質屋のスタッフブログ
2024年12月07日
鴫原質店の弟さんです。
今回はお店で買取したペンダントヘットについて。最近コインの話が続きますが、目の前にあるものをその瞬間に取り上げているだけなので、ご興味があればご覧ください。
これは金貨らしきものに丸環を溶接した手抜きのアクセサリーですが、硝酸テストの結果をみるに、一応は高純度の金(ゴールド)が入っているようでした。尚、金品位を示す刻印はどこにもありません。
そしてジョージ5世の肖像が描かれているこの子は、実はとても凄く珍しいお品物。
だけど、なんか「グニャ!」って底部が曲がってるんですよね。一応ですが、もし本物であれば、22金で19.3ミリの重さが3.98グラムの金貨さんです。
そしてこちらも違和感を感じます。
何だか全部がチープに見えて、スレて削れてこうなるのか?。これが金である事こと以外はやっぱり全く分かりません(笑)。そしてやっぱり外枠が見た事ない形状をしていて不思議な感じ。見た事ないから分からないけど、たぶん加工されてるよね。
ちょっとアップで見てみましょう。
なんか今まで見てきた彫り方とはちょっと違い、この子は少しショボい・・・。本物だったら、110年前に製造されたものだから、こんなもんって言えばこんなもんか?。スレて削れて減っていくゴールドの定めかも。
そんな事をパチパチ書いてた数日後、都合の良い事にソブリン金貨をお店で買取しました!。
「類は友を呼ぶ」か・・・。2度ある事は3度あるっていうし、次は何が来るか楽しみですね。但し、大きさの違う7.9グラムの金貨で、単純比較していいのかどうかは分かりません。
この金貨には、随分前にブログで取り上げた記憶があるヤングエリザベス様が描かれてます。
崇拝する女王陛下鑑賞は趣味のような世界ですが、今回の目的とは異なるので、スルーして先に進みます。確認だけしておきたいのは枠の形状ね!。違いは一目両全です。
そして本題の「聖ジョージの竜退治」。
これは1981年の金貨だけど、やっぱり上に画像を載せた金貨とは全然違うよね(笑)。大きさが違うだけでこんなに表現が違うってあるんかね?。でも「使用型金貨」と「保管型金貨」の違いもあるので、後程触れたいと思います。
ソブリン金貨の竜退治って、細かな描写がとても素敵なのさ。
ナイトさんとお馬さんの筋肉モリモリの力強さや、お馬さんの股間あたりに意味ありげに描かれている突起物、ドラゴンの胴体や顔の描写、そして右下に刻まれる「B P」の小さな文字は大きなポイントかな。平面で描かれているのではなく、高低差を用いてレリーフされている点も見どころです。とはいえ、長年の保有により色々削れてたり、金が足されてたり、やっぱり判別は難しいのがアンティークコインだったりもする。とはいえ、この表面を摩りまくった結果、上部で取り上げたような状態になるのかどうかも興味深いところです。インディアン金貨も原型が無くなっていたので、そんな事があり得る可能性があるのが面白いところかな。110年前だもんな・・・、やっぱりあり得る話に思えてきます。
イギリスのソブリン金貨において「セントジョージの竜退治」と呼ばれるこのデザインは、1816年から1917年までは金本位制の元で実貨幣として、1974年からは地金型の金貨として造られ続けてます。金本位制の元で使用された実貨幣を見る事は殆ど無く、今でも多く見る事のできるのは1974年から製造されてる地金型金貨の方。よく見るその金貨は敬愛するエリザベス女王様がご年齢に応じて描かれており、「竜退治」は同じだから何度も見てきました。ソブリン金貨の場合、品位はau0.917の22金ですが、上部で取り上げた金貨っぽいやつは、最終的に22金という結果がでております。今回取り上げた小さなソブリン金貨について、「最初こそ何だこれ?」とも感じましたが、実貨幣であった事を想像すると、心から興味を抱き嬉しくなります。違和感を覚える外枠の部分は、ただ単に加工されてるだけの可能性もありますし、もしくは「こういうもの」だった可能性も否定できないよね。110年前のイギリスは、世界を支配する大英帝国の歴史があり、植民地政策により世界を治め、世界中でエリザベス女王陛下の金貨が造られるきっかけになったイギリス連邦を創り上げた時代です。この金貨で何が買えたのか・・・やっぱり空想に浸ってしまうな。本物かどうかなど知る由もありませんが、実貨幣のソブリン金貨を次に見る機会があれば、今回のモノと比較してみたいと思います。
本日は以上でございます。
2024年11月30日
鴫原質店の弟さんです。
私は早朝より、意味も無く外をパタパタと動き回る習慣がありますが、この日はとあることに気が付きました。
そこで意味不明に思った事を書いてみますが、なんかこの方がブログっぽい気もします。
気づいたのは、日の光に反射して、綿毛のようなものが沢山、そしてあちこちに浮いている事。
その正体は「ゆきむし」君。この辺ではあまり見る事のない生物ですが、夏から秋にかけて気温の高い年は大量発生する傾向にあるとの事。今まで気づかなかったというのは考えずらく、カメムシ君の大量発生もそうだし、気候変動の影響かね?。羽虫に愛着など持たぬので、進行方向にこんなのがいるとかなり邪魔でイヤな感じしかない。昨年は北海道で、空を覆うほどのコヤツが大量発生し、吸い込まない対策としてマスク、髪につかないように帽子など、色々な対応が解説されてたけど、そんな事になったら・・・と思うと背筋が「ゾッ」とするね。
明日から12月というのに、この公園ではまだ桜が咲いています。
桜と言ってもこの子は「ジョウガツザクラ(十月桜)」。春に一度咲き、そして秋から冬にかけて2度目の花を咲かせるこの子は、毎年9月終盤頃に咲き始め11月初旬には散っていくイメージがあります。意味不明に頑張って咲き続けるこのお花たちに、「明日から12月だよ~」と教えてあげたいな。考えてみれば、私の運動着って下は未だに短パンなので、それだけ温かいんだろうな・・・。葉を赤く染めて紅葉してる木がある一方で、桜の花が見れるのも何だか不思議な感じがします。秋は肌寒いという思い込みもあるけれど、十数年後の秋はどんな気温なんだろうね。
小学校の頃は仙台でも雪が積もる日もあり、幼少期は雪を集めて「かまくら」を造った記憶もあります。いつの頃からか、雪景色を数日間続けてみる事も無くなり、少し快適になったのか・・・?。スタットレスタイヤも必要性を感じなくなった今日この頃、そのうちスコールが降るような気候にでもなるのだろうか?。バナナやミカンやサトウキビを仙台で栽培できる気候になったら、なんか少し嫌だな。温暖化が進めば、それこそスキー場などはどうなっていくんだろう?。早朝の「ゆきむし君」と出会いをきっかけに、訳の分からない空想を膨らましてしまいました。超どうでもいい事ですけど、朝日は気持ちいいです!。ビタミンEを沢山接種して仕事を頑張ろう~~。
本日は以上でございます。
2024年11月25日
鴫原質店の弟さんです。
「類は友を呼ぶ・・・」という言葉があるが、今月2回目のご対面でこれは珍事に違いない。
そして今回は、より緊張感が増す1911年の10ドル金貨!。警戒心を煽るこの枠の雰囲気は、もしかして今まで散々見てきたアレかもしれない・・・。品質の悪いダイアモンドで着飾る、750刻印の枠には怪しい先入観を抱きました。
【宿敵登場か!?】
お客様へ丁寧に説明し、過去の経緯や偽物の実物をご覧頂き、購入できる金額を伝えた後にやれる限りの検査を開始します。
法定通貨である10ドル金貨は16.72グラムだけど、目の前の品は重量が16.30グラム・・・・。目方(重量)はデータ値より少ないけど、比重はOK、試金石の色味はOK、硝酸もOK。色味はちょっと不安があり、銅が入ってるような色味には見えないのは何故だ?。とはいえ、できる範囲の事で見る限り、個人的には21.6金であると判断して買取を決意します。あ~~怖い怖い。
製造から100年以上が経過する今現在、色々と「いじられてる」のよね。
部分的に削られていて、ジュエリーとして加工するする為か、厚みが調整されていました。逆にこの部分をみて中身は金(ゴールド)とも確認できる。重さが違う点はこんな発想で、自分を納得させる材料にしてますが、あ~~怖い怖い。
ここは厚みを足したと思われる部分。
金を加工してるだけなのでなんとも思わないけど、アンティークあるあるの話でもある。そもそもココに足された部分の金品位はどの位なんだ??。
1911年のインディアン金貨は前回も触れたけど、ダメな物(金じゃないもの)を沢山見てきました。
持ち主に全く悪意が無いのも特徴で、それがいつの時代に製造されたものかも正直分かりません。全知全能のグーグル先生に尋ねると、発行年数は1911年で枚数は505,595枚との事で、発行枚数は1910年製との比較で物凄く少ないのに、いっぱい見る理由はそんな経緯もあるのかも。冷静に淡々と観察し、やれる限りの事をやらないとひどい目にあいます(←なんせ経験者です!!)。
状態的にとても綺麗に見えるところが「かなり嫌」だったけど、こんな部分も興味深いね。
発行から113年が経過し、所有者が変わる時に疑念を抱き、確信を持つために一部にメスを入れたのかもしれない(←※妄想!)。硬い金属ではこのような細い溝を掘り進めることは容易でなく、この傷こそが柔らかい金の特徴でもあります。
今回の金貨は「綺麗すぎた」から余計に疲れました。下記画像は、真ん中が今回の品、右が前回の品、左がずっと前から持ってるサンプル(偽物)。
柔らかい金(ゴールド)という素材が色んな形状に変化していく中で、彫りとかデザインとか模様とかを参考にはしますが、状態が個別に違うので金貨はとても難しいな。上の方に銅が入っている色味に見えない・・・などと書いてしまいましたが、並べて見ると入ってる色味にも見えてしまう。僅か10パーセント(←銅の割合)の成分の違いは、とてもいいヒントになります。
金価格高騰により、色々なトラップ品が増えてきたこの10数年。判別の難易度も上がってきてますが、今はまだ何の不安も感じず直ぐに決断できてます。ただ、金貨は判断基準の少なさと、損失の大きさのバランスが非常に悪い商品なので、「綺麗すぎるもの」は破壊検査を前提!、綺麗であればあるほど傷つけないと買えない・・・など、そんな対応が今後は一般的になる可能性ありえそうかも。凄く出来のいい「偽物コイン」を拝見させてもらって以降、ゴールドの柔らかさを視認できないものは「バ~ルでへし折るゼ!」位の勢いで考えるようになりました。確証が得られないものに関しては、触らぬ神に祟りなし・・・ですね。しかし、1910年の金貨を見て興奮し、1911年の金貨を見ると怯えるてしまうという、この心境こそが経験則ってやつなんだろうね。あ~~怖い怖い。
本日は以上でございます。