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働く男性のステータス!?「昇進祝いの腕時計」

鴫原質店の弟さんです。

昨日の夕方の事、インターネットでうちの品物を見た方が商品を見る為にご来店されました。そのお客様と長めの時間で色々な話をさせて頂きましたが、「昇進祝い」で新しい腕時計の購入をご検討されているという事です。昇進した時に腕時計を購入頂くお客様は多く、働く男性のステータスアップ的な意味合いもあるようです。

気に留めていた腕時計はこちらでした。ホームページの販売画面最近インターネットにアップしたばかりの腕時計で、タグホイヤーのモナコ クロノグラフ キャリバー11(CAW211C.FC6241) 。白文字盤にオレンジ色の長針がいいアクセントになっており、視認性も抜群の品物です。尚、店頭販売価格は¥432,000。この画像はうちのホームページのスクリーンショットなので、ちょっと荒い点をお詫びいたします。

時計のガラスに傷があり、インターネットの画像で事前に確認頂いていたようです。ホームページの販売画面で掲載したガラス傷目を凝らして傷を探しますが、正直言って目で見えるものでもありません。拡大倍率が異常なので、視認する事は非常に難しいと思われます。ってかこの写真を撮っている私にも目では見えません(老眼!)。「全然気にならないね~と」言ってくれました。

時計を見ながら色々な世間話をしていましたが、少し予算オーバーだという話を言って頂いたので、「現金でお支払い場合¥423,300で大丈夫ですよ~」とご案内します。そんな感じでケタケタと二人で話をしながら、40万が予算だとも教えてくれ、とても誠実なお客様だと感じます。予算って大事ですよね!。

何故かは知りませんが、パン屋さんの原価の話とか焼き鳥屋さんの原価の話などで盛り上がりまして、何が儲かるかなどの話が続きます。こんな商売が今はいいよね~的な情報交換は楽しく、流石に企業の管理職の方のお話は面白い。そんな話の流れからこの腕時計の原価をパソコンに映しお見せしました。商品原価仕入先が業者間オークションで、仕入値は¥393,822との事。基本的に私も原価を全部知っている訳ではないので、お客様と一緒に驚いてました。この値段に外注で外装仕上げの料金が原価にプラスされ、数千円の利益とカード手数料と消費税を加えた程度の金額で販売しているんですね(←他人事・・・)。そんな感じで大体41万くらいが原価である事をご理解頂き、40万では売れない事をご理解頂きます。閉店時間が近いており、最後に「検討するね」と笑顔で言ってくれ退店されていきました。私も「ありがとうございます。ご検討下さい」と楽しい時間に感謝してお礼を申し上げます。

考えてみると、うちのお客様で昇進の度に時計を買い求められる方は多いです。こんなことを書いていて、瞬時に思い浮かべたお客様がいました。15年前に一般社員から役員に抜擢され、その記念にロレックスを買って頂きましたが、15年のお付き合いの中で昇進する度に「昇進したよ~~」とご来店頂き、社長にまで上り詰めた時はロレックスのデイトナをご購入され今でも使って頂いてます。なんだかんだで今まで50点くらいの商品を買って頂いており、来店される度に昔話で盛り上がったりします。そんな感じで自分とは関係ない人生の歩みを、品物を通した会話の中で触れ、その相手の事を知ることは接客の一つの楽しみです。今回のお客様も「昇進したんだ」と伝えてくれる言葉にも色々な思いを感じられ、心から「おめでとうございます!」とお伝えしました。そしてまた、この腕時計があの方の昇進祝いに選ばれればいいな~と思います。

一応補足しますが、この程度の粗利だけでお店が運営できる訳がなく、お客様がいないときの「暇な時間」に一生懸命作業を継続する事で、暇な時間をお金に代える一つの方法にこのような原価率の高い商品があるという事を付け加えさせて頂きます。ま~最近はこういう商品の割合が多くなってきてますけど・・・・。そういう話に今回のお客様が興味を示し、世の中甘くないね~~と二人で長話が続いた出来事でした。もし購入頂けたら、記憶に残る思い出になりそうですね。

本日は以上でございます。

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