると「ん?」と思うところが多々あります。
上から金をのせたような箇所が各所にありますね。
エリザベスさんの美しい顔のつくりや髪飾り、そして服の見せ方なども鮮明さが違います!「これって本物かな?」と社長にも見てもらっても分かるはずもありません。そもそも1ポンドと5ポンドでは価値や大きさも違うので比較対象にしてよいのかどうか。
真贋の結果など出せないのでこの品物は金として溶かしてしまう事を決め、比重を測る為に18金の枠をぶっ壊します!

取り出したコインを比重計にのせると大気中の重さ「8.00グラム」、水中での重さ「7.56グラム」で比重は「18」で22金(+α)とでました。
こちらは1ポンド金貨のはずなので、本来は「重量:約7.98グラム、金品位は22金」です。金が僅かに増えていますね………。
造りには疑問を感じるところもありますが、実際に約100年間現実の貨幣として使われていたものであり、また鋳造所も複数ある他、傷ついたところを修復する技術などもあったのかもしれません。本物かどうかは分かりませんが、1ポンドコインの偽物を造るなら、流通量の少ない5ポンドを造りそうな気もします。尚、インターネット上には、現在でもこのコインは1ポンド(約140円)貨幣として使用が可能という話もでていました。本日の金の価格として約4万6千円もするものなので誰も使わないと思いますが‥‥。
色々と想像するだけでも楽しいものです。世界中で流通していた金貨、実際にこの金貨で当時の人々が何を買っていたのでしょう?。貨幣価値など、当時の事を興味深く思い調べていたら、既に2時間ほどこの金貨と時間を過ごしてしまいました。真贋の責任があるので、この金貨は溶かしてしまいますがブログに掲載できて良かったです。恐らくは偽物ではないと思いますが、確約はやはり難しいかな。
調べているだけでもとてもいい時間を過ごせた気がする。世界史など今勉強したらきっと楽しいだろうなぁ~。高校生の時にそれに気が付けなかったことが悲しいです。さて、そろそろ仕事しないと。頑張れ私!。以上です
2020年11月28日
こんにちは。鴫原質店の弟さんです。
つい先ほどの出来事ですが、一つの商品のネット出品準備が終わったのでそのことについて。その商品はこちら。
オメガのコンステレーション革ベルト。ステンレスベルトは結構見ますが、革ベルトは余りない気がするぞ。
この時計に関する出品準備の内容は、ケースの洗浄、傷を消せるとこを消す、ベルトの新品交換、写真撮影、画像加工といったとこです。当店で5カ月前に質預りしたものですが、時間の遅れもなく動いているので今はまだ電池交換はせず、売れた時に新品の電池に交換するつもりでした。
最後にネットに掲載するデータを紙に書いて、私の手元からはいなくなる流れなのですが、時計の型番が分からない!ネットで調べようとするも5分経っても見つからない‥‥‥‥「ぐぉ~~~っ」て感じです。数が少ない時計だとこんなことがよくあります。
ムーブメントが分かれば検索対象も狭くなるので、電池交換もついでにやってしまうことにしました。
ムーブメントはキャリバー1532ね。これで型番が見つけやすくなるはず。
私はやりませんが、時計の裏蓋の内側には電池交換した日付を書き記す場合があります。
平成14年の交換時はシール、そして平成17年の印はマジックペンでべた書きしてますね。というかコレ消えるのかな‥‥‥‥。3年に一度交換している感じなので、時期的に丁度良かったですね。
そしてケースの裏の文字が目に入ります。
これはFit Case Noというもの。 適合ケースを意味しており、これをググるとたまに頑張っている店舗に辿り着いて型番が分かることもあります。頼むから型番書いてくれ。
現実逃避の気分転換にこれを書いてますが、さっさと作業に戻りましょう。誰か型番教えてください!(涙)