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質屋のスタッフブログ

ネットへの商品掲載作業の合間に

鴫原質店の弟さんです。

暫く(2週間!)ぶりの更新となりました。市場で仕入れてきた商品やお店で買取したジュエリーを、スタッフ全員でインターネットに掲載する仕事に翻弄していました。忙しい事はいい事です!。作業現場の風景ネットでの販売が当たり前になってしまった今、とにかく動き続ける事に何の疑問も感じなくなって久しく経ちます。個人的な趣味や感情は無視し、とにかくインターネット上に商品を掲載する事で、どこかの誰かの目に留まり商品が動いていくこの世の中。そんな環境では能率と労働時間が売り上げに直結するので、一心不乱に同じ事ばかりを繰り返していた悲しい毎日です(哀)。最近の当社のホームページの新着商品情報の更新が多いのは皆が頑張っている証拠。ブログが仕事なのか趣味なのか、私もいまいち理解していませんがやる事が多い時は放置気味です。少し一段落したので、特に面白くないですが、本日は多くの商品を撮影している中で印象に残った3つをご紹介させて頂きます。使っている画像は商品画像なので、商品に興味があればホームページを直にご覧ください。

最初はこちらの指輪。象モチーフリングなんと全面に象さんです。私は象が可愛いと思った事は一度もないので、何故に象だったのかが不思議すぎて印象に残りました。もっと一般受けしそうなモチーフがあるように思うのですが、きっとそれは凡人の考え方なのでしょう。赤道直下の南の国では象は神聖な生き物として祭られており、国によっては共存共栄が実現されている場所もあるとか。そういう意味でフィリピンのお客様が好きそうなデザインのような気もします。なんか直ぐに売れてしまう予感がします。

次にこちら。ゴールデンレトリバーの肖像画のようなペンダントヘッドプラチナで造られたゴールデンレトリバー(?)が描かれたペンダントヘッド。「何故にこれをプラチナで創った?」というのが初見の感想。それでもこういうデザインは見た事が無いので「変わってんな~~」と印象に強く残りました。売れるかどうかなんて分かりませんが、なんだかこれも直ぐに売れてしまう予感がします。私はお金を出してまで欲しくはありませんが、とにかく首に着けた時のインパクトが大きく、犬好きの方に突き刺さるデザインかもしれません。お犬様の真顔が少し怖いゾ。

単調な作業が続く中で私に癒しをくれたのがこちらの指輪。可愛い犬のモチーフリングその1初見の印象は「可愛い!」しかありません。存在そのものがラブリーです。

頭のヘアラインが少し薄くなっているように見える点が残念。可愛い犬のモチーフリングその2もしかしたら前所有者が頭を撫でまくったのでしょうか。でもなんか分かるわ~~~。絶対に愛でたくなる顔してるもん。私もついでに人差し指でなでなでしてみましたが、とても硬い頭だったので、撫でて削れた訳ではなさそう。どっかにぶつけてしまったのだろうか。

指につけるとこんな感じの目線を投げつけてきます。可愛い犬のモチーフリングその3視線を感じてしまいます。サファイアが埋め込まれた「目」なのですが、サファイアだからそこの奥ゆかしさがこの指輪の可愛さを引き立てている気がする!。ヘビとか鳥とか象とか昆虫とか、色々な動物モチーフのジュエリーを見てきましたが、ここまで愛らしいデザインは初めてかも。超絶速攻で売れそうな予感がします。売れなかったら私がお家に連れて帰ろうと本気で思ってたりして!。という事で最近入荷した商品の中で印象に残った3点を紹介させて頂きました。

インターネットから商品を選んで購入する事はとても簡単で便利です。しかも商品名や型番を入れると同じ品物でも販売価格が若干異なり、一番条件が良いものを簡単に見つけられます。それに伴いネット市場に本気で参入していると価格競争が大前提の世界でもあります。

そしてあまり直視されることはありませんが、その裏側として販売する方には、「商品撮影→画像加工→商品情報入力→送料の設定→売れた時の梱包と発送作業」という付加業務が発生するので、薄利が前提の上、このような付加業務の効率性がとても大切になりました。効率性をあげるという意味では、例えば「商品画像の枚数を減らす」事で時間効率が良くなりますし、また梱包や発送を簡易的なものにする事で費用や時間の節約にも繋がりますが、そういった一つ一つの事がショップ評価にも繋がっているので、今やっているクオリティーを下げるという発想にはなれません。結果して現在の環境では、クオリティーを維持しながら作業効率を上げる事が、大切な部分だと感じています。1つ売って3千円の利益の商品に何時間もかけたら、社会人の仕事として成り立ちません。関係する全ての人がコスト意識を持つ事が大切かな。

そんな事情もあり、型番だけ入れれば成り立つ商品の依存度を少しだけ下げていく事も大事だったりします。最近ではノンブランドジュエリーにも力を入れてますが、想定以上に仕事として成り立っており嬉しい限り。検索で引っ掛かるような品物でもないので、直に当店のホームページを見て頂くお客様も増えてきたように感じています。扱う品物のバランスが大事ですが、暫くは日本人の方が買ってくれそうな商品ラインナップを継続して模索していきたいかな。

本日は以上でございます。



ブラックオパールの遊色を楽しむ方法のご提案

鴫原質店の弟さんです。

今回はブラックオパールの楽しみ方の一つをご提案。お店で買取したブラックオパールリングの商品画像を作ったついでに、こんな見方もあるのでやってみてはいかがですか~という流れになります。使っている画像は半分が商品画像で、半分はこのブログ専用に撮った画像です。ブラックオパールをお持ちの方にはご興味があれば試して頂きたい事。もしかしたら自分の宝石がもっと(×2)好きになるかもしれません。

今回題材にする商品はプラチナ台にオパール2.93カラットが飾られた指輪です。正直に申し上げて昭和の香りが漂うデザインですが、海外の方や宝石好きの人が購入してくれるかもしれません。取り合えずはオパールの遊色を上手く撮影して気に入ってもらえる方を探すだけですかね。売れるかどうかなんて、最近では二の次になりました。動き続ける事でそれが結果に結びつく事があるだけです。そして私が商品画像1枚目に採用したのがこちら。プラチナ台のオパールリング本来は赤色の遊色が撮れればいいのですが、指輪の全体像とオパールの遊色と班の大きさのバランスを考えてこれを選択しました。それと赤やオレンジの遊色があまり出ないオパールさんなので、私が個人的にいいと思う部分を撮るとこうなった次第です。商品画像は撮影者の趣味や嗜好がかなり影響しますので、他の人が画像を撮影した場合、何か違う場所の写真を撮ったかもね。写真撮影ってかなり自己満と思い込みの世界感がある仕事のように最近は感じています。

いつぞやのルビーの時のように宝石が綺麗に見える状態を探しながら撮影していきます。特殊な環境で撮影したオパールの遊色通常環境でこのようには見えないので、画像自体に撮影方法を明記しておきます。誤解を招くと大変なので特殊環境である事を事前に理解して頂くことが大切かと思います。

ここからはブログ専用に取った画像です。単一焦点レンズ(ルーペ)で特定の場所に焦点を合わせ、ペンライトで様々な角度で照らした時にだけ見る事ができる現象を撮影したものです。これは商品画像には掲載できません。一般的な宝飾品としてのオパールの域を超え、鉱物として宝石を見ているので完全な私の趣味(遊び?)の世界です。オパール内部の遊色石の表面と石の内部では色味やその表現が全然異なります。不思議というか、とても楽しく眺めてました。繰り返しになりますが、石の表面よりほんのちょっと内側に焦点を定め、ペンライトで光の角度を調節して素敵な色がでる場所を撮影した画像です。目で見る事は不可能ですし、こういう現象を見る為には少しコツがいります。

この色はどこからでてくるのだろう?。真っ青でとても神秘的な色合いが湧き出るようにその形を変化させます。オパール表面の特殊な遊色繰り返しますが、肉眼でこの石を見てもこういう現象は確認できません。単一焦点で石の内部を見る事がこの世界への入り口です。この方法はその石が持つ様々な表現を発見できるので、ブラックオパールをお持ちの方に楽しみ方の一つとしてお勧めしたいことです。

今度は薄暗い場所で、ブラックオパールの内部を観察すると更に新しい発見があるかもしれません。だってこんなこと普通やらないでしょ(笑)。オパール深層部の遊色この世界感においては、単一焦点レンズ(ルーペなど)と光の強いペンライトが必須アイテムです。あまり綺麗な色ではありませんが、左下の画像の色味や風景が異世界感があり見とれてしまいました。尚、左下と右下の画像はオパールの深層部を観察した時の色味です。こういう見方をしたい場合は、光の反射により色味が変化するので、光を一本に絞る事が大切です。なんだかとても同じ石には見えませんね。だって左下の画像を見て、ブラックオパールだって分かる人いるのかな(←実際の現状であり、詐欺ではありません)。

この世界感で鉱物を眺めると、通常では見る事の出来ない光が見つかるかも。オパール内部の不思議な色味外観からは想像もできない色味がありました。言葉で表現する事は難しいですが、光の角度で輝度が変化する様子はとても素敵です。なんだか映画にもなっている人気アニメのオープニングの焔(ほのう)みたい。「私に還りなさい~記憶をたどり~優しさと夢の水源(みなもと)へ~」と曲が頭の中を過(よぎ)りました。凄くどうでもいいことですが、私はこの色が大好きです。

という事で本日はブラックオパールの商品画像を造った延長で、楽しみ方の一つを実際の現象を見ながらご提案してみました。画像は全て同じ石を環境を変えて撮影したものですが、色や光が変化して楽しめる上、「本当に同じものか?」と目を疑うものもあります。オパールの良し悪しを決める「宝石学上の基準」や「宝石の価格に影響する基準」があるのは確かですが、「いい品物」や「高い品物」だけが宝石ではありません。オパールは特に好みの分かれる宝石なので、好きな色が見れるものを手に入れて大事にして欲しいかな。自分が一番好きなものが世界で最高の物になるはずです。

尚、オパールに関して当社ホームページに説明があるのでリンクを貼っておきます(オパールの説明)。またこの指輪の商品画像が確認できるのがこちら(Pt900ブラックオパールリング O2.93 D0.96)。このリンクの先にある商品画像だけでは何とも地味な感じで売れる気がしない‥‥です。ま~ここまでやる事が仕事なので、結果が付いてくるかどうかは後の問題です。売れたら嬉しいです位の感覚かな。実際に昭和感がいい感じで漂うデザインだしね。

因みに私は、6枚目の画像に載せた色が「ギラギラ」輝くようなボルダーオパールが欲しい。50円玉位の円形に加工できる大きさで、厚みは薄ければ薄いほどいい。色味が綺麗で照りが良い宝石にいつか出会えることを願い続けています。ブラックと違ってボルダー安いし私でも買えるはず!(笑)。この仕事をしているうち(現役という意味)に出会いたいものです。

本日は以上でございます。



試金石と硝酸と比重計を使用して金性不明品を判別

鴫原質店の弟さんです。

今回は試金石と硝酸と比重計を使って金色物体の金性を判別していきます。同様の案件を今まで何度も取り上げてますが、質屋の日常で実際にあった事を書いているので多少の重複はお許しください。また失敗談ではありませんが、買取現場における諦めのような部分も最後にありますので、ご興味あればご覧下さい。尚、ここでやっていることは買取成立後に同じことを写真を撮りながら再現しており、普通にやると数分で終わる事です。

今月の中旬、金のプレートの買取査定がありました。4つの金色物体全て同じお客様が一度にお持ちになられたもので、一般家庭の方が持っているような品物ではありません。これらは歯医者さんや歯科技工士の方々が保有している事が多い板材ですが、手書きで「K14」とマジックで書かれた物体がちょっと不思議。変な色してるし怪しい形してるし均一でないし、一度融解して何かの型に入れたのかな。この子が話の中心となるので、私が勝手に「手書きマジック君」と命名します。

やる事はいつもと全く変わりませんので淡々と進めます。買取査定なので取り合えず金性を調べないと値段のつけようもありません。刻印がないこの金色物体の正体を判明する為に、先ずは試金石に擦りつけます。金色物体を試金石に擦りつける金性の高い順番に並べたかったので、最後の金属を一番左に変更しました。そして痕跡を見てみます。4つの痕跡慣れてくるとこの時点で左の2個は金性が高いものである事、そして右の2個は金性が低いもの、そしてもしかしたら金が入っていない可能性もある事が分かります。特に一番右側の「手書きマジック君」の痕跡はその名前以上に怪しさを感じます。

そして擦りつけた痕跡に硝酸を浸します。硝酸に浸した痕跡金以外の不純物は硝酸で溶けていく為、金性の低い物体の痕跡はその姿を大きく変化させます。ちなみに金が入っていない場合、その姿は完全に消滅していきます。

画像の明度の問題で分かりずらいので加工した画像で比較してみましょう。痕跡を比較一番右の「手書きマジック君」の痕跡が大きく形を変えた事が分かります。K14と書かれていた事に嘘があるのか、又は混ぜた金属の割合(混ざり具合)が一定でなく、擦った部分の金性が低いのか、正直この時点で判別する事はできません。でも取り合えず、これら4つの物体に元素記号AUである金が比率は違えど入っている事が分かりました。金以外の混ぜ物にもよりますが、その痕跡の形状が溶けていく段階で、白っぽい煙が出てくることがあります。猛毒なので絶対に吸い込んではいけません。実際に「手書きマジック君」の痕跡からは温泉が湧き出る如く白い煙が立ち込めてました。

次に比重を計ります。試金石の一番左端の痕跡をつけた物体です。一番左の金属の比重検査大気中での重さが10.0グラム。水中での重さが9.44グラム。
比重=(10.0)÷(10.0―9.44)=17.85
これにより22金(91.6%が金)と判断します。

計りに載せてメモ取って、水に沈めてメモ取って、電卓叩いてすぐ終わり~。100分の1の重さ(0.01グラム)が変化するだけでエラー表示になるので、比重計の機能を使うより計算した方が断然早いです。0.01グラムなんて息を吹きかけただけで変化しますからね。そしてその要領で次は長い金色物体を調べます。左から2番目の痕跡をつけた金属の比重検査大気中での重さが40.12グラム。水中での重さが37.55グラム。
比重=(40.12)÷(40.12―37.55)=15.61
多少の誤差はありますが18金(75%が金)と判断します。

さてここからが少し注意が必要です。金性が低いと判断している2つの物体試金石と硝酸の段階で金性が低いと想定している物体の比重検査です。14金を下回る場合、金の入っている割合が58.3%以下となるので、比重は混ぜ物にも影響されて安定しなくなりがちです。実際に9金や10金そして12金は比重検査での判別は非常に難しく、私ごときには可能なのかさえ分かりません。更には「手書きマジック君」に関しては存在そのものが怪しいので特に注意が必要です。

先ずは痕跡3番目のプレートから。製品化されているものなので少し安心できます。金性が低いと判断している四角いプレート大気中での重さが15.00グラム。水中での重さが13.82グラム。
比重=(15.00)÷(15.00―13.82)=12.71
製品である事を考えると10金(41.7%が金)のプレートなのでしょう。なんか分からんけど刻印されている文字も十金と見える気もします(←何の刻印か不明)。比重的には14金を下回っており、確信を持てるところは10金となります。

そして今回の目玉「手書きマジック君」の登場です。金性が低いと判断しているK14とマジックで書かれた物体大気中での重さが56.57グラム。水中での重さが52.12グラム。
比重=(56.57)÷(56.57―52.12)=12.71
偶然にも先程のプレートの比重と100%一致。その存在がとっても怪しい「手書きマジック君」でしたが、100分の1単位まで一比重が致するということは、とんでもなく凄い精度で精錬された金属だと分かります。はっきり言って偶然な訳ありません。という事は「手書きマジック君」は10金なのでしょう。

金性が低いものは特にそうですが、比重は上下にブレる事が多いです。金の他に銅や銀を合成して「41.7%」が金である事が10金の意味。つまり半分以上は金以外の何かの金属が入っており、その比重が100分の1の単位まで同じになるという事は、同じ金属配合がなされている可能性が非常に高いと思われます。そういう意味で色々想像すると、10金のプレートを溶かして型に入れたものが「手書きマジック君」なのかも。もしくはこの割合の金属が必要で、ちゃんとしたレシピがあるとかかな?。なんだかK14というマジックの文字に少し悪意を感じてしまいます。

結果的には上記の判断の通りで査定額をお伝えしました。例え手書きであっても、K14と書かれている金属(「手書きマジック君」)が10金という説明に満足する訳もなく、間を取って12金扱いで買取させて頂くことでご承知頂きました。比重は嘘をつきませんが、何よりその他で重量があるので、この「手書きマジック君」で少し損しても全部売ってもらった方がいいという判断があります。

そしてこの金属たちを溶かした結果、「手書きマジック君」が10金だと判明します。金性が低いと判断しているK14とマジックで書かれた物体10金と判断したプレートと同じ比重なんだからま~そうでしょうね。169,500円でお客様から購入したものを157,800円で融解してるのでマイナス11,700円なり~~~。でも他もあるのでもちろんトータルではプラスです。失敗というより想定の範囲内かな。っていうか「手書きマジック君」はどうしてあんな形や色をしていて、マジックで「K14」って書かれていたんだろう。損した事などはどうでもよく、それだけが気にかかります。

今回のように一つで損をしても、その他の全てを買った方がお店にとって得な場合があります。もし「手書きマジック君」でもっとケチったら(←一応14金を12金にしてるので)お帰りになっていたかも。ましてや当店で(しょうがなく)12金だったら買えると判断したこの物体を、他の店では14金と判断するかもしれません。だって意味は分からないけど「K14」って書いてあるし!。売却されるお客さまにとっては、値段が高い方がよりいい店で、その品物の本質などは無関係なものです。

最後に、当店では意図的に融解と再形成をおこなった【ゆだまり】と呼ばれる金属の塊は、基本的に売買しない事にしてます。元の形を熱で変形させ、ただの金塊にした時点で、その元の形に何かしらの悪意や犯罪が絡んでいる事がとても多いからです。今回のこの「手書きマジック君」も考え方によれば【ゆだまり】の部類に入る可能性もありますが、とても精度の高い精錬をしている事が想定される上、他の金属プレートと同時持込だったので取り扱いました。もし仮に「手書きマジック君」だけの持ち込みだったら査定もしないと思います。だって変な色してるし怪しい形してるし均一でないし、何よりもマジックでK14って書いてあるし、その姿だけを見ればどう考えても普通でないと判断するのが妥当な事。いったいこの「手書きマジック君」を造った目的は何なのだろう?。知っていたら誰か教えて下さい。

本日は以上でございます。





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