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質屋のスタッフブログ

オメガ スピードマスター アポロ11号月面着陸20周年記念モデル 交換パーツ編

鴫原質店の弟さんです。

前回の続きでオメガスピードマスター(ST145.022)アポロ11号月面着陸20周年記念モデルについて、今回は付属してたパーツを見みていきます。時計に付属する複数のパーツまず目につくのは文字盤2つとベゼルディスク。一般的にこういう交換パーツがついていること自体が珍しく興味を引き立てます。

ベゼルディスクは以前に使ってたもののようで、全体的に傷だらけ。交換されたベゼルの傷「ベゼルってこんなにも傷つくかな?」と瞬間的に感じましたが、それは時計の使い方の思考回路の問題で、【愛用し続ける】とこれが当たり前の事なのかもしれない。とはいえ、どこにどうぶつければこういう風になるのか、私の時計の使い方では想像でず、いかに自分がシチュエーションを選択して時計を使用していたかを悟りました(←いいか悪いかは不明!)。日常のいかなるシーンでも使用し続けると、どんな時計もこのようになっていくのでしょう・・・(←本当か?)。

そして次に、2つついていた文字盤の一つ。交換された文字盤「R」の形状がウニョウニョしてるやつで、恐らくこれが最初についていた文字盤かな。今現在、本体についているウニョウニョRの昨今ちょっと貴重な文字盤さえ、交換パーツだった事が分かりました。蛍光塗料の載せ方が雑に見えるのは30年前の物だから(笑)。交換するほど痛んでない気がするも、裏を見ると干支足(←赤丸の奴)が一つありません。文字盤を支える足が青丸あたりにもう一個あり、それで文字盤の姿勢制御をしてますが、取れてしまった為に交換したんでしょうね。これ、修理しようとすれば気合で修理できるはずだけど、メーカー様のオーバーホールでは無条件で交換だね。

そして付属するもう一つの文字盤は、現在でも見慣れたウニョウニョしてない「R」の新型文字盤!。付属する未使用の文字盤というか完全未使用の状態なので、次の交換パーツとして購入しておいた!って感じだろうか?。このような部分にも時計に対する愛着が感じられ、いつまでも使い続けるという強い覚悟を感じてしまいます。因みに赤丸で印をつけた部分が、上の文字盤で欠品していた部分です。

交換パーツと言っていいのかは知りませんが、交通事故にでも遭遇したかのように原型が崩れたコマにも好感が持てます。付属するボロボロのコマほぼ使っていない状態の2コマと、愛用された歴史を感じるコマの対比。度重なる研磨仕上げにより角は丸みを帯び、側面は内部のピン穴がそろそろ見えそうな位削れてました。まだ使えそうな状態ですが、メーカー修理の時に交換されたのかな(?)などと空想に走ります。

オーバーホールの時に交換したと思われるパーツも保管されてました。交換されたパーツゼンマイとか歯車とか、普通に考えてもっと多くの交換パーツがあるはずだけど、帰ってきた部品がこれだけという事なのかな?。リューズもプッシャーも交換されてるという事は、このパーツを見ないと絶対に分かるはずもない情報なので、結構面白かったりします。

折角だからこのパーツも調べてみよう!!(←いらん行動??)Cal.861の歯車優しいお取引先(←時計工房)に「OMEGA861テクニカルガイド」のデータを譲って頂き、同形状のパーツを探してみたところ、「1766」minute-recording jumper(30分計車規制レバー)と「1231」hour wheel(筒車)だと判明します(←間違ってたらゴメンなさい)。精巧に組み上げられた機械時計のパーツなど、こういう機会がないと見る事もないから、個人的には結構好なのだ!!。筒車ってムーブメントによって形状が結構違うけど、Cal.861の筒車なんて今後一生見る機会はないだろうね。

少し前に時計屋さんでオーバーホールした証明書もついてました。オーバーホール証明の画像「ツヅミ車」と「キチ車」を交換したらしいが、その二つは貰えなかったのかな?。この2つはリューズ関連の歯車なので、この時にリューズも交換したのかもしれないな・・・など、事実など絶対に分からないのに、色々と想像してしまうのは悪い癖かもしれん。

今回(←2回目)で終わるつもりでしたが、また長くなり過ぎたのでいったん区切ります。ムーブメントまで見たかったけど、筒車あたりで時間を多く費やしました。書く事を最初に決めて書いてるわけではないので、話がいつもジグザグしがちですが、長すぎるのは少し問題になりかねません(←社内的に)。ということで次回(3回目)は本体とムーブメントを見てみたいと思います。そしてまた、前回も書いていますが、今現在、アポロ11号月面着陸50周年記念モデルが発売されいています(公式ページはこちら)ので、新しい限定モデルも見てみてはいかがでしょう。日本どのどこかに売れてない在庫が眠ってるかもしれませんよ!(←ないかもしれない!)。

本日は以上でございます。



オメガ スピードマスター アポロ11号月面着陸20周年記念モデル 付属品編

鴫原質店の弟さんです。

個人的に好みの中古品があり、色々と考えさせられる事がありましたので取り上げてみます。オメガのスピードマスタープロそれがこちらのオメガのスピードマスタープロという腕時計。マイナーチェンジを繰り返しながらのロングセラー商品であり、時計好きの方であれば多くの方が知っている、又は使った事がある人も多い有名どころのお品物です。

魅かれた部分はいくつかあり、2回に分けてご紹介していこうと思います。時計の付属品付属品は画像の通りですが、この時計が好きすぎる人は、これを見るだけで年代を判別できるかもしれませんね。

世に多く存在するスピマスプロとの明確な違いはこの部分。赤〇で印をつけた部分の「R」が変わった形状をしていますが、「下がりR」とか「タレR」とかなどの呼び名も色々あり、個体数が減少してきた今となっては、少し珍しいモデルとなってます。時計の文字盤のロゴそんな「R」の特徴と、9時側ケースサイドに「APOLLO XI 1969」と刻まれた刻印から、この時計が1989年に発売されたアポロ11号月面着陸20周年記念の特別モデルだと分かります。生産本数は約4,000個でしたが、この時計にはシリアル番号という概念がないのも大きな特徴。ケースサイドにシリアル番号が入ったモデルも同時期に発売されており、アメリカで2,000個とドイツで250個が販売されたようです。限定と言っても結構な個体数なので、20年位前はさほど珍しいものではなかったように思えますが、個体数が減るにつれて目にする機会が減った文字盤です。

少し珍しい34年前のギャランティーカードはこんな感じ。当時のギャランティーカードST145.022がこの時計の型番ですが、本体にはシリアル番号という概念が存在しないので保証書にも当然記載無し。その代わりムーブメントナンバー(48252458)が記載され、ギャランティーと個体(時計本体)の結びつきは、ムーブメントを拝見する事でのみ確認できます。後で見てみましょう!。

国際保証書(インターナショナルギャランティー)と表示があるこの冊子も今では珍しいお品物。当時の保証書と記載がある冊子こちらには時計本体と連動する項目の記載がなく、時計の保証に関する説明書のような内容です。右上にパンチングされた「5281」という数字は展開地を表し、日本を含む地域の説明が記載されている事を示してます。同年代に販売された他のオメガにこの冊子がついていたことがあり、多分ですが、この時計本体とこの冊子に関連性はなさそうかな。(←間違ってたらごめんなさい!!)

これは何でしょう?。布の刺繍が入ったのコースターのような付属品コップの下に敷くコースターくらいしか思い浮かばない。アメリカ国旗や地球の刺繍が手作りっぽくていい感じですが、本当に何に使うものなのかしら?。というか刺繍の精度はこれでいいんだろうか。

箱も現行品とは異なり木箱のような高級感がある仕上がりです。劣化した内箱の素材内張りは高級時計あるあるの劣化状況で、簡単に想像できました。敢えて高い素材を使用してるのでしょうが、多くの物がベトベトに劣化していき、多くのメーカーが今も試行錯誤の上、変更を繰り返している部分のような気がします。ベタベタしない紙や繊維素材で何故ダメなのか、いつも疑問を覚える不思議な部分です。

スピードマスターの歴史を教えてくれる部分が冊子内にあったのでご紹介します。スピードマスターの説明書き映画にもなった「アポロ13」のワンシーンで、地球に帰還する為に14秒だけエンジンを点火させる息が詰まりそうなシーンがありましたが、このスピードマスターのクロノグラフを作動させ時間を計測していた事を思い出します。この時計はアポロ11号と関連した時計で関連性は薄いけど、アポロ13の帰還って本当に凄い話ですよね!!。でもさ、無重力空間でも時計の精度って変わんないのかな?。重力下では「平置き」や「縦置き」で時計の振り角とか変化して、日差に影響を及ぼすのって重力の影響だよね。無重力だとどうなるんだろ・・・・?。誰か教えて下さい!!。

尚、今現在、アポロ11号月面着陸50周年記念モデルが発売されいています(公式ページはこちら)ので、大好きな方はこの機に購入してみてはいかがでしょうか。人気商品なので在庫がまだあるかどうかは知りませんけが(←他人事)。何だか思ったより長くなってきたので今回はこの辺で終わろうと思います。一緒にあった交換部品も取り上げようと考えていましたが、次の機会にさせて頂きます。長すぎると、社内からクレームが来る可能性もあるのでご了承下さい。

本日は以上でございます。



18金の印鑑の買取に関わる工程について

鴫原質店の弟さんです。

数日前、お電話で「K18の刻印のある印鑑の査定はできますか?」という問い合わせがありました。印鑑の場合、品物を預り検査をしてからの査定になり、それでも良ければとやらせて頂きますと回答します。金色の印鑑そんな問い合わせがあった数時間後、お客様がご来店され実物を拝見しました。(尚、最初は傷も凹みもありませんでしたが、査定の為に必要な処置を行い、ボコボコになっています。そして全ての画像は買取が成立した後に、お客様からブログ掲載の許可を得ております。)

三越の刻印とK18の刻印が刻まれてますが、なんと言うか・・、贅沢を極めたお品物。18金刻印のある印鑑古くから家にあったものという事で、金相場が高いうちに売却したいというご要望でした。尚、左画像の底部が凹んでいるのは、ハンマーでガシガシ叩いたからです(笑)。

問題は印鑑という分厚い物体がどこまで18金で構成されているのか。比重を測ると9ぐらいしかなく、全部が18金かどうか店内の設備では確定できません。三越の刻印もあるので品物から悪意は感じませんが、中が空洞で造られているだけか、または中に違う金属が入っているかを外見から判断する事は不可能です。18金刻印のある印鑑の重さこの品物は「金である」事を前提に話を進めましたが、比重が18金と同じタングステンの回りを薄い18金でコーティングすれば、比重も見た目も18金の物体を簡単に作成する事ができたりするので、このような金の塊にみえるジャンルの品物は注意が必要です。X線分析で済めばそれで18金を確定(←X線検査は表面しか判別できません!)、それでも分からない場合は破壊して内部の素材を確認して18金の分だけ査定する事しかできない旨をお客様に伝えると「何でもやって下さい」と了承頂きます。(※繰り返しますが、最初は切り口も傷も凹みもない棒状の物体でした。)

少し不安だった事もあり、受け付けた時点で思う事をお客様に何度も説明しました。他の金属の棒状ものを18金で覆っているだけの可能性があり、金が5グラムしか取れいなどの結末も想定でき、そんな可能性から【品物として保管しておく事も一つの手】である事をご説明します。お客様の想定は60グラムの18金で、最悪の結果が出た時のイメージ作りを事前にし続け「本当に壊してもいいんですね?」と何度も聞き返しますが、「やっちゃってください!」との事で、こんな繰り返しが何度も続きました。

お店でこの分厚い印鑑をぶった切る事は出来ないので、取引先に破壊検査及び成分分析をお願いし、戻ってきたのがこんな感じ。ぶった切った印鑑中が空洞の構造だった事と、全てが18金である事は検査結果で証明されてます。ハンマーで叩いたり、ペンチで摘まんだり、最後は何で切り刻んだのか・・・。とても大変な作業だったと思います。

面白いな~と思ったのが中の物体。真っ黒だけどこれ18金らしい。焼いたのかな?。なかなか珍しい光景だ。これを見た目で18金と判断する事は不可能で、X線検査の素晴らしさを実感します。磨けば金色に光るのだろうか?。印鑑の中身お客様が最初に来店頂いてから、3日程時間を要しましたが、比重がでない金の物体(=印鑑)は42万円強で買取させて頂き、全てお客様の要望通りになり喜んで頂けたようです。

個人的に感じたのは、印鑑って「金で造る必要があるのか?」という事。このような品物って、金価格が今よりも遥かに安く、経済的にも裕福な時代の品物であるのは間違ありません。そんな時代を経験したことがないので、少し羨ましくもあるのですが、欲しいかと言われれば「いらない」かな。ただで貰えるな欲しいけど、対価となるお金を払うのであれば間違いなく買わない気がします。今時の金価格でこんな品物を造ったら、一体いくらかかるんだろ・・・と無駄に想像してしまいました。

本日は以上でございます。





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