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質屋のスタッフブログ

昔のROLEXの保証書

鴫原質店の弟さんです。

先日、ROLEXを買い取りさせて頂いたとき、その付属の保証書に関して若手スタッフのM君が「これなんですか?」と不思議がっていたので取り上げてみます。

ROLEXの保証書の形も時間の経過と共に変化してきました。昔から見ているとごく当たり前の知識として残っておりますが、見たことがない場合は知らないのは当たり前ですね。

今回の保証書は2002年に購入(及び製造)の品物に付属するものです。

ROLEXの保証書ROLEXの保証書

90年代及び2000年初期に日本の正規代理店で購入したものには、このような紙の保証書が発行され、販売店名と購入者の住所と氏名が印字されております。色々な国で販売された保証書を見てきましたが、日本独自の保証書のようですね(間違っていたらすみません)。個人情報が明確に記載される為に、このままで次のオーナーにお渡しすることができないので手を加えって個人情報を消してしまいます。

情報の消し方情報の消し方

私の場合ですが、油性ボールペンで一通り線を引いた後、その上を鉛筆で全部塗りつぶし、最後に油性マジックで塗りつぶしております。そうすると光に照らしても裏から覗いても、もともとあった字を解読することはできません。

ROLEXの相場は海外相場とも連動しており、海外の方は手を加えた保証書を嫌います。その為、海外で購入した保証書がついている製品と比べ、日本の保証書がついているものは数万円の減額になることが殆どです。プレミアがついている高額なものだと10万円以上の価格差になることもあります。海外の方が決めたルールではありますが、なんだか複雑な気分ですね。

 

因みに同年代に海外の正規代理店で購入された製品にはこのような保証書がついておりました。

海外の保証書海外の保証書

販売店名と購入日がしっかりと書かれておりますが、購入者の住所は記載されません。その為、基本的にいじくる必要はないです。因みにこの保証書にブラックライトを当てるとこうなります。

ライトで反応ライトで反応

マークの半分だけが紫外線に反応して暗闇でも反射します。保証書がついているから安心だ!というような傾向がとても強いですが、ROLEXの保証書の偽物なんて何度も見ております。このような特徴を明確にしておくこと、そして特に印刷方法に大きな特徴があり、ただのカラープリンターで印刷したような印刷物ではないことを理解しておけば偽物の保証書などにはひっかかりません。(嘘だ~と思う方もいると思いますが、何度も普通とは全く特徴の異なる保証書をみてきております。)

 

最後に、こちらは2006年頃に海外で購入した商品に付属した保証書です。

保証書のみ保証書のみ

この保証書と対になる品物は残念ながらございません。ですが、なんとこの保証書だけで少しですがお金になります。購入した方がいったい何に使うのかは想像さえできません。もしかしたらですが、印字をうまく変えてしまう事でもできるのでしょうか?どうしても悪い方向に思考が傾いてしまいます。

 

中古品(二次流通品)を買う際に、保証書や領収書などがあれば安心なのは私自信としてもよく理解できます。ただ、そこに付け込んで悪戯をすることも十分可能な上、とても簡単にできてしなう事なので、付属品だけで商品を選ぶという事は危険なことかもしれません。商品の状態や付属品、商品価格や店舗選びなど複合的にみて、総合的に製品として一番お買い得なお品物を選ぶことが二次流通品を購入する際に最も重要なことだと思います。

以上

※書いていて、別な方向へ話を進めてしまったので、今回は消しました。次回の更新でそのお話を書かせて頂きます。



中古市場のグローバル化

鴫原質店の弟さんです。

本日は通信販売で5個の注文があり、発送の準備をスタッフのOさんが淡々としております。最近では発送業務を全てやって頂いているので、私が触れることが殆どなく、その為か初めて見る納品書があり少しご紹介します。

その前に今回注文が入った商品はこちらです。

売れた時計売れた時計

ブルガリのオクト ウルトラネロ(BGO41BBSVD)

定価¥913,000の現行品です。非常に状態が良く、当店の販売価格は¥336,000と定価の63%オフという値ごろ感があるお買い得な商品でした。

こちらは2019年の3月に店頭で買取させて頂いた品物で、当店での滞在期間は18カ月です。思うよりも高値で売れる商品もありますし、出品した直後に売れる品物もあります。その逆に、売れない商品は5年経っても売れない、安くしても売れない、最後は赤字で売れない!そんなことが頻繁にあるお仕事なので、どのくらいの期間とかは関係なしに、買って頂いたら嬉しいものです。むしろ18カ月というのはそんなに長い方ではありません。

話を戻しますと、今回見つけた伝票がこちら。

見たことのない伝票見たことのない伝票 英語がいっぱい書いてありますが、最近、当店では海外への直送販売もするようになりました。ただ、社長も海外の方の対応に多くの時間をかけるようになり大変そうに見えますし、発送や入金確認もものすごく手間がかかります。

しかしながらにして、結構売れるみたい!(笑)

先日もサウジアラビアへ時計を発送しましたし、今回のこの商品の出荷先はスイスのようです。MADE IN SWISSの腕時計が日本に輸入されて新品として販売され、そして日本人が使用した後に中古品としてスイスに輸出されるという、なんというか不思議な感じの流通ですね。

海外といえば、以前も書いたことがあったと思いますが、毎週土曜日に当店の店頭ではフェイスブックを通じて商品のライブ販売をして頂いております。混みあう店内混みあう店内 (※土曜の昼過ぎは混みあうことがあるかもしれません) ライブ内で売れたものを当店から買って頂くスタイルですが、その販売力には驚きを隠せません。店頭に何年も飾ってあったものがどんどん売れていきました。そんな影響もあり、時計の海外向け販売を始めたのではないかと思います。

中古品とはいえ、通信販売のおかげで中古市場は完全にグローバル化しております。店頭の販売価格も買取価格も完全に世界市場に連動してきました。ただ気になるのは、海外向けに発送する業者の勢いがとても強くこのままの状況が続くと、いずれは日本からどんどん商品が消えていくのではないかということ。我々が扱う物のなかには、約30年以上前のバブル経済の時に大量に消費されてきた品物が多いのも事実で、消費行動が弱い現在の日本経済の中で、果たして、今後どのようになっていくのかは想像もできません。もしかしたら、日本から高額品が無くなってしまうのではないかという不安も少しあります。

とはいえ、その時々に合わせてやっていくしかありません。長年この土地に根付いて商いを続けていることもあり、昔からご来店頂くお客様も多く大変恵まれております。そして大変ありがたいことに、最近では通信販売でもリピーターのお客様が多くなってきました。

対面でも通販でもどんな形であれ、当店をご利用いただくお客様皆さまに感謝し、皆さまにご納得頂くような売買を心がけていれば、この先も商売を続けていけるのではないかと前向きに考えています。

ただ、コツコツと続けていきたいと思います。

(※できればこのブログも………コツコツと頑張ります)

以上



物を大切に

鴫原質店の弟さんです。

8月23日に質屋組合の市場があり参加してきました。今回の会場は、県内でリサイクルショップと質屋を運営する方がお持ちの結婚式場にて開催されました。資産家という事は随分前から知っておりましたが、実際に土地とか建物とか拝見させて頂くとその規模に驚きます。

会場に入ってまず目についたのがこちら。
20200826_120200826_1ピンク電話です!懐かしいですね。今も現役で稼働しているようですが、携帯電話の普及に伴い使用する人は殆どいないのではないかと想像されます。

そして次に驚いたのがコレ!
20200826_220200826_2飾りではありません。この施設のフロントで絶賛稼働中の電話機です。

使い方を聞くと、「蓋を開けるとダイアルがでてくるから」と教えてくれました。
20200826_320200826_3

これをギーゴギーゴと回して電話をかけるのですね。これまた凄い。
20200826_420200826_4というか、いったいいつの時代に製造された品物なのでしょうか。戦後……..くらいなのだろうか?

 

この施設にはアンティークと呼ばれる品物が多く見られます。机や椅子なども小奇麗ではありますが、大切に使い続けているように思えるものがとても多かったです。考えてみれば、こちらのオーナー様がお持ちのセカンドバッグは、とても使用感があるレザーバッグです。飾らない生活を代々続けてきた結果が、このような資産を築き上げたようにも思えます。人に接する姿勢や物に対する考え方、そして何よりも生き方を尊敬します。

 

フロントの電話機ほどのインパクトはありませんが、当店にも類似するものがあります。それがこちら。
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ASTER社のFR2800。毎日のお金の出し入れを支えてくれる重要なレジスターさんです。
これの何が凄いかといいますと……………。
20200826_620200826_6フロッピーディスクが搭載されています!

ですが今現在、何かを記録することなどありません。私が最後にフロッピーディスクを使ったのは、確か大学生時代にワープロのデータ保存用に使った記憶がありますが、それ以降はどこかで触った記憶もありません。恐らく今の若い世代の方は見たこともないと思います。

要するにこのレジはそれだけ古い物という事。詳しくは分かりませんが、25年以上前の電化製品なのではないでしょうか。色々なところが壊れていますが、テープなどを貼り付けて補強して現在も使用しており、皆さまへお渡しするレシートはこちらの機械が印字してくれているものです。

 
使い捨てのものが多い世の中ではありますが、物への接し方や物への考え方ひとつで無駄な出費は省けます。その一つ一つがその後に繋がっていくのかもしれませんね。このようなことは子供達にしっかりと伝えていきたいと思う一日でした。

以上





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