質屋のスタッフブログ
2021年02月01日
おはようございます。鴫原質店の弟さんです。
当店では通信販売で様々なものを販売しますが、大きな荷物を販売するときの業務をご紹介です。先週末、事務所の台所でスタッフが段ボールを加工して大きな箱を作っておりました。
大きな段ボール2つを加工して繋ぎ合わせ、段ボールを切りながら高さを低くしています。
ちなみに今回は佐川さんの段ボール。
2つで502円が原価です。
その一方ではエレキギターの梱包をしております。
先程の段ボールの加工は、このエレキギターをどうやって発送するかを決める下準備です。
入れてみると縦横の大きさはぴったりという感じ。
最初から計って作業をするので当たり前でしょ~とか思ってはいけません!。失敗する事もありますので。この段階ではまだ高さに余分なスペースが多いですね。
今度は高さを削っていく最終調整。
3辺の長さが一定の幅に収まっていないと配達業者さんは扱ってくれません。その範囲に収める事ができるかどうかが重要です。慣れた手つきで段ボールの高さを削って調整していきます。
こんな工程を経て荷物が入る丁度いい大きさの箱へと仕上げていきます。
その後、完成した段ボールに荷物を入れてみて問題が無い事を確認。品物も梱包材でグルグル巻きにするのでそのスペースがあるかの確認も必要です。
発送準備が整ったらお品物は廊下などの広いスペースで暫く時間を過ごしてもらいます。
商品の本格的な梱包や箱詰めは購入者が決定した後の作業です。因みにこれはヤフオクの1円オークションで販売するらしい。
2名でやって、ここまで時間にして約1時間ちょっと。これはこれで大変な作業です。発送する箱の大きさが決まると、品物が発送できる事と送料が決定します。大体の方にとって関心は少ないと思いますが、大型荷物の場合、サイズの他に重さなども関係するので事前準備がとても大変です。
この荷物を例えば東京まで運んで頂く費用は約1,800円弱のようですが、販売時の送料設定は2,200円位にするのかな。段ボール代や梱包材の購入費用を少しだけ頂いている設定ですが、現実的には原価割れの設定です。この工程などを見て理解頂けると思いますが、普通に時給計算をした場合、この設定送料では赤字になるのは当たり前。それでも時代のニーズと認識し、商品を販売する為の経費と割りるのが今時の考え方なのかもしれません。
もしかしたら、このギターの送料設定を見て「なんでこんなに高いんだ」と電話がかかってくるかもしれませんね(笑)。実際に通販の購入者のご住所が遠方(その時は九州でした)の時、「送料高すぎる」とお叱りを受けたことがあります。今回の送料設定のように、当店では原価を割る実費設定にしているので、その内容を普通に説明しましたが、「なんで購入したものを梱包する箱代を支払わなければいけないの」と指摘を受けたのを覚えてます。少し悲しいですが、発送する側の事情なんて、今時の通販では関係ありません。
色々な考え方があるので、全ての人に満足頂くことは難しいです。ただ当店をご利用したお客様には満足頂きたいと思い、できる限りの事を丁寧にやっているつもりです。
この件に関しては、ネット通販のショップ評価を見てもそんなに大きな修正の必要は無さそうです。当店の梱包職人さん達の丁寧さは本当にぴか一ですから。大企業だったら絶対に「そんなに時間かけるな」と怒られるくらい多くの時間をかけてますが、小企業ならではの丁寧さかもしれませんね。
色々な店舗があり、様々な点で競争していますが、商売の上では当店がいいと思ってくれるお客様を少しでも増やし続ける事がとても大切です。それは通販の世界でも同じで、当店の通販サイトの常連様もおります。今まで何本も高級時計を買って頂いたお客様や、宝石を複数購入頂いている方、新着商品を常にチェック頂く方々など、多くの方にお世話になっており、本当にありがたい限りです。当店の事を気に入って頂いているお客様を大切にする為にも、日々淡々と頑張っていきたいです。皆さま、いつもありがとうございます(笑)。
本日は以上でございます。
2021年01月29日
こんにちは。鴫原質店の弟さんです。
古物買取品の中にペン先がゴールド(K18)の万年筆がありました。
何かのブランドのようですが、腐食もひどく商品にはなりません。実のところ、こういう商品は比較的多く見ますし、今までも多く扱ってきました。景気のいい時に流行った一般ぜいたく品なのかも。
このペン先の金の重さについて、店内で意見が割れたので計ってみることに。
0.4グラム~0.6グラムというのが経験上の推測です。また個体によって造りも変わり、それにより重さも変わるので一つの参考にするだけです。因みに見た目から重さを推測することも実は重要スキルで、私は0.5グラムと推測しておりました。
壊すと決めれば簡単に外せます。
横から時計のオープナーをこじ入れちゃいましょう。
外れた姿を見て思うのは「薄っ!」ってこと。
マジでペラペラだ。0.5グラムあるかな…‥‥と不安になりましたが、それこそが私のスキル不足で自信がない証拠‥‥‥‥(涙)。
そしてグラムを計ってみます。
なんと0.6グラムもありました。色んな意味で推測が外れまくりで、少し恥ずかしいです(哀)。
万年筆のペン先などメーカーによっても形が違うので、もっと軽いモノもあろうかと思います。なので本当に参考までに。壊す場合には注意点も!。
あちこちがインクのせいで汚れます。捨ててもいい紙の上などで破壊した方が後で楽できます。
今回は腐食が酷い上、変な思い付きがあった為に壊しましたが、使用可能な万年筆は商品として金以上の価値で販売できます。リユース可能な商品は大切にしたいので、状態のいい商品は次のユーザーをできる限り見つけてあげたいところですね。
しかし万年筆か~、多分一万年使えるという意味だと思うので、ネーミングセンスは本当に凄いと思うんだけど、整備し続けた場合に実際にはいったい何年くらい使えるのでしょうか?。腐食に強い素材で造れば、数十年使うこともできるとは思うんだけどね。もしそういう造り方をしたときは、製造年数なんか刻印したら、その価値も高くなったりするかもしれませんね。使いもしない万年筆に対して、勝手に色々妄想してしまいます。
本日は以上でございます。
2021年01月27日
鴫原質店の弟さんです。
今回は前回のブログと同じように昨年の思い出話です。一番最初は電話にて、父が他界し家を整理しているが、品物が多いので出張買取が可能かどうか、と問い合わせがありました。基本的に出張をしていない旨をお伝えしたところ、時間がある時に色々持って来店頂ける事に。
出張買取をするところなど沢山あるはずなので、なんだか不思議な会話だったという印象がありました。その数日後お客様にご来店頂き、実際にお会いしてお話しした時に「安心できそうなところを選んだ」と言って頂きました。完全に当店で品物の選別をすると決めていたそうです。お会いしたこともないお客様にこのように言って頂けるのは何故なのか不思議に思います。とてもありがたい事なので、誠心誠意対応させて頂くのみです。
そして様々な遺品をゴソッと持ってきて頂き、お値段が付くものは見積として金額をお伝えしました。貴金属(金のネックレス)の値段は喜んで頂けましたが、値段が付かないものも沢山ありお持ち帰りになった品物が多かったです。
値段が付かない品物の一つにこちらがありました。
鉄道が大好きな方だったようです。
亡くなったお父様のお話をしながら中身を見せて頂きました。
2000年の新年をJR本塩釜駅で迎えられたのかな。本当に好きだったのでしょうね。そんな話をお客様と長々としていました。新年の1分前に切符を購入し、1分後に切符をまた購入したのかなしら。それともこういう商品として売られていたのか?。つい色々な事を考えてしまいます。
お客様にとっては色々な思い出があるコレクションのはずです。
子供の時に乗った新幹線は確かにこの色でした。状態も色も綺麗に残っており保管状態の良さが分かります。お客様の為に何とかお金にできないか色々と調べてみるも、ヤフオクなどで100円で取引された履歴を確認し、仕事としては扱えないことを悟ります。
「本当に凄いものだと思いますよ」と本心からお伝えしながら、趣味の世界であり価値観の違いもあるので、古物の商品としての買取は難しい旨を伝えます。「金銭的価値」と「品物の価値」が違う事をやんわりと申し上げ、好きな方にはとても価値があるものであることも補足してました。
すると「お兄ちゃん電車好きでしょ!これ、あげるね」と(実話です)。私は切符に興味を示したのではなく、昔の仙台駅の写真で飾られた入場券を興味津々で拝見させて頂いており、後学の為、携帯電話で2枚ほど写真を撮らせて頂いたのがきっかけだったのだと思います。ただ貰うのは申し訳なく「記念にとっておいた方が」とお伝えましたが、「あげるよ!誰かすきな人いたら譲ってやって」とのことでした。
そんな流れで私の机の引き出しに保管されている切符のご紹介です。
こちらは43年前に建てられた(らしい)現在の仙台駅を記念して発行された新駅開業記念入場券です。この券には明治27年に建設された仙台駅の写真が掲載されています。当たり前の事ですが駅の前には道路もなく、そもそも自動車があったのさえ分かりません。歴史学的には日清戦争が勃発した年号です。
入場日の日付が同じなのでこちらもセットのようですね。
裏に昭和25年に建設された仙台駅という説明がありました。賑わいも感じられるし、奥の方には建物もいっぱい見えるので私が想像できる駅っぽさがありますね。自動車も沢山あり何故だか意味もなく嬉しい思いがします。
そしてこちらもセットなのでしょう。
まさに今の仙台駅です。私にはこの駅の記憶しかなく(←当然ですが)、この駅が既に建築40年以上経過しているという事を意識したことがありません。いつかこの駅の建て替えの時期が来ることを考えたこともなかったので、この入場券をマジマジと見て、色々と想像していたのが今回のきっかけで間違いないと思います。
そんな流れで私の手元に保管してあるこの歴史ある入場券ですが、「誰か好きな人がいたら譲って」も言われているので、誰かの手に渡すのが私の役割となりました。こういうものに興味を示す方がいたら、譲ってもらった経緯を含めて差し上げたいと思っています。手渡し限定で!。ただ事前に申し上げますが、発行数も残存数もとっても多く、正直言って今現在珍しいものではなさそうです。ヤフオクで200円で売ってますから(涙)。
人と物を繋げることを生業としている質屋ではありますが、金銭的価値が絡まなくてもお客様に差し上げ、または譲ってもらったり。頻繁にはある事ではありませんが、たまにあるからこそ記憶に残る、そんな出来事のご紹介でした。なんだか昔ながらの質屋っぽい話だ(笑)と感じます。
本日は以上でございます。