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質屋のスタッフブログ

ダイアモンドの「カラット」の違いによる大きさ比較

鴫原質店の弟さんです。

今回も引き続きダイアモンドのお話で、4Cを題材に続けてきた最後の残り「カラット」に関して。とはいえ「カラット」の説明しても何も面白みがないので、カラット数の違いによる見た目の大きさを比較をしてみます。使用するダイアモンドは、0.339ctと0.584ctと1.042ctと3.032ctの4つ。2カラットあればいい感じの比較になるのに、なんて品揃えの悪い店だ・・・・(社長に怒られそう)。4つのダイアモンドソーティングダイアモンドの「カラット」は重さを表す単位であり、1カラットは0.2グラムを意味します。それ故に、単純な大きさ比較などは馬鹿げた話にも思えますが、前回書いた「カットグレード」のお話からも分かる通り、ラウンドブリリアンカットでカットグレード評価のよいものは、見た目の大きさもカラット数に比例します。一つだけ「GOOD」が入っているのは、カットグレードが見た目の大きさに影響を及ぼす事を視認できるので、それはそれで面白いと思い進めてみます。

まずは4つのダイアモンドを順番に並べます。4つのダイアモンドを横に並べて比較何だか3カラットのダイアモンドが物凄く大きく見えません?。もともと大きいのですが、テーブル比率が大きいので余計に大きくみえており、もし他と同様に「VERY GOOD」だともう少し(本当に少し)小さく見えるかもしれません。とはいえ「大きく見えれば何でもいい」というお客様のご意向も現実的に存在し、カットグレードが最高であることが必ずしもニーズに合っているという訳でない事をお伝えしたかった。大きく見えれば見栄えもよくなりますしね(笑)。

3カラットのダイアモンドは0.3カラットの10倍の重さですが、現実的な大きさ比較はこの程度の差しかありません。4つのダイアモンドを縦に並べて比較もちろん1カラットのダイアモンドも0.3カラットの3倍あるイメージがあるかもしれませんが、実際の直径は1.5倍弱しかないのが事実です。一番上のソーティングメモにはダイアモンドのサイズも書いてあるので、実寸の参考になるかと思います。冒頭でも書いてますが「カラット」は重さの単位であり、1カラットのダイアモンドでもカットが非常に悪いと直径(横幅)が0.5カラットと同等位の大きさに見えるものも存在するということですね。

昔は頻繁に見ていた2カラット以上のダイアモンドも最近では見る機会が減ってきており、3カラットアップのダイアモンドを手に持つのは随分久しぶりのような気がしてます。日本の高度経済期やバブル経済を経て、あり余ったお金の流れ込んだ先の一つがダイアモンドを含む宝飾品であり、その時の一種の流行り(ハヤリ)だったものが様々な理由により中古市場に流入して、長い年月をかけて消費され続けてきました。昔と比べて新品の供給が「仮に」減っていれば、中古市場の流通量も減ってくるのは当然で、見る機会もこれからドンドン減ってくる気がしてます。

今後の流れを考えると、ユーザー(人)の欲しがるモノの一つにダイアモンドが残るかどうかが、国内在庫量に影響いくのでしょう。円安効果も加わってどんどん海外に流出している現状はちょっと寂しい気もしますが、国内での需要減少傾向は肌で感じ続けています。結婚する時のダイアモンドリングを渡すという文化は今でもあるのでしょうか?(哀)。婚姻数の減少も国内ダイアモンド消費量の減少傾向に貢献してそうですね(←事実は知りませんが!)。ちょっと悲観的になりましたが、2~30年前のダイアモンドブームの再来を夢見て、4回続いたダイアモンドのお話を終えさせて頂きたいと思います。

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ダイアモンドの「カット」グレードについて

鴫原質店の弟さんです。

前回はカラーに関して書いてましたが、今回は「カットグレード」について。ダイアモンドのカットグレードは「光を最大限に引き出す為の理想的な形状との比較」(←言い方違うかも)であり、様々なデータ要因で決定される為、言葉でいい表すことが不可能だと個人的に思っており、人に上手く伝え事や教える事ができません。パッと見た瞬間に「エクセレントだ」とか「グッドにとどまるかな」とかイメージが湧きますが、あくまでも経験上からくる推測であり、100%必ず当てられるものでもありません。そんなカットグレードについて書いて見ようと思いますが、恐ろしくつまらないそして長い内容になりそうなので、先にお詫びしておきます。

今は素材が多いので自分の勉強の為にも色々見ていこう!。まずは上位グレードの3つを視覚的に比較してみようと思います。ソーティングが付いた3つのダイアモンド0.3カラットなのでちょっと小さいですが、左から「EXCELLENT」「VERY GOOD」「GOOD」と並べてます。この正面から見た場合のテーブルの比率で「左はEXCELLENTだ!」と思うのは見慣れてるから。もちろん正面だけ見て決める訳でないのですが、「EXCELLENT」には固有の形状があるのでイメージ的に覚えやすいと考えてます。

顕微鏡で各面の比率を見てみます。3つのダイアモンドの拡大画像並びは先程と同じですが、真ん中の「VERY GOOD」は見た瞬間に「GOODだな~」と思ってしまうかもしれない。「GOOD」のテーブル比率が「EXCELLENT」と大きく違う点は殆どの方に気づいてもらえる点だと思いますが、各グレードに【幅】のようなものがあり、最高評価(EXCELLENT)に近づくにつれ、その幅は限定的なものとなり、頭の中に「エクセレント」は【こういう形】的なイメージがあります。(※説明になってないよね・・・)。そしてもちろん「EXCELLENT」にも【幅】がある点も付け加えます。

次にちょっと低めのグレードである「FAIR」と「POOR」。ソーティングが付いた2つのダイアモンド両方とも1カラットアップなので写真を撮るのが楽でいいね。少し思うのは、こうしてみるとダイアモンドのグレードなんて普通の人にとってはどうでもいい事なのかもしれない・・・。とはいえ、この見た目はあまり変わらないダイアモンドは、左と右で約2倍の価格差があり、やってる方は超真剣だったりします。間違って買ったなんて言葉が通用しない位高額なんですから。

同じように形状を確認してみると、この時点で気が付く事が多いはず。2つのダイアモンドの拡大画像左が「FAIR」で右が「POOR」ですが、例えば左はテーブルが真ん中にない(ちょっと右下に寄ってる)とか、右はそもそもテーブルがちゃんとした形状になってないとか、完全なイメージの話ですが、気づく部分も多いかと(汗)。「GOOD(グッド)」位のグレードから【形の幅】が更に広がっていくので、判断に悩む場合もでてくる感じでしょうか(抽象的ですみません)。

話をできるだけ簡単にしたいから正面から見た場合についてのみ書いてますが、カットグレードの推測は色んな角度からダイアモンドを確認します。ダイアモンドを斜めから見た風景テーブルはもちろんですが横や斜めや色々と見ないとグレーディングはできません。細かな部分の理想像との乖離を探す作業になり、その理想が分かってないと比較すらできません。そういう理由でカットの評価をできるまでには結構な時間を要することになります。

こちらは前回も掲載した画像ですが1カラットの「VERY GOOD」の画像。VERY GOOD評価のダイアモンドの拡大画像上の方に0.3カラットの「VERY GOOD」の画像を載せましたが、こちらがより「EXCELLENT」に近い「VERY GOOD」で、逆に上の0.3カラットのダイアモンドは「VERY GOOD」だけども「GOOD」に近い「VERY GOOD」と表現すると、グレードの中にも幅がある事をご理解頂けるのではないでしょうか。

ダイアモンドのカットグレードはとても重要です。ダイアモンドのファイアー「ファイアー」と呼ばれる虹色全ての色を見せる光の分散はカットグレードにも影響されます。もちろんこれ、カットグレードが良いとファイアーは出やすい傾向にありますが、グッドでも猛烈に出現するダイアモンドもあるので完全連動ではありません。その点ではアメリカのG.I.A(全米宝石学会)のカット評価で「ファイアー」という項目があるので、カットグレードは形で決まる訳でもない点は補足させて頂きます。(←コレで益々意味不明になってきた気がする・・・。)

自分で書いていて「今までの文面でカットグレードに関して伝わるのか?」が分からなくなってきましたので、GIA(公式ページはこちら)から画像をお借りしてきました。あんまり専門的分野に突入したくはないけど、このままだと「結局なんなのよ?」で終わるので、グレーディングの方法まで触らせて下さい(哀)。カットグレード基準の決定項目上の画像の指標の割合(比率?)などが科学的に理想とされる形状とどの程度一致するかが、グレーディングの根本にあり、「何が理想か」を視覚的に覚えている事が作業の前提にあります。そしてまたGIAでは視認検査などもあり、「数値化できない基準も含めて」カットグレードが決定されます。

こちらは2020年に発行されたGIAのダイアモンド鑑定書の画像。カットグレード基準の決定項目
カットグレードは先ほどの図の項目を含む下記項目の総合評価により決定されます。その項目は「ブライトネス」「ファイアー」「パターン」「全体の深さ%」「テーブル%」「クラウン角度」「クラウン高さ%」「スター長さ%」「ローワーガードル長さ%」「ガードル厚さ」「ガードル厚さ%」「キューレットサイズ」(←国内ではこれらを総合して「プロポーション」と呼ばれてます)「ポリッシュ」「シンメトリー」となり、「ポリッシュ」「シンメトリー」は独立して評価が鑑定書に記載されてますが、カットグレードの総合評価にそれら2つ(「ポリッシュ」と「シンメトリー」)も加味されます。グレードによりこれら項目の「適応割合」が変化し、更には「ブライトネス」や「ファイアー」は理屈じゃない見た目の評価なので、全てを言葉では説明しきれない感じです。尚、判別項目に関しては当店に実在する2006年のGIAの教科書から抜粋してるので、今時のネットの情報と異なる可能性がある点ご理解下さい。事実を書いてるつもりなのですが、その事実(=情報)が古いのよね。時代の流れで変化する判別方法を反映してないので、今の常識とはちょっと違うかも、という事はしっかり書き加えておきます。因みに参考にしたのはGIAの教科書の「ダイアモンド グレーディング ラボ マニュアル」という部分だったのですが、「これ、写真をブログに載せていいかな?」と聞いたら「絶対ダメ!!」と当社のGIA GG様が言っておりました(無念)。割合って言われてもやっぱわかんないよね・・・(涙)。

長々と書いてきてかなり疲れましたが、カットグレードの説明を言葉でのみ言い表すことができない点をご理解頂けたら嬉しいです。「じゃ~どうやって勉強すんのよ?」という事に関しては、色んなものを推測(自分でグレーディング)し答え合わせを繰り返すという行為をいつまでも続ける事しか私は思い浮かばない。尚、国内鑑定機関ではトリプルEXCELLENTやハート&キューピットなどと呼ばれる項目がありますが、1950年代にダイアモンドの品質を決める基準を4Cと定めたアメリカのG.I.A(全米宝石学会)にはその項目はありません。そういう意味では、カットグレードの最終的な判断は、もしかしたら鑑定機関によって違う可能性さえあります。そんな感じで正直全てを理解するのは相当難しく、鑑定機関が定めるルール(グレーディング)を自分に叩き込むしかなさそうです。カットグレードの評価って本当に難しいですが、少しでもフィーリングが伝わればいいなと思います。

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ダイアモンドの「カラーグレード」について

鴫原質店の弟さんです。

手元にダイアモンドがあるうちしか取り上げる事はできないので、引き続きダイアモンドについてのお話、今回は「カラーグレード」について僅かな色の違いを見てみたいと思います。4つのダイアモンドソーティング教材は「D」と「E」と「G」と「H」カラーでFカラーは欠品中。品揃いの悪い店で申し訳ございませんが、小売りをしている訳ではないのでご了承下さい(哀)。

セットされた鑑定書付(「Fカラー」)のダイアモンドリングがあったので、ダイアモンドを外して教材として使おうかなと思いましたが、色味を見るとちょっと微妙。Fカラーの鑑定書が付いたダイアモンドリング個人的には「G」か「H」と思いましたが、念のため当社の宝石鑑定士様にも聞いてみると、「G」にとどまる可能性が高いとの事。古い鑑定書の場合、このような事は結構頻繁に見られる上、鑑定機関によっては少し上のグレードを出していた時期もあるので、古い鑑定書は信じない方が・・・むしろ見ない方がいいと個人的には思っています。鑑定書の意味を考ええると、ちょっとだけ恐ろしい事実ですね。「Fカラー」じゃないならこの子の出る幕は一つもありません!。

それでは4つの石を並べて写真を撮ってみます。4つのダイアモンドを奥行きを分けて並べた画像「・・・・・・・・・・(汗)」。なんかダメっぽい。手前が黄色いって分かんないですよね。

撮影方法を変えてみた!。4つのダイアモンドを一列に並べた画像ちょっといい感じに黄色味を帯びていくのが確認できますよね。カラーグレードなんて凄く微妙な違いのうえ、それを画像で表現するってかなり難易度高いのは分かっていたので、この写真を見た時、もの凄い達成感を感じてしまいました(自己満)。撮影してる場所が所詮は普通の事務所なので上出来です。

色の違いがよ~く分かるように「D」と「H」だけ比べます。DとHカラーのダイアモンドを慣れベタ画像真ん中の写真がいい感じの比較になっています(自己満)。下の画像は「ファイアー」発生でダイアモンド内部が火事になり、その色が内部で反射してる為に黄色味が増して見えてます。でもこの現象が実はダイアモンドがキラキラ輝く原因でもあるので面白いものです。

カラーのグレーディングは単純で、ただ基準に当てはめるだけ。マスターストーンセットの写真「マスターストーンセット」という正解の色見本、つまり答えが目の前にあるので「クラリティ」や「カット」と比較すると感覚的な熟練度は不要で、仕組みは容易に理解できます。(もちろん正解を当てれるかは別の話です。)

とはいえ、ダイアモンドカラーを判断するには慣れが必要なこともあります。ダイアモンドがルース(裸)である事は殆ど無く、何かしらにセットされているので、どんなものにセットされているダイアモンドをどのように見るか、という点に関してはやっぱり慣れでしかありません。ゴールド(金)にセットされたダイアモンドを、どんなにマジマジと見続けても無色に見える事はなく、透明度の高いダイアモンドは周りの色の影響を必ず受けるので、セッティング状況に応じた判断(推測)ができるようになるには、ちょっとだけ経験が必要かも。そしてもう一つ、色味を判断する為にとても重要なのが「環境」だったりして、その事に気が付かないといつまでも正確な判断はできません。黄色い蛍光灯の下でダイアモンドを見れば、必ずと断言できる程、透明なダイアモンドは黄色く見えてしまいますから。最後になりますが、GIAのホームページ(こちら)に最高の環境で撮影されたと思う「A~Z」のダイアモンド色見本がありますのでリンクを貼らせて頂きました。「最初からこれ使えばいいじゃん」と社内で指摘されそうですが、やってみる事!が大切だし、「Hカラー」の黄色味を画像で上手く表現でたと思いたい。(やっぱ自己満)

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