質屋のスタッフブログ
2024年08月05日
鴫原質店の弟さんです。
なんかドル円相場が慌ただしい状況ですね。たった5日で金融市場は激変し続けてます。
たった週に1回しかない休み(日曜日)に、子供達を真夏の公園で遊ばせながら、日用品の買い出しに付き合い、そして寝る間際までほぼ一日中の情報収集!で色々な事を確認してました(※ながら作業ですがガチです!!)。質屋のただの従業員でド素人ではありますが、今後の質屋に関する相場に関して一日中悩み続けてており、そんなことを書いて見ようと思います。尚、全てのチャートはトレーディングビュー(こちら)様からお借りしていて、全て5日だけの値動きを追ってます。
「要注目じゃ」と何度か書いてた、FOMC(連邦公開市場委員会)と日本日銀金融政策決定会合が終わり、8月1日から世の中は大きく動きだしました。個人的な表現でロシアンルーレットなどと書いてましたが、先に動いたのはアッと驚く日本銀行。ユーチューブで3度程、植田総裁の会見を拝見しましたが、今までとロジックが変わっていて「あれれ??」という感想。需給ギャップの話はどこに消えた??、私が馬鹿だから分からないのか??。凄く分かり易い説明が多かった総裁だったのに、今回の会見は無理矢理な話の展開だったというのはアホな私の感想です。実質金利が「きわめて低い水準にある」とか言い出して「何があったんだろう??」と個人的に詮索中。ただ政府日銀(←日銀の判断じゃないと推測!!)のやろうとしてる事は理解できたので、それに備えて行こうと思います。
意味ありげに掲載させて頂いたのは、日本の2年と10年債チャート。僅かばかりの利上げでしたが、日本債券買われてました・・・。何兆円というお金がここに動いたのは間違いない事実ですが、債券市場は景気減速と早期利下げでも想定したのだろうか?。珍しい事に思えるこの現象をリアルタイムで鑑賞してましたが、知識が無さすぎて理由が分からない。もっと勉強しようと心に決めた瞬間でした。この動きに反して短期金利を上げれるのだろうか・・・日銀のこれからの動きには注目ですね!。
日本のメディアであまり報道しないアメリカのFOMC決定後と経済指標発表後の動きが特に慌ただしく、ドル円相場にもろに影響してます。こちらは米10年債と2年債の動きで、アメリカ政策金利は何の変更もないのに、債券市場では1%の利下げを想定して債権が買われました。想像さえできない単位のお金がたった5日でアメリカの債券市場に流れ込んだ訳で、お金の実質数量が決まっていると仮定すれば、多くの金融資産(特に株)が売られて国債が買われ、債権単価は大幅上昇中(←個人的な空想で)。
FRB(米連邦準備理事会)の金利を維持した判断が、今後の景気悪化による急激な金利低下を見込み、8月5日(今日)はアメリカ長期債の買いが猛烈に入って取引停止(サーキットブレーカー発動)の状況になったらしい。アメリカの長期債はどこまで買われるのだろうか?(※長期金利はどこまで下がるのだろうか?)。ってか・・・流動性の高い米債権でサーキットブレーカーって・・・。世界最大の輸入大国の景気が悪化すれば、輸出に依存する国の経済が良くなるはずもなく、全世界的に景気の悪化などが推測され、日本だけが景気好調なんてありえない・・・、そんな理由で日銀利下げを見込み日本債権は上がったのかも?(※無知な人間が空想する根も葉もない妄想)。
今まで何度も見てきたドル建てインデックスとドル建てゴールドチャート。
反比例の相関関係を持つと言われてきたこの2つは同じ方向に(※アリャリャ)。安全資産と呼ばれる金(ゴールド)は僅かですが利益確定売りが入りましたが、安定的な推移。安全資産として「売られずに上がる」と想像してただけに、利益確定売りが来るとなると円建の今後が心配だ。国内相場は当然為替の影響を受けて約2週間で10%下落。145円÷161円=約90%だから、為替差異と同じ感じですね。お店の在庫の評価額が10%減額した事には変わらないので、心と頭の整理は大変です。
そしてドル建てプラチナもこんな感じ。
色々調べたけど、医療器具や宝飾品や電気自動車や水素関係設備などに使用されるプラチナは景気減速懸念の影響は受けそうに思えます(※事実は知らん!)。円建てプラチナは想像通り下がりました。
国の政策金利を銃弾に例えると、ロシアンルーレットの1発目でこの騒ぎだから、先が思いやられるね。為替の動きは2国間の金利にも反応し(←※それだけじゃないという意味)、その金利は債権価格に影響されるので中央銀行の決定事項が後槍の場合も。その反面、この3年でアメリカ債権市場は複数回失敗もしてるので、先の見通しが見えてくるのは今後の事で、【要するに先の事は誰にも分からない】状態ではあります。ただ、2週間前にお店で買取したものは、今のところ全て「評価損」となっていますが、個人的には「始まった・・・」という認識。3か月後まで保管が義務づけられる質預りというシステムにおいて、先の値段をどこに設定するのかはとても重要な部分であり、その価値が下がり続ければ、会社資産をそのまま減らす事にもなりえるので、今の状況整理と数か月後相場を意識していかないと・・・、既にでた損失は諦める!!。日本国債の格下げで円暴落・・・とか、今以上の円売りとか、円安要因も一応あるので先の事は分からないんだけどね。
取り合えず現状では、アメリカの政策金利である約5%がどの位の位置に落ち着くかを、経済指標を見ながらの空想物語を多くの方が独自に空想してそうです。取り合えず米2年債利回りを見る限り、債券市場は今後3.85%位まで下がる事を想定した動きになりましたが、リーマンショックの時は1%まで、コロナショックの時は0.1%まで下がってる歴史を見ると、今回はどの辺なんだろう。トンデモナイ莫大な金額を賭けている方々の動きを見るのが、私のような末端にできる唯一の事かもしれんね。そんな理由で、債券の動きが与える為替の影響と、景気が悪くなると売れなくなるものに関しは、値動きをよく観察していこうと思ってます。円安の期間が長かったので、構造的な影響による継続的円安の状況は露呈してるので、現状の円の位置も確認できそうかな。超大手の質屋さんであれば決算時の想定為替レート算定などで色々考える専門家もいるでしょうが、うちのような小さくマンパワーもない小規模店舗は自分で頑張るしかないのだよ(哀)。そういう専門の人と、特に保有在庫の関しての考え方とか機会があれば教わりたいところです。
付け加えますが、所詮はただのサラリーマン(質屋丁稚)の空想物語です。「小心者のアホな小者が馬鹿言ってるゼ!!」位に留めておいていただけるようお願い申し上げます。自分の知識と考えと責任で価格を決める立場に置かれてるので、働く場所(お店)のダメージを少しでも減らしたいだけですから。長くなりましたが、本日は以上でございます。
2024年07月25日
鴫原質店の弟さんです。
7月2日に日本の長期金利上昇中って書いた事について、「質屋と関係なくね?」と社内で話がありまして、読んでみると確かに質屋にどんな影響があるかは書いてなかったので、状況変化も含めて追加的に書いて見ようと思います。
通貨価値下落について考えた事が多かったこの数年、我らが通貨円が違った動きをし始めました。
こちらは円インデックスで主要通貨に対する円の価値(?)的な感覚で見れる指標。介入やら要人発言やら株価下落など、要因は色々あるにせよ円の価値は急上昇中。先の事がどうなるかは【誰にも分からない】けれど、先を推測して動き出すのが金融市場の特徴です。通貨は金利だけで決まるものではないけれど、日本の金利が上がることはほぼ確実視されており、日本以外の世界中ではその逆の流れが始まろうとしています。尚、全てのチャートはトレーディングビュー様(こちら)からお借りしてます。
これは7月2日のブログで掲載した日米10年債権金利差のチャートですが、金利差だけで見れば今の為替変動など序の口に見える。
【金利のみに連動】するのであれば、1ドル140円中盤位が適正地(?)。ま~為替は、経済規模や貿易収支やその他もろもろの要因で市場参加者が決めていくので、金利差は一つの参考位にしときましょう。国内金利の上昇と海外金利の下落がこれからどんな未来を描くのかじゃ要観察ですね。なかなかの速度で円高が進行してますが、「為替は安定的に推移するのが望ましい」って誰かが言っていたような気がする・・・。
何度も取り上げてきたドル建てゴールドはドルインデックスとの微妙な関係性を保ってます。
ドル下落のドル建てゴールド上昇で円高を相殺してくれれば・・・などと書いてましたが、全ては米国の金利下落が先だと考えていたから。日本の金利上昇憶測でドル円は動いたので、円建てゴールドは為替の分でわずかに下落中。日本の金利が上がるなんて「誰も確約してない」ので、金利が想像より上がんなかったら円安暴発もありだよね(汗)。
ドル建てプラチナの値動きはよく分らんが、5年チャートはこんな感じ。
プラチナは工業用品に使われるイメージがあるので、景気に影響してるのかね?。インフレ率にも少し連動してる気もするけど・・・。そんな目線で現状の景気を合わせて考えると、国内プラチナ相場は為替変動の影響に加えて景気減速の影響をも受けそうな気がしてしまうな。静観するだけですが・・・2008年の暴落イメージが頭から離れない。
ここ一か月の円建て「プラチナ」と「金」の値動きはこんな感じ。お店の大切な商品でもある「ゴールド」や「プラチナ」で、先の相場を推測するなんて無意味という意見もがあります。そして為替を考える事に関しては、「じゃ~FXでもやれ」で話が終わることも・・・。
個人的考えで言えば、「ゴールド」も「プラチナ」も信用売買さえできる金融商品の一つと考えてます。実物資産の需要で値段が決まる訳でもないので、そんな部分(※市場)を観察するのも一つの手段として勉強中(笑)。思考も無しに相場の上下に喜怒哀楽しても意味ないから、何かしらの理由を探してるんでしょうね。国内相場は円高の分だけ、そのままスライドで金属相場は下落してますが、世界の金とプラチナ相場が下落してる訳ではないので、別に騒ぐほどの事でもありません。いつも怖がっているのは、世界相場の暴落と円高によるダブルパンチですから。しつこく繰り返して付け加えますが、円の価値がこの先どうなるかなど、誰にも分かりません。流れやトレンドの中で様々な可能性を考えて、リスク軽減を考えているだけです。もちろんその反面、円が紙くずになる可能性を感じたら、全力で他の物に価値を移すこともできたりします。
金利は為替に影響し、為替は商品相場に影響するという点で、世界で一番巨大な債券市場(←国債の長短金利)の流れを見るのも少しは役立つかな~~と勉強中。それで「日本国債 長期金利上昇」など書きましたが、生きていく上で必要な知識とさえ思ってます。ま~どうあれ、円がようやく動き出した可能性もあるので、日々、為替と相場に注目していきたいところ。先ずは月末の日銀金融政策決定会合の内容を植田先生にご教授頂き、今後の流れを考えていこうかな。円の価値・・・どうなるんだろうね~~~。大きな変更がなければ、また売られたりするのかな(哀)。
本日は以上でございます。
2024年07月17日
鴫原質店の弟さんです。
買取品の中に心トキメク腕時計があったので取り上げます。それは1970年前後に発売れてたオメガのコンステレーション。型番はRef.168.017で、とても精度が高い事を証明するクロノメーター規格合格者です。
業界ではCラインと呼ばれるデザインで、時計デザイナーのジェラルド・チャールズ・ジェンタ様がデザインされた事で有名な話。2011年に享年80歳でお亡くなりになられましたが、パテックのノーチラスやAPのロイヤルオーク、オメガだとポラリスなんかもこの方のデザインらしい。
そのような時計のウンチクも悪くないけど、私の思考回路は50年以上前の時計という部分に興味津々です。
文字盤のタコプリントやサイクロップレンズなど、構造や出来具合や仕上がりが今時の時計と殆ど変わらないように見え、50年以上前に腕時計の技術は殆ど完成されてた事を実感します。確かこんな事をグランドセイコーの時計を題材にした時にも書いた気がするけどね。今現在50万円位で発売されてる時計より、繊細な部分の造りはずっといい感じがして、オメガというブランドが繁栄し続けてる理由を納得してしまいました。
アンティークの雰囲気を感じさせるプラ風防に味がある!。オメガのブランドマークも今とは異なるので、好きな人にはハマりそうだ。
因みにこの子は「前期型」と呼ばれており、「後期型」も存在します。1970年チョイ過ぎから販売されてたその「後期型」は風貌がプラ(アクリル)からガラスに変更。文字盤のロゴ配置が変更され見た目が少し変化し、ムーブメントはCal.1011に変更されました。発売当初から「前期」や「後期」と呼ばれていたとは考えずらく、中古市場が発展しアンティークの知識が積み重ねられるうちに、しっかりと区別する為に誰かが命名したのかな?。よく分からんけど・・・。
金属同士がぶつかる部分のメッキが剥げてる部分がありました。
ずいぶん綺麗だな~なんて思ってたけど、スレ傷程度は至る所にあり、とても大切に使用されていたことが想像されます。
背面には天文台のメダリオン。このデザインってグランドセイコーや服部セイコーなどにも見られ、1960年代の最先端のデザインだったのかな。
しかしこうして見ると、こじ開け機具を入れる裏蓋の溝も今と同じ構造で、昔の発想や技術が完成形となっていて、変更させる必要も余地もないのかしら?。今の時計機具で全て対応が可能な点が面白いよね。同じものでは値段を高くできないから、試行錯誤の末に時計の高級化とブランディングが始まったのかもしれない・・・(個人の意見です)。
そして普段はみる事のないムーブメントを拝見します。
Ref.168.017に搭載されたのはCal.564。リューズを2段引っ張ると日付調整できるタイプで、今の主流とはちょっと違います。全体にメッキ処理がされていて、凄い高級感とこだわりを感じる心臓部でビックリします。50年前の品物とは思えない輝きが素敵だね!。
細かな部分も観察させて頂きます。内部はほんの僅かな傷がある程度で、この50年間の間に人の手に触れる機会が少なかったのかな?。
錆や腐食も見られず、歯車もとても綺麗。油切れの症状により僅かな異音とゼンマイの劣化により日差は安定しないけど、自動巻きは時間がズレるものだと分かってさえいれば問題ないもんな・・・。ところで、ムーブメントNo(※564)の上の数字ってシリアルナンバーだよね?。シリアルが24から始まる8桁だから1966年製造ということになり、御年58歳だと判明!。今時の若い子に全く引けを取らない素晴らしい状態です。もしかして動き過ぎない事や余計な事をしないのが健康の秘訣だったりして・・・。人間も激しいスポーツや薬の飲みすぎは短命に繋がるっていうもんね。
裏蓋の裏側はこんな感じ。
落書き発見で、1回はメーカーメンテナンスを受けている事が判明しました。ネジ山の傷やローターのスレ傷はその時についたものかしら?。色々詮索して想像するのが楽しかったりします。
この58歳の中年と今時の若い子達を比較すると、防水性能やステンレス耐性や帯磁性や姿勢制御など、発展した部分が多いのは紛れもない事実です。ただその部分って日常的な時計機能として不要な部分も多く、その代償として失った「薄さ」と「軽さ」と「コンパクトさ」と「手軽さ」が、その潮流で製造された腕時計の実用性そのものを減少させた気もしてます(←完全に個人の主観です)。とはいえ、その部分を見直す流れが少しでてきのかなと感じる事もあり、多くのメーカーで36ミリサイズの新作が発表されてる点がその一つ。巨大化一択の流れが少し変わったのかな?(※個人的発想)。そしてもう一つ、そんな潮流を一蹴したオメガのスウォッチコラボモデルには好感が持てました。
スウォッチのカジュアルさやカラフルさが、伝統的なスピードマスターデザインを可愛らしくしており、コラボだからできる素晴らしいアイデア商品と思います。「安く」て「軽く」て「薄く」て「手軽」で、こんな感じの「Gショック」のアクアレーサー(←タグホイヤーの時計)コラボとかもでればいいな。3万円位の売値で出てくれたら、いっぱい揃えたい(笑)。腕時計を道具として見るか、アクセサリーや資産として見るかで、商品に対する考え方や思いが二極化してるのが現状のように感じており、このような選択肢が増えるのは、ユーザーにとってはありがたい事のように思えます。スウォッチって結構頑丈だし電池もちいいし殆ど故障しないけど、ぶっ壊れるまでガンガン使ってあげられますよね。しかし、スウォッチコラボのスピードマスター、まじ可愛いな~~(笑)。いい面でもチョイ残念でもある点として、色合いが可愛すぎるのよ!。私のようなオッサンが身につけるのは、相当な勇気が必要かもしれんね。
本日は以上でございます。