2024年05月23日
鴫原質店の弟さんです。
今回は、ロレックスのオーバーホール価格をみてちょっと考えた事を。
こちらは月初にお店で買取させて頂いたエクスプローラーⅡという品物で、型番が16570、製造番号はE番なので大体1990年頃に製造された腕時計です。コンビのデイトジャスト(16234や16013)が大流行した時代において、今では考えられないほど人気が無かったこの子が、今ではこんな価格で取引されている事をその時の誰が想像できたのか・・・。
ま~それは置いておいて、時計にはこのような物が付属されていました。メーカーでメンテナンスをすると頂けるらしいよ。数年前から配っているようですが、私が見るのは初めてです。(←田舎なんてそんなもんです)。ちょっとした保管ケースとして重宝しそうだ。
この付属品に関する説明書きが好きかも。使えない場合は何か他に役立ててくれ~~って感じがいいですね。分厚いモデルとかは入らないんだろうな。
さて、今までの前置きに何の意味もなくここからが本題です。この時計にはメーカーオーバーホールの請求書が2枚付属されていて、それを見て思った事があったので取り上げました。為替や物価やブランド力や人件費など、サービスの値段を決める要素は沢山ありますが、ロレックスが顧客に提供するオーバーホールというサービス価格の変動が確認できます。
先ずは上の請求書の細かい点を確認。2001年の部品代を除くオーバーホール料金は2万9千円。この時の消費税率は5%ですが、税金云々始まると面倒なので、「何となく価格」をピックアップしていきます。
次に同じ時計の2022年のオーバーホール料金。価格は7万円で、これを見た時は「高くなったな~」というのが瞬間的な感想。その他にも部品代がかかるから、数年に一度の定期的な出費としては中々のお値段に思える。そのサービス価格は約20年で約2.4倍に上がった事が分かりましたが、「高くなったな~」と思ったとはいえ、他の物価上昇率と比較するとどうなんだろう?というのが今回の題材です。
ロレックスのブランド力はこの20年間で相当上がったように思えます。その反面、サービス価格(オーバーホール代金)の価格上昇率が2.4倍という数値はどうなんだろうか。例えばみんな大好きマクドナルド(こちらから画像をお借りしてます)。今のハンバーガーの価格は単品で170円(地域によって値段が変わる可能性があるので、あくまでも参考までに。)そしてグーグル先生に尋ねると、そのハンバーガーは2001年に65円、2002年に59円だったらしい。その価格は20年経った今、170円÷65円で約2.6倍!。同じ輸入品なので為替の影響度合いはさほど変わらないように思え、それを踏まえるとROLEXのサービス価格の上昇率って低いようにも思えてくるから不思議だ・・・。そういえば、チーズバーガーを100円で買って頻繁に食べてた記憶もあり、その時ハンバーガーは80円だったな~。でもね、2.6倍と分かったとて、別に今の値段に「高い」とも「安い」とも思わんのは何故だろう?。「高いから買わない」って人もいるだろうが、「気にしない」又は「こんなもんだ」って食べてる人も多いように思えます。(※ハンバーガーは2024年の値段です。)
何かと比べたい私の怪しい思考回路は、次に蕎麦の輸入価格に着目。こちらは税関(ページはこちら)で発表されているPDFデータの一部で横浜税関の数字です。そば粉の輸入価格の数量と金額から単価が表示されていますが、同期間でなんとビックリ約4.5倍・・・。円安の影響をもろに受けてるのか、そば粉の上昇か分かりませんが、かけ蕎麦の価格って20年で4倍になってますかね?。国産のそば粉もあるとはいえ全体消費量の2割程度らしく、原材料や店舗維持費(電気ガスや人件費そして運送費)の上昇も踏まえると、最近何かと話題になる価格転嫁はできてるのかどうか・・・?。為替の影響が多大に影響してる可能性もあり、話の路線からはズレてるかもしれないけど、蕎麦もこれから価格が上がってくるかもしれないな。なんとなく「蕎麦は安い」という身勝手なイメージがあるけれど、繰り返しになりますが、そもそも「安い」ってなんだろ?。かけ蕎麦が180円なら安くて、480円なら高い?という発想がそもそも陳腐のように思えてきた。「安い」から食べる訳でもなく、「高い」から食べない訳でもない気もして・・・さすがに「高すぎる」と思えば食べない気もするが、なんだかよく分からない思考回路で自分自身が理解できん。
最期に、最近メディアで「もやし高騰」が家庭に直撃という番組を見たので、政府統計の総合窓口(こちら)からもやしの小売物価統計調査を拾ってきた。色々な要因があるにせよ、価格は10倍以上・・・という事です。事実かどうかは知りませんが、今現在スーパーで売っている「もやし」の50円程度の販売価格って、お店が自腹を切っているらしい。一袋売れば10~20円の赤字で、値上げに二の足を踏む国産もやし事業の今後が危ぶまれているのが現状という事です。でも不思議な点は、確かに昔もやしは9円とかで買えた記憶はあるけれど、2014年に一気に10倍に上がってるのをデータで確認でき、何故今「もやし高騰」と騒ぎ立てるのか?。確かに周りの人に聞くと「もやし高くなった!」と、まさに最近もやしの値段が高騰したかのような感覚の人が多いのよね。色んなものが値上がりする中で、今まで以上に価格にシビアになったからこそ、改めてもやしの価格に目が向けられたのだろうか・・・。そもそもにして、もやし一袋が50円だと「高すぎる」のか?。「もやし」に対する何らかの強迫観念(安くて当然?)さえ感じてしまい、もやし作る人がいなくなったら困るな~と心配になります。もちろん私も安い方がありがたいですが!!。
国内ではここ数年、物価上昇の価格転嫁がトントンと進んでいて、誰もが知ってる一部上場企業の調味料会社やビール会社などの社長様が「給料アップの原資とする為、これからもドンドン値上げしていく!」と言い切ってます。商品価格が上がっても売れ続けるのであれば、この物価上昇は継続しそうな予感もある一方で、国内消費が弱っているデータもあり、経済の好循環(緩やかなインフレ経済)か不景気の物価高(スタグフレーション)のどちらに今後向かうのか、今しばらくは重要な過渡期になりそう(←個人的見解)。5月17日の報道では、最低賃金の全国平均時給をより早く1,500円に引き上げる対策に政府が力を注ぐという話もあり、賃金上昇圧力は今尚継続中。当然それは「電気」や「ガス」や「運送」などの各種費用をも継続して押し上げ、製品価格への転嫁ができないものは市場から無くなりそうで怖いかも。さらに人口減少社会を加味すると、若い人の賃金インフレが加速する可能性は高そうに思え、社会が大きく変わってきた流れを日々感じてます。私にできる事といえば、スーパーに行くたびに「もやし」を一袋買って、少しでも応援することくらいだ。【もやし頑張れ~!!】。
デフレ思考からインフレ思考への転換が徐々に慣れてきた今日この頃。それが良いか悪いか未だに良く分からないのも本音ですが、わが国最強通貨「諭吉さま」の価値減少が痛感できる日々は続きます。ただ、色々と考えてみると、何を基準にして「高い」や「安い」と思考するのか良く分からない部分もあり、思考回路の問題なのかもしれないと感じました。例えば20年で10倍以上になった金(ゴールド)を「高すぎる!」という人もいれば、まだまだ上がりそうだから今が「安い」という人もいます。同じ事はサービス価格や物価にも当てはまり、自分の感覚で見たいように価格を評価してるに過ぎず、結果的には「高い」か「安い」なんて人によって感じ方は違うんだろうな。ただ、デフレ経済及び超円高に戻らない限り、「今が一番安い価格」である可能性もありそうです。今後どうなるんだろうね?。
為替変動による円の価値減少や、インフレによる通貨価値の目減りを体験したこの数年で、私のお金に関する価値観も少しづつ変わり、インフレ耐性が身についてきたかもしれない(汗)。とは言えど・・・・・・・、結構な頻度で同じ事を書いてますが、「老後は~~やっぱり~~不安だよ~~!!」(涙)。そんな将来不安が消費意欲を抑制してる気もするけどね。
本日は以上でございます。