質屋のスタッフブログ
2023年02月13日
鴫原質店の弟さんです。
お店の買取品で初めて見た品物があったので記録用に取り上げます。
初めて見る24金の金貨ですが証明書もついており、金である事には何の疑いもありません。ただ、このデザインに関して、グーグル先生に聞いても同類のものが一つもでてこなく、「こんなこともあるんだね~」と少しビックリします。
ケースから取り出してコインを見てみます。
金貨にはジョンエフケネディー大統領が描かれており、歴史の授業で教わるアメリカ史においてはとても有名な方ですね。この方に関しは多くの映画や物語が描かれていて、日本人でも知ってる人の方が多いと思われます。
コインのもう片方のデザインはこんな感じ。
1988年に造られた事と2分の1オンス(HALF OUNCE)で250ドルの貨幣価値がある事は分かりますが、何をイメージしたデザインなのか私には分からない。書かれた文字を訳すと「自由の翼が私たちをここに連れてきた」という事ですが、何でしょうね~~?。新大陸発見をイメージしてるのかな?(←センス悪い?)。
次に証明書(説明書)を見てみます。
金貨の直径は32.25mmの15.55グラムの純金製。そして製造個数は驚きの5千個のみ。そりゃグーグル先生の検索でヒットしないのも頷けます。35年前に5千個造られた一つが目の前にあるってなんか不思議な出会いです。
ケースに書いてある「Pobjoy Mint」という文字について。
調べてみるとブリティッシュポブジョイミントはイギリスのサリーにある株式非公開の企業セクターの造幣局でこういう資産価値のあるものを造っている会社らしい(←ウィキペディア様から)。グーグル先生で調べてみると多種多様なコインを生産しているようで、もしかしたらとても有名な会社なのかも。日々勉強ですね。
珍しいものを買取させて頂くとき、もちろんお客様に直接聞くことはありませんが「何で売るのかな?」などと考える事もあります。
ただ今回のお客様は保有するコイン8個と昔のジュエリー複数をお持ちいただき、「もういらないから」と話しておられました。逆に見積金額に驚いており大変満足頂いたようです。1980年代の金貨ばかりで、この時の円建金価格の平均価格は2千円弱しかなく、金の価値は当時の4倍以上になっています。このコイン8個だけで110万円位になり、お客様が購入した金額よりも高い金額であることは間違いありません。30年以上大切に保管していた宝物だったのでしょうが、喜んで売却頂きこちらも嬉しい限りです。ただその一方で、このように珍しそうな品物だと毎度毎度「これ、どうしよ・・・」と少しだけ考え込んでしまいます。
本日は以上でございます。
2023年02月06日
鴫原質店の弟さんです。
2月4日の朝、何となくルイヴィトンのホームページを見てみたら何の前触れもなく定価が上がっていた事に気づきました。1月は数多くのブランドメーカーが値上げを発表してましたが、やっぱりルイヴィトンもか~と思った瞬間です。
取り合えず当社ホームページで販売している未使用のルイヴィトン製品の価格を修正しました。まだ売れてない状況から察するに情報認知が早かったと思われます。
塩ビのバッグだと全体的に7千円程度の値上げがされているようで、当店での買取値段もそれに合わせてスライドする為、売値もそのままスライドさせます。現状で売れてないのに値上をするというのは心境的には少し複雑。
上の画像のバッグ(ネオノエ)を含め、当店で扱う頻度が高い3つの製品の3年間の値上がり率を意味もなく確認してみました。
ネオノエさんは毎年10%程度の値上がりなのね。それでも買う人がいるという事は、世界的にみてブランド品需要の高さが想像できます。国内でもルイヴィトンショップはいつも混みあってるとお客様から聞きますが、国内需要ってどうなんだろう・・・。
特に目を引くのがネバーフル様。
3年間で143%も値上がりしているこの子は恐らく人気者なのだろう。当店で展示してあるこのバッグの値段は据え置いてますが、相場の変動に合わせて変更しているので、暫くは様子見かな。海外需要に引っ張られた期間が長かったけど、その勢いも落ち着きつつあるので、今後どうなっていくのかかなり不透明な状況です。
前もこんな事書いた記憶がありますが、このバッグが登場したのは2008年の事。
当時の定価は6万8千円(+税)で、為替やマイナーチェンジやブランド地位向上などの色々な要因があるにせよ、現在の定価である¥236,500が不思議な価格に思えるのは私だけでしょうか・・・。日常生活に必死な私には理解不能な価格帯で、仕事以外では今後も縁がなさそうかな。
デフレ経済にドップリ浸かった経済観念が故に、何もかもが値上がりするという最近のインフレ傾向に大きな抵抗感を認識していますが、今後は何がどこまで、そしていつまで値上がりするのか一向に不透明な状況です。質屋という商売上、ブランド品の値上げは仕事面でプラスに働きますが、生活必需品の値上がりは私生活に大きく影響し、国策とも思われるインフレ誘導は果たしていつまで続くのか。物価は来年落ち着くという予想(←日本銀行が発信してます)もありますが、本当にそうであって欲しいところです。物価上昇の次は金利上昇も控えており、その点も生活に大きく影響してくるので、仕事の上でも生活の上でも情報収集が大切だな~と思っています。
本日は以上でございます。
2023年01月31日
鴫原質店の弟さんです。
珍しい金の工芸品があったので取り上げます。
こちらは造幣局が製作した純金製の「平成桜小判」というお品物。木箱が高級感を漂わせています。
最初にこの小判の規模感を。
5cm×3cmくらいの大きさで15.2グラムの結構重たいお品物です。
説明書ありがたや!の画像掲載。
「桜の通り抜け」の110周年を記念して造幣局が製造した品物のようです。説明書にシワや汚れが多く文字が読みずらかったので、色を抜いて文字が読みやすいように色味を強くした加工した画像です。
説明書から「宝船と波に平成の文字」を配したもの、というデザインが表面。
なんか御利益がありそうな感じがするね。「今年はいい事あるかな~」などの淡い期待感から始まった令和5年は既に12分の1が終了しており、このままいくと気が付けば年末になってしまうという危機感を感じます。思えばこれに書かれた「平成」という時代も気が付けば令和に替わり、何をしていても時間だけは淡々と過ぎていくので、日々をどう過ごすかが大切なのかもしれないな。
「今年の花」をデザインしたという裏面はこんな感じ。
花染衣(はなぞめい)と読むらしい。何て書いてあるか分からなかったので、造幣局のページ(こちら)を覗いてみたら桜の写真と説明がありました。北海道松前町で育成された桜で、花見時の衣装である花染衣(ハナゾメゴロモ)にちなみ、この名が付けられたという事。なんか素敵ですね。桜の通り抜けでこの花染衣が「今年の花」に選ばれたのが平成5年(1993年)みたいなので、約30年前に発行された小判だと推測されます。造幣局の別ページ(こちら)で平成5年に発行された貨幣セットをみると、「今年の花」で花染衣が使われていたので、多分間違いないと思います。(違ってたらごめんなさい)
裏面には造幣局で造られている事を示す刻印がありました。
「謹製」という文字の意味をグーグル先生に聞いてみると、「心をこめ、つつしんで製造すること」とでてきます。「きんせい」と読む漢字ですがすばらしい言葉ですね。
最後に宝船の拡大画像を掲載しておきたい!。
なんだかいい事がありそうな気がするので、取敢えず祈っておきます(←何をだ?)。いい事あればいいな~!って思う一方、「いい事」って何だろう・・・と少し理解に苦しんだりします。少なからず世界が平和であって欲しい。
最後になりますがこの「平成桜小判」は裏面の花(今年の花)のデザインを変更して、定期的に発行されている小判のようで、「〇〇周年を記念して」という事からもそういう推測が成り立ちます。そしてまた、他の花がデザインされた「平成桜小判」もあるようなので、この小判自体はそんなに珍しい品物ではないのかも。とはいえ約30年間も大切に保管されてきた事に敬意を感じますし、この花染衣がデザインされた「平成桜小判」はかな~り珍しいものだと思えます。1月25日の報道で、「国内金小売価格が最高値を更新」という記事がありました。金価格が上がった的な報道があると地金の買取量が増える傾向は感じてるので、珍しい品物がありましたら掲載していきたいと思います。
本日は以上でございます