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質屋のスタッフブログ

2022年年号小判 ギンザタナカ 「福を届ける鳳凰」

鴫原質店の弟さんです。

お店で買取したものに珍しく2022年製の小判がありましたので取り上げときます。2020年製造 年号小判年号の入ったこの小判はギンザタナカ様で毎年販売されていて、オンラインショップや直営店で期間限定で購入する事ができます。比較的昔の品物ばかり扱っている事が多いので、ちょっと新鮮だね。プレスリリースより原文を抜粋して【2022年が明るく健康に過ごせる一年になるよう願いを込め、年号の「0」の部分に未来を明るく照らしてくれる日の出をデザインしました。鳳凰は伝説の霊鳥として物語や説話に登場し、古くから幸福・愛・平和の象徴とされています。大きな翼を広げ、2022年へ祝福を届ける様子を立体感ある精緻なつくりで表現しています。】と、小判のデザインの説明とさせて頂きます。

品物の見方(みかた)は人それぞれですが、私の場合は細かな部分に目が移りがち。小判のアップ画像日本を代表する超絶一流メーカーのギンザタナカ様は海外の方々にも大人気で、日本を代表する「ブランド品」として売買される傾向もあります。こうしてドアップで見てみると本当に凄いお品物で、金を素材にした工芸品という感じかしら。

細かな部分をもう少し。小判の細かな部分の写真年号の「0」(ゼロ)が太陽ってのも日本らしい。芸術が全くダメな私にも「和」の雰囲気が豪華に演出されているように感じられます。

裏面には造幣局のマークと田中貴金属さんの☆Sマーク。小判の裏面のメーカー刻印写真の撮り方のせいか、Sに見えんな(汗)。

購入時の領収書もお譲り頂きました。購入時の領収書2022年の純金小判50グラムの販売価格は49万円だったようです。金相場が上昇した今となっては「やすい!!」と思ってしまうのは結果論かな。私も買っておけばよかったね(涙)。

こんな豪華な木箱に入った田中様の小判ですが、2024年度分の受付がもうすぐ始まります。木箱に入った小判2024年のデザインは「気運上昇を願う双龍デザイン」という事で、これまた豪華に造られており、販売価格は74万円!!。田中貴金属さんの公式ページ(こちら)の12月5日のプレスリリースより、年号小判のデザインや販売価格と販売開始日が掲載されております。「欲しい!!」と思った方は要チェックじゃ~~。

今年は本日が最終営業日となります。このブログも今年最後の更新とさせて頂きますが、来年もダラダラと続けていこうと思います。2024年は世界的に政界と金融面で多くのイベントが予定されてますが、国内外の状況を見る限り質屋にとってはなかなか手厳しい年になる可能性があります。そんな中でも、来年末には「無事に終わったな~」と安堵できるような一年間を過ごせるよう、日々淡々と過ごしていこうというのが来年の抱負かな。本年も大変多くの方々にお世話になり、皆様ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

本日は以上でございます。



ブライトリングの新しいウォッチボックスから学ぶアップサイクルについて

鴫原質店の弟さんです。

今回は先日入荷したブライトリングの付属品について感じた事を。ブライトリングの新しい時計ケースの画像いつの頃からか、高級時計の箱は大型化を進め、大きさにより豪華さを演出してた感がありました。そんな慣例的な常識を排除し、ブライトリングが新しく開発したのがこの環境配慮型ウォッチボックス。この箱状の物は折り紙のように折られてその形を形成しており、スナップを外せば薄い一枚の形状になり、保管場所も取らない斬新(?)な仕組みになっています。そして素材全ては廃棄プラスチックを科学的に加工した素材とか。詳しい説明がブライトリングの公式ページ(こちら)にありますので、興味がある方はそちらをご覧下さい。

少し面白いな~と思ったのはこの部分。説明書の表紙になっていギャランティーカードギャランティーカードが取説の表紙になっており、コンパクトに一体化してました。斬新であり、コンパクトでいいんだけど、これがいい事かはちょっと分かりません。

広げるとこんな感じ。説明書を広げた様子左下がギャランティーカードですが、これ分離できるのかね?。壊れそうで確かめる気にもなれません。一応、当社の商品なので私の興味で壊すわけにもいかんのです。

ケースの中身はこんな感じ。時計ケースの内側とても高級時計の付属品には見えんのだが・・・そこが正に常識を打ち破った新発想!!?。いや違うか・・・環境配慮だから値段は関係なしだね。

上蓋の内側に収納スペースがあり、ここに時計以外の付属品全てが入ります。時計ケースの内側のポケットとはいえ説明書もペラペラの紙だから褒める事でもないけれど、頭の悪い私に理解できない点は、他メーカーでもやってるように、説明書は「ネットで見てね」と何故しなかったか?。付属の取説はコンパクトにまとまり過ぎて、とても文字が小さく私のようなジジぃ~には文字が読めんのだよ。

箱の中に入っているのが恐らく時計ケース。時計ケース収納ケース初見なので「恐らく」と記載しますが、きっとこんな感じで時計を入れるんだろうね。間違ってたらゴメンね(汗)。

そしてボックスへの収納方法がこんな感じ。ケースの使い方時計ケースを丸めて時計ホルダーに変身させます。蓋を閉めれば上蓋裏の収納部分が時計を中に押し込み、箱を振っても揺れもせず「おお!!」と思いました。コンパクト設計で輸送コストも削減だぜ!。しかもこの素材なら高級時計にありがちな素材の劣化はなさそうです。もちろん10年経たないと経年劣化による変化は確認できませんが、観察する事を楽しんでいきたいと思います。

廃棄予定の物に手を加え、価値ある新しい製品へ蘇らせる「アップサイクル」という考え方は、世界中で注目されるようになりました。廃棄されたペットボトル(ポリエチレンテレフタレート)を材料とし、優れた材料特性をもつPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹種へと科学的にアップサイクルする技術は、これと同じ素材化かは分かりませんが、このような高級時計にも影響を及ぼしています。SDGsやサステナブル(持続可能という意味)という発想から注目されるアップサイクルですが、この考え方を中古業界で適用するとどうなるんだろ?。

グーグル先生に「アップサイクル」について尋ねると、【アップサイクルは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することで、「創造的再利用」とも呼ばれています。 】との事!!。そういえば、当店の常連様が約10万円もするエルメスのカレ(スカーフ)3枚を切り刻んで、バッグとして縫い直して使って事を思い出しました。シルク素材の風呂敷のような形で、「汚れたら洗濯できるのよ~」と笑いながらそのバッグを見せてくれましたが、それはまさに「創造的再利用」になるような気がする。関連する事で、ヤフオク!とかでルイヴィトンのヴェルニ素材の塗り直し商品が大量に売られてたな。心の中では「改造品」扱いしてたけど、もしかしたらとてもいい事をしてるのかもしれないね。関連する事として、ボロボロで使えなくなった中古バックに自分で「色を塗る」とか、「革をなめして綺麗にする」などはアップサイクル(←考え方は違うかも?)になるのかも。自己修理や加工は、今まではやってはいけない行為と認識してましたが、それはリセールバリューに影響するからという、再販業者の都合なのかもしれないね。こんな流れを感じると何が良くて何が悪いのか、相変わらず意味もなく考え込んでしまいます。ただ、それが当たり前の風潮になった時、真贋や正規品などの価値観は全て吹っ飛びそうで、少し怖い気もしてきました(汗)。

本日は以上でございます。



モーツァルト追悼200年記念 「ドン・ジョヴァンニ」 500シリング金貨 1991年発行

鴫原質店の弟さんです。

社長が仕入れてきたペンダントヘットに見た事ないコインがあったので取り上げます。モーツァルトがレリーフされたコインコインに描かれているのは、中学校の音楽の時間に勉強したハズのモーツァルト。義務教育を受けた身でありながら、音楽に興味を示さず全てを忘れてしまった私は、若手スタッフM君に「この人何した人だっけ?」と聞くと、「35歳でこの世を去った偉大な音楽家です」と即答してきます。スタッフM君!!やる奴だな・・・。それでもって、偉大な音楽家さんは何でこんなに怖い顔で睨んでくるんだろ。ずっと見られてるようで少し怖い気がするよ。偉大な音楽家が何をした人なのか、それに興味を抱かない時点で私は音楽に疎いんだろうな。

気になったのはこの「SCHILLING」という文字。500と記載がある時点で通貨であろうと想像しますが聞いた事がないな。コインに刻まれた500シリンググーグル先生に尋ねると、2002年のユーロ導入までオーストリアで使われていた通貨との事。偉大な音楽家はオーストリアのザルツブルク出身という事で、1991年に追悼200年を記念してオーストリアで造られた貨幣金貨のようです。追悼300年を記念して今後発行される機会があれば、ユーロで発行されるのかな。

そして裏面も男性が・・・表裏が両方男性なのは珍しい。ドン・ジョヴァンニと書かれた「この人は誰だ?」と思い、再度M君に「この人誰?」って聞くと「遊び人で有名です」と即答。またもや「M君やるな~~」と思いましたが、数百年も前の人で「遊び人」で知名度があるって凄くね?。コインの裏面のドンジョバンニこれまたグーグル先生に尋ねるとウィキペディアの一文が一番上に出てきました。そのまま掲載させて頂くと「女たらしの貴族。従者のレポレッロの記録によると、各国でおよそ2000人、うちスペインですでに1003人の女性と関係を持ったという。」との事。事実ではなくオペラの中の作り話だよね(汗)。良く分からんけど、あまり深堀しないでおこう。個人的に気になるのは一体何歳まで生きて2000人なのか?。事実かどうかは別として、遊び人で有名なのもうなずけるね(笑)。

最後にモーツァルト追悼200年記念 「ドン・ジョヴァンニ>」500シリング金貨 1991年のスペックを。コインを定規で計測してる様子重量8グラム、直径22ミリ、品位は986/1000、表面にヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、裏面には2000人切りの有名人「ドン・ジョヴァンニ」。986は少し珍しい品位で、ヴェネチアやローマ帝国の造幣局で使用されていたらしい。その品位は「Ducat fineness」(←品位986の事)と呼ばれており、品位990(two nines fine)と共にオーストリアとハンガリーで使用され続けてるという事です。日本の金品位で表すとK23.66という感じかな。

発行数が5万枚でさほど珍しいものではなさそうだけど、1991年の発行より30年経過してる今、現存するものは少なさそう。ケースにキチっと保管して傷がないものであれば、コインコレクターの方々が高値で購入してくれる可能性も感じられ、ちょっと勿体ない気もします。感覚は皆違いますが、表裏で男男の図柄で、片方が「やり〇ン」の遊び人だから、欲しい人も限られるようにも思えるな。けれども!!!、ドン・ジョヴァンニの説明に「愛の伝道者」という表現もあり、女性受けはもしかしたらいいのかもしれない(?)。男性の特徴を示す新しい言葉に「草食系」という言葉が生まれて久しく経ちますが、今現在「愛の伝道者」と「草食系」のどちらが選ばれる時代なのか、そんなアホな事を考えてしまいます。

本日は以上でございます。





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