質屋のスタッフブログ
2022年07月02日
鴫原質店の弟さんです。
社長さまが市場(業者間オークション)で仕入れてきた商品に、私好みの品物がありましたので取り上げます。
こちらの時計はなんと、スタジオジブリ「紅の豚」とのコラボレーションモデルです。最初に見た時は、他の商品と同じく「数ある仕入れてきた腕時計の一つ」という見方でしたが、「ジブリ」と知ると私の見る目がガラリと変わってしまい、マジマジと観察してしまいました。数量限定600本の品物らしく、出会えたことに幸せを感じます。簡単に時計の説明も加えると、型番はSARK017で定価が¥440,000です。時計の詳しい情報を知りたい方は公式ホームページ(こちら)で確認下さい。
私が愛でたいのはジブリの世界感。とりあえずジブリさんの公式ページ(こちら)からフリー画像をお借りしました。「常識の範囲でご自由にお使いください」とありがたい言葉に感謝して使わせて頂きます。
マルコの乗る飛行機「サボイアSー21」の尾翼に描かれた「カラーとマーク」がインデックスにある事に気が付きます。文字盤には琺瑯という日本の伝統技術が活用されているとの事で、プレサージュらしさも感じられますね。秒針はプロペラを連想されるデザインになっており、中央を境目に仕上げ方法が異なります。こういう形状の秒針を見た事が無く、観察してるだけで楽しくて仕方ありません。針が示す時間が「16秒なのか46秒なのか」を気にする方はこの世界感には浸れなさそうですね。
ケースサイドには「SAOIA S-21」の掘り込みがありました。
そしてリューズに描かれたRはイタリア語で「赤」を意味する「Rosso」のRかな。時計の本質を崩さない部分にさり気なく「紅の豚」の世界感をアピールをしているところに共存性が感じられます。
ベルトにも尾翼と同じカラーリングデザインが入ってます。
この部分の縫製は構造上不要で、デザインの一部として採用されたと推測します。
そしてまた付属品の一つにこちらの替ベルトがあり、このカラーリングに超感動!。
真っ赤過ぎるクロコダイルのベルトに変えれば、さらに「紅の豚」の世界感に浸れること間違いなし!ですね。それにしてもこのベルトを付けたらド派手だろうな・・・。しかしマジでカッコよすぎる!。何だか勿体なくて使えなさそうな予感しかしない。
ケース裏面にはマルコ様がいらっしゃいました。
イタリア語で「Un maiale che non volare è solo un maiale」と書かれた文字は、日本語に訳すと「飛べない豚はただの豚だ」です。上映当時は映画の宣伝をテレビCMで頻繁にやっており、このセリフを何度も聞いた事を思い出しました。今になっても意味はよく分かりませんが、とても凄い言葉のように思えるのはやっぱりジブリだからですかね。そしてマルコの声もいいんだよな~~(←私の感想)。
付属品にも所々にジブリ色が。トトロもラブリーだ!。
時計の内箱に書かれていた「時間にしばられずにいきましょう」という文字が心に響きます。そんな風に生きていけたらいいんですけどね~~(涙)。現実は理想とほど遠く、悲しいものなのだよ・・・。
昔から多くのコラボモデルが発売されていますが、近年では2次元世界からのコラボレーションが多くなってきたように思います。ジブリで例えると「トトロ」や「ジジ(魔女の宅急便)」や「天空の城ラピュタ」のコラボモデルもあり、セイコーのアルバとプレサージュで展開されています。そしてまた、当店で最近販売していものにセイコーの「ザクモデル」やタグホイヤーの「マリオモデル」がありました。探せばいっぱいありそうですが、「腕時計に求められているニーズの変化」の一つの形が、このような商品が創りだされる源になっているのは間違いなさそうです。
私の場合、「時計って何のためにするんだっけ?」と思ってしまう悲しい人間ですが、この「紅の豚」コラボモデルはすぐに売れてしまいそうな予感がしてました!。なんせ世界のジブリの限定600本モデルですし「紅の豚」ですから。こんなコラボが出来る事がプレサージュの魅力、そしてブランド力なのかもしれないと感じています。入荷してすぐ(←先週の事です)こんな事を書いてましたが、本日7月2日、ネット通販で購入の注文が入りました。ネットに出品したのは先週で、お店に展示し始めたのは昨日の事。来店されるお客様の目に触れる事無く、当店からひっそりと旅立つこの子に、「マルコっぽいな~」と感じてしまいます。
尚、「マルコ(マルコ パゴット)」はヒロインが主人公のブタさんを呼ぶときの名前で本名になり、他の皆は「ポルコ」又は「ポルコ ロッソ」と呼んでいます。イタリア語で「Porco Rosso(ポルコ ロッソ)」と書き(時計の裏蓋にも記載あり!)、日本語訳は「赤い豚(紅の豚)」でカッコいい!(←何がだ?)。映画の中でおばあちゃんがマルコの事を「ポルチェリーノ(Porvellino)」と呼ぶシーンがありますが、「子豚ちゃん」的な意味合いのようです。ように皆さん「豚」さんと呼んでいるのですね。そういう一面をみても他にも沢山あるであろう「豚さんを連想される単語」であればマルコは反応してくれそうな気もします。しばらく見てないけど猛烈に映画を見たくなりましたので、DVDを借りてくることにしよう!!。なんか話が凄く湾曲し、時計の話と関係ないところに着地してしまいましたが、いつもの事なんで気にしない事にしてます。「さらばだ!マルコ~~~~」。
本日は以上でございます。
2022年06月27日
鴫原質店の弟さんです。
社長様が市場(業者間オークション)で仕入れてきた腕時計に、私が初めて見る新しい時計の機能があり、ちょっと感動しちゃったのでご紹介します。
こちらはカルティエのサントスドゥカルティエLM(WSSA0013)、ブティック定価929,500円(6/17現在)で約2年前に発売された現行品です。腕時計の紹介をするつもりはないので、ご興味があれば公式ホームページ(こちら)で確認下さい。尚、リンクを貼ったページの型番はWSSA0030と記載されますが、革ベルトのバックル形状の違いです(←ベルトに穴があるかないか)。
紹介するのはこの時計に限らず、カルティエで新たに採用したベルトの構造について。
時計の裏側を見ると赤〇の部分がボタンになっており、ここを押して引っ張る事で簡単にベルトの脱着が可能です。カルティエの公式ページには「クイックスイッチ」交換可能システムと書いてありました。細部や機構は違いますが、以前ロードスターで採用されていた考え方で、専用工具も技術も知識もいらない、とても便利な機能ですね。
ベルトを外すとこんな構造になっています。
ボタンを押すことで、本体と接触する赤〇の部分がフラットになり、本体との結合部分が無くなり取り外せます。またこのボタンの「遊び」は青〇をつけた部分で管理されているようですね。
本体側にはベルトの固定する場所が用意されてます。
この青〇の部分がベルトのパーツと結合して固定されるようです。本体側もベルト側もとてもよく造られていて、合体した時に隙間一つ見当たりません。この造りって簡単には真似できなさそうだし、真贋鑑定でもかなり役立ちそうかな。
時計には付属品がいくつかあり、ステンレスベルトもついてます。
気分に合わせて自分でベルトを交換できるこの構造は、多くの方が望んでいる事でしょう。それにしてもこのカルティエと書かれた「棒」は一体何に使うのだろう?。初見なので分かりませんがベルト交換の補助アイテムだと思われます(←使い方不明・・・)。ベルトの脱着やコマ調整もしてみましたが、このアイテムを使わなくても簡単にできたんですよね。窪みの部分の意図を知りたいので色々考えましたが、意味不明で終わっちゃいました。
ステンレスベルトの細かい部分も見てみましょう。
黄色い〇をつけた部分は意図的にちょっとした隙間が全部のコマにあり、こういう部分に興味が湧いてきます。傷つけたくないので今は動かしませんが、何かしらの目的がありこのような造りになっているはずです。また、ベルトの裏には何やら不思議な部分があり、「何コレ?」とガン見し、数十秒間、真剣に考えてしまいました。赤〇の部分にベルト固定ピンが見えており、片方の側面でピンの頭が確認できますが、反対側にはピンを押す穴は見当たりません。
そして意味ありげなパーツを押してみます!。
「パっキーン」というような音とともにピンが飛び出て、その瞬間に私も「ギャッ!」と声を上げました(実話です)。この部分はなんとボタンの役割を担っており、ベルト固定ピンを取るのに道具が必要無いという、とても凄い仕組みです。そして下の画像の通り、ピンは最後まで抜けない構造になっているようで、今までの構造を嘲笑うかのような、とんでもなく凄いアイデアだと思いました。カルティエ公式ページではこれを「スマートリンク」サイズ調整システムと明記しています。たった一つ気になるのは部品の寿命についてかな。複雑な造りはシンプルなものと比べると、どうしても劣化が早いからね。泥や埃が入り込んだら・・・どうしよう?。バネか何かが入っていると想像しますが、部品が下手ったらどうなるのかな?。
性格が悪い私はこの説明書にどうしても突っ込みを入れたくなりました。
説明してないじゃん・・・(笑)。見りゃ分かるだろって感じの構成が面白く、100万円もする時計の説明書とは思えません。
個人的にこの部分は大事に説明して欲しいところなんだけどな~。
日付変更のルールを守らないと簡単に時計は壊れてしまいます。とはいえ、カレンダーディスクや日送車など使っていない構造かもしれず、もしかしたら説明の必要がないのかな?。この時計の内部構造の知識がないので、機会があれば時計工房の職人さんに聞いてみましょう。でもさ~画像左側の「ご使用に際しての注意」を見て、完全に理解することの出来る人って少ない気がしません?。
ちょこっと脱線しましたが、今回はカルティエの「スマートリンク」サイズ調整システムと「クイックスイッチ」交換可能システムを紹介しました。とても便利で実用的な構造により、ベルト調整をワザワザ人に頼む必要もなくなります。私は「ネジの規格は統一できないのか?」とずっと思い続けてました。ロレックス専用ドライバーとか、グランドセイコーに厚みを合わせたドライバーとか、常時20本以上のドライバーを保有し、その時計のネジに合わせてドライバーの厚みを削ったり鋭利にしたり、「ネジが統一されたらどんなに楽だろう」と考えるからです。ところがそんな考え方をすっ飛ばし、「ネジ」を回す事さえなくなったこのアイデアに、ただ心から驚き感動してしまいました。他のメーカーが追従するのかは分かりませんが、誰もが簡単にベルト調整が出来るというこの発想は、これからの腕時計のスタンダートになっていけばいいなと思います。
本日は以上でございます。
2022年06月25日
鴫原質店の弟さんです。
今回のお話は暫く前の出来事で、ただの個人的なの日記です。一般的な幼児のお祝いの話ですが、こういう話だと個人的な感覚や考え方を書いている事が多く、私個人の感覚である事をご理解頂ければと思います。また、子供の行儀の悪い食事風景が画像で出てくるので、苦手な方はご遠慮下さい。数カ月前に一度休日日記でアップしましたが、思うところがありすぐにひっこめて、そのままアップするのを忘れてました・・・。大体の方にとってはどうでもいい話だと思いますがご興味がある方はご覧ください。
【※いつもにも増してスペースを開けさせて頂きます】
その日はドチビの前に二つの大きなお餅が用意されました。
1歳の誕生日に子供の今後の成長を願って一升(1.8キログラム)のお餅を担がせる歴史的な風習というやつです。お餅に興味をもったのか、「ペチペチ」と叩いていた様子がとても可愛らしく印象に残りました。
地方によって方法や願いは色々と違うようですが、私は「一生食べ物に困らないように」と願う行事と認識してます。伝統行事ではありますが、何となく親として「やらないといけない行事」の中に分類されており、何となくやっとけば問題なしという程度の感覚です。とりあえず奥様が用意した小さな布切れにお餅を包んで背負わせてみることにします。
記憶が正しければ上の子達には1個のお餅を背負わせたような?。記憶違いかな?。それとも今時の一生餅は2個なのだろうか・・・?。そんな違いに意味さえ感じませんが、紅白で縁起が良さそうな事だけは確かですね。
つかまり立ちしているところに後ろから背負わせてみます。
想像とは違いしっかりと立っていたので、「こやつ!やる奴だな~」と関心します。つらい思いはして欲しくないのでホッとした瞬間でもありました。
ところがテーブルから離れて自ら歩き出し、掴まるところが無くなると立つのもやっとの状態に。
支えていないとイナヴァウワー状態でかなり危険だと悟ります。こうなるとあからさまな幼児虐待。こんなことに大きな意味はないと思っているので、横に優しく転がしてこの意味不明な風習は速攻で終了です。怪我などさせたらそれこそ無意味ですからね。一瞬だけ「すごい子だ!」など思いましたが、いたって普通の子のようで逆に親近感が沸きます。(←親ばか)
そして次はお祝いの形式上、奥様が造った「見た目はケーキ」っぽい食べ物が登場。パンケーキに無糖ヨーグルトと苺を添えただけの、考えただけでゾッとするような味を想像してしまう食べ物ですが、ドチビは猛烈に興味を示していました。
直ぐに駆け寄ってきましたが、「記念に」と写真を撮るバカ親に対し、やりたいことを制止される小さな赤ん坊という構図のこの写真。こういう儀式に付きものの「親の満足感を満たす為」の行為に他なりません(笑)。頭では分かっていても、記録に残したい気持ちが強いとやってしまいがちで、何一つ子供の為にはならなかったりします。子供向けの行事を一通り見てきた結果、子供のストレスになる事は避けようと思うようになりましたが、分かっていてもやってしまうのは親だから!。愛情がある故にどうしても記録に残したいのです。(尚、イラストはこちらから頂きました。ルールを順守して使用させて頂いてます。)
撮影後は椅子とテーブルを設置して待望の食タイム!。好物と思われる苺のみを器用に摘まんで食べていました。
時折、手についたヨーグルトを眺めていましたが食べてる様子はありません。幼児には酸っぱい食べ物なので好まないのかな。甘いヨーグルトならバクバク食べると思うけど、幼児期の体には塩分や糖分は負荷を与えてしまうので、このような「怪しい食べ物」を考案したようです。このケーキっぽい食べ物は、子供の為の物か親の満足度の為なのか、どっちかな~と考えてしまいましたが、結果的にみんなが満足できたように感じます。
苺を数個食べた後はこねくり回して遊んでました。
こんな様子を見ているだけでこの食べ物は物凄い役割を果たしたと実感ます。見ていて満足過ぎる結果(思い出や写真)が残せました。どチビを観察していても「楽しそう」とか「美味しそう」と思えたのと、常に笑っていたので満足してくれたんじゃないかな。
そしてお祝いの定番食「お寿司」の時間。大人たちは宴の準備万全です(笑)。
こちらは家から近い「はま寿司仙台六丁の目さん」(店舗のホームページ)のテイクアウト。基本的にこのお祝いは幼児を楽しませる為のものではなく、親が幼児の1年間の成長を喜び、そして今後の成長を祈りながら祝杯を挙げるお祝いの儀式で、私もお酒を飲みながら時間を過ごすというありふれた結末に(笑)。皆が食べてる間この幼児さまには、なんだか可哀そうなのでお菓子をあげて時間を過ごして頂きました。普段と味が違うものを食べるだけで喜んでくれるので、この頃の子供は何を食べても新鮮で幸せなんだと思います。ウサギや猫などに餌をあげる感覚で餌付けができるのは、この年齢の頃だけにある最高の楽しみだと私は思っています。
出産やお食い初めに一生餅とこの子に関わる事をブログで書きましたが、「産まれてもう1年以上も経つのか~~」とビックリしております。特にコロナ渦だった事もあり、妊娠発覚後から「絶対に感染しないぞ!」と何もかもを徹底し続け、長い時間を過ごした気になっていましたが、気づけばあっという間に2年という時は流れました。自分が年老いていくことはあまり実感できませんが、子供の成長を見ていると月日の流れをヒシヒシと感じます。
この子の産まれた令和3年の出生数は、宮城県単体で見ると1万4100人(男性7134人,女性6966人)らしい。(※令和2年10月1日から令和3年9月30日までの1年間、県のHPより。)これは東京に次ぐ下から全国2位の出生数という状況で、今も尚、過去最低記録を更新中です。先月、県では「ベビーファースト活動宣言」なるものを掲げましたが、子育て世代に対して、今よりも手厚い公の手を伸ばしていただけるのかもしれないと、心から期待させて頂いております。女性人口の半分が50歳を超え、出産可能な年代の減少を意味する「小母化」なる言葉さえ聞くようになりました。少子化問題は数年単位で改善するようなものでなく、年金や健康保険などの日本独自の社会構造そのものを維持する為に対策が必要です。数十年単位の未来を見据えた長期的な政策を、継続的に続けて頂きたいと願っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。(私の年金の為にも何卒・・・・)
本日は以上でございます。