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質屋のスタッフブログ

18金の印鑑の買取に関わる工程について

鴫原質店の弟さんです。

数日前、お電話で「K18の刻印のある印鑑の査定はできますか?」という問い合わせがありました。印鑑の場合、品物を預り検査をしてからの査定になり、それでも良ければとやらせて頂きますと回答します。金色の印鑑そんな問い合わせがあった数時間後、お客様がご来店され実物を拝見しました。(尚、最初は傷も凹みもありませんでしたが、査定の為に必要な処置を行い、ボコボコになっています。そして全ての画像は買取が成立した後に、お客様からブログ掲載の許可を得ております。)

三越の刻印とK18の刻印が刻まれてますが、なんと言うか・・、贅沢を極めたお品物。18金刻印のある印鑑古くから家にあったものという事で、金相場が高いうちに売却したいというご要望でした。尚、左画像の底部が凹んでいるのは、ハンマーでガシガシ叩いたからです(笑)。

問題は印鑑という分厚い物体がどこまで18金で構成されているのか。比重を測ると9ぐらいしかなく、全部が18金かどうか店内の設備では確定できません。三越の刻印もあるので品物から悪意は感じませんが、中が空洞で造られているだけか、または中に違う金属が入っているかを外見から判断する事は不可能です。18金刻印のある印鑑の重さこの品物は「金である」事を前提に話を進めましたが、比重が18金と同じタングステンの回りを薄い18金でコーティングすれば、比重も見た目も18金の物体を簡単に作成する事ができたりするので、このような金の塊にみえるジャンルの品物は注意が必要です。X線分析で済めばそれで18金を確定(←X線検査は表面しか判別できません!)、それでも分からない場合は破壊して内部の素材を確認して18金の分だけ査定する事しかできない旨をお客様に伝えると「何でもやって下さい」と了承頂きます。(※繰り返しますが、最初は切り口も傷も凹みもない棒状の物体でした。)

少し不安だった事もあり、受け付けた時点で思う事をお客様に何度も説明しました。他の金属の棒状ものを18金で覆っているだけの可能性があり、金が5グラムしか取れいなどの結末も想定でき、そんな可能性から【品物として保管しておく事も一つの手】である事をご説明します。お客様の想定は60グラムの18金で、最悪の結果が出た時のイメージ作りを事前にし続け「本当に壊してもいいんですね?」と何度も聞き返しますが、「やっちゃってください!」との事で、こんな繰り返しが何度も続きました。

お店でこの分厚い印鑑をぶった切る事は出来ないので、取引先に破壊検査及び成分分析をお願いし、戻ってきたのがこんな感じ。ぶった切った印鑑中が空洞の構造だった事と、全てが18金である事は検査結果で証明されてます。ハンマーで叩いたり、ペンチで摘まんだり、最後は何で切り刻んだのか・・・。とても大変な作業だったと思います。

面白いな~と思ったのが中の物体。真っ黒だけどこれ18金らしい。焼いたのかな?。なかなか珍しい光景だ。これを見た目で18金と判断する事は不可能で、X線検査の素晴らしさを実感します。磨けば金色に光るのだろうか?。印鑑の中身お客様が最初に来店頂いてから、3日程時間を要しましたが、比重がでない金の物体(=印鑑)は42万円強で買取させて頂き、全てお客様の要望通りになり喜んで頂けたようです。

個人的に感じたのは、印鑑って「金で造る必要があるのか?」という事。このような品物って、金価格が今よりも遥かに安く、経済的にも裕福な時代の品物であるのは間違ありません。そんな時代を経験したことがないので、少し羨ましくもあるのですが、欲しいかと言われれば「いらない」かな。ただで貰えるな欲しいけど、対価となるお金を払うのであれば間違いなく買わない気がします。今時の金価格でこんな品物を造ったら、一体いくらかかるんだろ・・・と無駄に想像してしまいました。

本日は以上でございます。



記憶に残る 思い出深き時計との再会

鴫原質店の弟さんです。

昨日の夕方、ご来店頂いたお客様から時計修理の依頼がありました。修理伝票最初に対応したのは社長夫人でしたが、当店で昔かった時計が動かなくなったとのご申告。私が対応を変わり、時計の状態を確認し受付表を記載ました。

そして受付後、私はお客様の顔と時計を見て、ある事を思い出します。そして確認の為、「以前うちで修理して直ぐにゼンマイ切れた子ですよね?」とお客様に聞いてみました。思い出の時計お客様からの反応は「旦那さん、よく覚えてるね!!」と笑顔で反応してくれます。いつの事だかは忘れましたが、オーバーホールを終えた時計をお客様にお返しした10日位に、「動かなくなったよ~」と笑顔でご来店頂いた事を鮮明に覚えています。4万円前後の修理代を支払い頂いているのでお叱りを受けても当然なのですが、「ちゃんとやってね~~」的な事をその時も笑いながらおっしゃって頂き、私が平謝りをしていた事を覚えています。

そんな話の後でお客様が「購入した時の事」や「その時の会話の内容」などの思い出をお話してくれました。ガラスの傷「旦那さんから買ったんだけどさ~」と話は始まり、私はガラスに大きな欠けがある事を私が説明してたらしい。お店によって、たまたま見かけたこの時計の購入を直ぐに決め、近くの銀行(←今はもうない店舗)にお金を下ろしに行ったんだよな~、と教えてくれました。震災前の事で購入金額は70万ちょっとだったとの事。その事についての記憶は私にはありませんが、お客様が私の事を覚えてくれる事が嬉しかったりします。

10数年間以上毎日、普段使いをし続けているので「買って良かったよ」とこれまた笑顔で仰ってくれました。伸びたベルトベルトの各部で伸びがみられ、そのご愛用ぶりが伺えます。外装仕上げとオーバーホールをして、これからもバンバン使用してもらえたらいいね。

お客様がお帰りになられた後、修理品を管理する為に記録し続けているエクセルを眺めます。エクセルで管理された過去の修理履歴再修理を受け付けたのが2012年7月30日のことで、11年も前の事と知り驚くばかり。経験上、修理後にゼンマイが切れた事例は2度ほど経験しており、この時計がその2度目に該当します。オーバーホールの納品時に「10年間で2回だけ経験した非常に稀な事ですが、修理後にゼンマイが切れる事があります」という事をお客様に伝え続けてますが、日常の習慣となり「事実でない事を伝えていた事」に気が付いた!(笑)。この説明をし続けて11年が経過してるという事は、20年間で2回だけ経験した事例という事になるね。ま~説明文言は習慣なので変えないですが、その根源となる時計との再会はいい思い出となりそうです。

私的意見ではありますが、食品や衣類などの消耗品と違い、家や時計など、その後に長い時間を共有する商品を扱う上で必要な意識として、購入した方が商品と過ごすその後の時間と共に、こちら(店や人)の記憶も残り続ける可能性がある事を意識するのが必要です。うちのお客様でも多くの方が「おたくから買った」という話をされますが、商品を通じてこちらの事を覚えていてくれる事は感謝すべきこと。商品の売買を繰り返す立場にいると、そういう感覚ってつい忘れがちになりなりますけど、接客時の些細な会話でさえ、地方のこんな小さなお店が生き続けられている理由の一つかもしれないかな。今回のように、10年以上前の事を双方で覚えている事もあり、それが次の仕事にも繋がっているのですから。

本日は以上でございます。



国内金小売価格が最高値を更新

鴫原質店の弟さんです。

本日8月25日は、田中貴金属工業さまが金の店頭販売価格を1グラム9,948円と発表してました。それにより円建ての小売価格は過去最高を更新してます。田中貴金属の小売値段とはいえ8月1日の9,946円の高値から2円ばかりの更新なので大きなニュースではありませんが、少し興味が湧いたのでちょっと仕事サボって調べてみます。この画像は田中貴金属さま(こちら)からお借りしました。

暫くの間、円建て金価格推移は為替変動に大きな影響を受けてきました。確かに社会不安によりボン!とドル建てゴールドが上昇する事もありましたが、その後のドル建て金は1オンス2050ドルを超えておらず、円建て金価格は為替の上下に振り回されているように見えてます。そして様々な物価に影響を及ぼす為替(ドル円)は、ある指標が生涯の親友のような関係で、今もまだピッタリと寄り添い続けています。ドル円と米10年債利回りチャートこのとてもよく似た関係は「米10年債利回り」と「ドル円」チャート。どっちがどっちなんて、正直どうでもいい位に似たような形状。日本でも先月、長期金利に変動幅をもたせたので、「どうなるのかな?」などと思ってましたが、10年債金利が急上昇してドル円が更に円安になるという状況。国内長期金利が0.16%程度上がったところで、親友の金利の方が上昇率が高いのでその関係性には無風状態。仲が良すぎて誰もこの関係には入れないような錯覚さえ感じます。見た感じ、円建て金価格上昇は為替の影響ではないみたいです・・・・。

腑に落ちないので暫くぶりに金価格と逆相関の関係とされるドルインデックスとドル建て金価格を見てみました。ドル建て金とドルインデックスチャートなんか数日前から両指数とも上がってる珍しい形状(←そんなに珍しくはないけど)。純粋に金が買われたという事か?(←よく分からんが・・・)。世の中的に不安要素があると金が買われていきますが、何があるのかな?。調べたくなるけど超~~時間がかかるので今はやめときます。大体にして最近の流れでは、金が上昇する時って平穏にくぎを刺す場合が多く、少し嫌な感じがするんだよな。戦争とか銀行潰れたりとか・・・正直いいイメージがありません。何もなければいいんですけど・・・、ニュースなどで事実を知るのは後日である事が殆どです。尚、今回はTradinguView(HPはこちら)様からチャートをお借りしてます。とても見やすいチャートですね。

ちょっと話はズレて為替のお話。大体の人にどうでもいい事ですが、3日前のニュースで「財務省は2024年度予算案の概算要求で、国債の元利払いの想定金利を1.5%とする調整に入った」という見出しがありました。今の国内長期金利の金利が上昇する事を想定してようです。雲の上の人々の決める事の結果によりますが、年末からか年始からか?またまたその先か?、ドル円に多大な影響がある米10年債は利下げを意識した動きになる可能性があり、国内で金利上昇が加わると金利差は徐々に小さくなっていく事で為替の動きが想像できそう。(※質屋丁稚が思い描くフィクション物語です!!)とはいえ、実質金利のマイナスや国際収支の悪化、そして各国との金利差など円安材料はてんこ盛りの状態で、極端な円高になる事は微塵も想像できない。そして更に円安になる可能性も全然否定できないし、要するにやっぱり分からん!!(←開き直り)。どうなるかね?。

円安は家計に多大なダメージを受ける(←ガソリン高すぎ!)ので嫌いだし、急速な円高は会社にダメージが残る可能性があるのでやっぱり嫌いですが、なるようにしかならないのが現実社会!。先の長期金利や為替が分かるなら、それで莫大な利益を得る職業もあり、質屋で一生懸命日々働く私のような人間に、先の事を推測し言い当てる事など不可能っス。とはいえ、リーマンショックの時、商品相場下落の原理をリアルで見れたはずなのに、その時は金融に興味さえなく、ただただ「やべ~~」を繰り返したアホな自分を悔やんだ時期があるので、個人的趣味を兼ねて金融市場をまったりと見続けようと思ってます。知ろうとする事や興味を持つ事が大切と考えており、「分からないならやっても無駄でしょ」と思う方がいるはずですが、趣味で楽しんでみてますからいいのです(笑)。仕事にも生活面にも役に立つ事があるかもしれないしね。

話の内容がブレブレではありますが、「円建て金小売価格最高値更新」と「財務省の予算案で元利払いの予算が上昇した」という点から無駄にだらだら書いてしまいました。退屈な話ですみません(哀)。さ~~て、社畜(←私)はセッセと働き続け、会社の存続に貢献しましょうか(哀)。サボってないで仕事をがんばりたいと思います!!。(※尚、上記は全て個人的な妄想によるフィクション物語であり、事実とは一切関係ありません事、ご理解お願い申し上げます。)

本日は以上でございます。





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