質屋のスタッフブログ
2023年12月23日
鴫原質店の弟さんです。
今回は先日入荷したブライトリングの付属品について感じた事を。いつの頃からか、高級時計の箱は大型化を進め、大きさにより豪華さを演出してた感がありました。そんな慣例的な常識を排除し、ブライトリングが新しく開発したのがこの環境配慮型ウォッチボックス。この箱状の物は折り紙のように折られてその形を形成しており、スナップを外せば薄い一枚の形状になり、保管場所も取らない斬新(?)な仕組みになっています。そして素材全ては廃棄プラスチックを科学的に加工した素材とか。詳しい説明がブライトリングの公式ページ(こちら)にありますので、興味がある方はそちらをご覧下さい。
少し面白いな~と思ったのはこの部分。ギャランティーカードが取説の表紙になっており、コンパクトに一体化してました。斬新であり、コンパクトでいいんだけど、これがいい事かはちょっと分かりません。
広げるとこんな感じ。左下がギャランティーカードですが、これ分離できるのかね?。壊れそうで確かめる気にもなれません。一応、当社の商品なので私の興味で壊すわけにもいかんのです。
ケースの中身はこんな感じ。とても高級時計の付属品には見えんのだが・・・そこが正に常識を打ち破った新発想!!?。いや違うか・・・環境配慮だから値段は関係なしだね。
上蓋の内側に収納スペースがあり、ここに時計以外の付属品全てが入ります。とはいえ説明書もペラペラの紙だから褒める事でもないけれど、頭の悪い私に理解できない点は、他メーカーでもやってるように、説明書は「ネットで見てね」と何故しなかったか?。付属の取説はコンパクトにまとまり過ぎて、とても文字が小さく私のようなジジぃ~には文字が読めんのだよ。
箱の中に入っているのが恐らく時計ケース。初見なので「恐らく」と記載しますが、きっとこんな感じで時計を入れるんだろうね。間違ってたらゴメンね(汗)。
そしてボックスへの収納方法がこんな感じ。時計ケースを丸めて時計ホルダーに変身させます。蓋を閉めれば上蓋裏の収納部分が時計を中に押し込み、箱を振っても揺れもせず「おお!!」と思いました。コンパクト設計で輸送コストも削減だぜ!。しかもこの素材なら高級時計にありがちな素材の劣化はなさそうです。もちろん10年経たないと経年劣化による変化は確認できませんが、観察する事を楽しんでいきたいと思います。
廃棄予定の物に手を加え、価値ある新しい製品へ蘇らせる「アップサイクル」という考え方は、世界中で注目されるようになりました。廃棄されたペットボトル(ポリエチレンテレフタレート)を材料とし、優れた材料特性をもつPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹種へと科学的にアップサイクルする技術は、これと同じ素材化かは分かりませんが、このような高級時計にも影響を及ぼしています。SDGsやサステナブル(持続可能という意味)という発想から注目されるアップサイクルですが、この考え方を中古業界で適用するとどうなるんだろ?。
グーグル先生に「アップサイクル」について尋ねると、【アップサイクルは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することで、「創造的再利用」とも呼ばれています。 】との事!!。そういえば、当店の常連様が約10万円もするエルメスのカレ(スカーフ)3枚を切り刻んで、バッグとして縫い直して使って事を思い出しました。シルク素材の風呂敷のような形で、「汚れたら洗濯できるのよ~」と笑いながらそのバッグを見せてくれましたが、それはまさに「創造的再利用」になるような気がする。関連する事で、ヤフオク!とかでルイヴィトンのヴェルニ素材の塗り直し商品が大量に売られてたな。心の中では「改造品」扱いしてたけど、もしかしたらとてもいい事をしてるのかもしれないね。関連する事として、ボロボロで使えなくなった中古バックに自分で「色を塗る」とか、「革をなめして綺麗にする」などはアップサイクル(←考え方は違うかも?)になるのかも。自己修理や加工は、今まではやってはいけない行為と認識してましたが、それはリセールバリューに影響するからという、再販業者の都合なのかもしれないね。こんな流れを感じると何が良くて何が悪いのか、相変わらず意味もなく考え込んでしまいます。ただ、それが当たり前の風潮になった時、真贋や正規品などの価値観は全て吹っ飛びそうで、少し怖い気もしてきました(汗)。
本日は以上でございます。
2023年12月15日
鴫原質店の弟さんです。
社長が仕入れてきたペンダントヘットに見た事ないコインがあったので取り上げます。コインに描かれているのは、中学校の音楽の時間に勉強したハズのモーツァルト。義務教育を受けた身でありながら、音楽に興味を示さず全てを忘れてしまった私は、若手スタッフM君に「この人何した人だっけ?」と聞くと、「35歳でこの世を去った偉大な音楽家です」と即答してきます。スタッフM君!!やる奴だな・・・。それでもって、偉大な音楽家さんは何でこんなに怖い顔で睨んでくるんだろ。ずっと見られてるようで少し怖い気がするよ。偉大な音楽家が何をした人なのか、それに興味を抱かない時点で私は音楽に疎いんだろうな。
気になったのはこの「SCHILLING」という文字。500と記載がある時点で通貨であろうと想像しますが聞いた事がないな。グーグル先生に尋ねると、2002年のユーロ導入までオーストリアで使われていた通貨との事。偉大な音楽家はオーストリアのザルツブルク出身という事で、1991年に追悼200年を記念してオーストリアで造られた貨幣金貨のようです。追悼300年を記念して今後発行される機会があれば、ユーロで発行されるのかな。
そして裏面も男性が・・・表裏が両方男性なのは珍しい。ドン・ジョヴァンニと書かれた「この人は誰だ?」と思い、再度M君に「この人誰?」って聞くと「遊び人で有名です」と即答。またもや「M君やるな~~」と思いましたが、数百年も前の人で「遊び人」で知名度があるって凄くね?。これまたグーグル先生に尋ねるとウィキペディアの一文が一番上に出てきました。そのまま掲載させて頂くと「女たらしの貴族。従者のレポレッロの記録によると、各国でおよそ2000人、うちスペインですでに1003人の女性と関係を持ったという。」との事。事実ではなくオペラの中の作り話だよね(汗)。良く分からんけど、あまり深堀しないでおこう。個人的に気になるのは一体何歳まで生きて2000人なのか?。事実かどうかは別として、遊び人で有名なのもうなずけるね(笑)。
最後にモーツァルト追悼200年記念 「ドン・ジョヴァンニ>」500シリング金貨 1991年のスペックを。重量8グラム、直径22ミリ、品位は986/1000、表面にヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、裏面には2000人切りの有名人「ドン・ジョヴァンニ」。986は少し珍しい品位で、ヴェネチアやローマ帝国の造幣局で使用されていたらしい。その品位は「Ducat fineness」(←品位986の事)と呼ばれており、品位990(two nines fine)と共にオーストリアとハンガリーで使用され続けてるという事です。日本の金品位で表すとK23.66という感じかな。
発行数が5万枚でさほど珍しいものではなさそうだけど、1991年の発行より30年経過してる今、現存するものは少なさそう。ケースにキチっと保管して傷がないものであれば、コインコレクターの方々が高値で購入してくれる可能性も感じられ、ちょっと勿体ない気もします。感覚は皆違いますが、表裏で男男の図柄で、片方が「やり〇ン」の遊び人だから、欲しい人も限られるようにも思えるな。けれども!!!、ドン・ジョヴァンニの説明に「愛の伝道者」という表現もあり、女性受けはもしかしたらいいのかもしれない(?)。男性の特徴を示す新しい言葉に「草食系」という言葉が生まれて久しく経ちますが、今現在「愛の伝道者」と「草食系」のどちらが選ばれる時代なのか、そんなアホな事を考えてしまいます。
本日は以上でございます。
2023年12月06日
鴫原質店の弟さんです。
買取品の中に珍しそうなメダルが入ったペンダントヘットがありましたので取り上げます。とても珍しいのでマジマジと観察しましたが、恐ろしい可能性が頭を過ぎりました。
「何だコレ?」と思ったのはこんな部分。ペンダントヘッドにレプリカ品が埋め込まれているものを何度か見ており、インディアンコインで手痛い損失を受けた事もあるので、性格の悪い私は「これ大丈夫?」と買った本人にききました。ちゃんと見て査定しないと本気で痛い目をみますから。とはいえ表面はガラスで覆われているので、壊さない限り検査のしようもないのも事実で、難しい品物の一つかもしれないな。
人気がある商品の一つですが、確証がもてないので破壊する事にしました。勿体ないなぁ~~と本気で思いながら、原型を崩さないようパキパキとケースを壊し、外枠を変形させて中身を取り出します。
比重が分かれば十分なので、今回の検査はこれだけ。大気中の重さが9.46グラム、水中の重さが8.96グラム。比重=9.46÷[(9.46)―(8.96)]=18.92!。純度の高い金だと分かれば問題なしだね。
こういう部分をみてレプリカを疑ったんだよね。きっとペンダントヘットに加工する時に削りまくったんだろうな。(哀)
そしてここからはこの金貨のお話。こちらはパプアニューギニアで発行された100キナ金貨で、とても珍しい形状をしているのが大きな特徴。造幣数は各年でわずか5,000本しかなく、相当なレア金貨である点を補足させて頂きます。尚、1キナは40円程度の貨幣価値らしく、この金貨は400円って事だ(笑)。現在の物価情勢などもチラッと見てみましたが、日本国内よりも各サービスを受ける物価は相当高いようです。何かの間違いでパプアニューギニアに行ったとして、この金貨でコーヒーを買ったりすることは絶対にやめましょう。
中央に描かれているのは女王アレクサンドラ蝶との事。アレクサンドラトリバネアゲハあるいはアレキサンドラトリバネアゲハ、又は簡単にトリバネ蝶と呼ばれ、世界最大級の蝶としれ知られております。有毒な蝶ではないけど、悪臭や化学物質を分泌する特別な腺を保有するとか。因みに私、でっかい蝶々が近くに寄って来たら、瞬間的にその場を立ち去る派ですが、こんなの見かけたら全力ダッシュするね。理由はしりませんが、蛾とかでっかい蝶とかって生理的に受け付けないんだよな。四角で囲った部分のJBの意味は分からないままですが、一つの特徴として記憶しておこう。
裏面にはパプアニューギニアの国の象徴である極楽鳥と発行年が刻まれています。鳥さんが掴んでいるのはパプアニューギニアの代表的な太鼓「クンドゥ」と槍で、このデザインがパプアニューギニアの国旗(国章)です。どこと比較する訳ではありませんが、カッコいい国旗だな~と感じました。
なんか幸せになれそうな極楽鳥。国の象徴(国鳥)としてとても凝った造りでデザインされています。極楽鳥をグーグル先生に尋ねてカラーで画像をみましたが、とても綺麗で神秘的な鳥さんですね。鮮やかで明るい色合いや、不思議な形の飾り羽、そしてとっても不思議な求愛ダンスなど、かなり興味を惹かれてしまいます。
最後にこの珍しい金貨の特徴について。大きさはこんな感じ(直径約27ミリ)で、重さは9.5グラム。品位はAu900(21.6金)で、金としての価値は今現在8万6千円くらい。繰り返しますが年間5千個しか発行されないとてもレア金貨で、鑑定機関の証明のついた綺麗なものは高値で取引されるようです。
さて、目の前にある「この子」は周りの一部が削られており、重量が9.46グラムと重さが減っているのは理解できますが、比重は18.92とでており、計算の上では22金以上となるのだが・・・、比重計の調子が悪いのだろうか・・・?。そしてまた、国内では情報量が少なすぎて、グーグル先生をフル活用しながら海外ページを翻訳して情報を拾ったので、先生の翻訳が間違っているはずはないのですが、100%事実を書いていない可能性があります。その点は優しい気持ちでご理解頂きたいと思います。
本日は以上でございます。