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平成元年発行「天皇陛下御誕生日記念 記念メダルと記念カバーの特別セット」

鴫原質店の弟さんです。

とても珍しい記念メダルがあったので取り上げます。天皇陛下御誕生日記念 記念メダルと記念カバーの特別セットの外観表題として「天皇陛下御誕生日記念 記念メダルと記念カバーの特別セット」と書かれており、このカバーも含めて全てがセット内容として発売された品物のようです。右下には純金製というシールが貼ってあり、中に記念金貨が入っている事が容易に想像できますね。

説明書きがあったのでそのまま画像で使わせて頂きます。品物の説明書き天皇陛下が御即位したその年(平成元年)の誕生日(12月23日)に、記念品として造られた品物らしい。発行数がとても少なく、この金貨セットは僅か300個限しか生産されなかった世にも珍しい品物に違いありません。

本のような構造になっており3ページ目に金貨とハガキが封の中に飾られてます金貨と封筒画像で確認しにくいですが、封筒のようなものには東京中央郵便局の公式消印が手押しされており(←先程の説明書きより)、「1.12.23」という数字が記載されてます。令和になってから天皇誕生日は2月23日に変更されましたが、少し前まで12月23日は祝日だったのを思い出しました。休日のはずですが、クリスマス前なので大体は出勤して働いており、「なんで数少ない貴重な休日がクリスマス前なんだ~(涙)」と思い続けた悲しい記憶がよみがえります(哀)。

次のページに解説があったのでそのまま掲載しておきます。解説書き今回は画像全体がとても見ずらく申し訳ないです。もともとが大きなページを広角で撮影して圧縮させてるから、どうしても全体を写すと小さな文字はぼやけるんですよね(←言い訳)。でも何とか読めるとは思っているのでご興味ある方はご一読下さい。

本の最後に松本徽章工業さんからのお礼のメッセージが入ってました。松本徽章工業からのお礼の手紙赤丸の部分を見ると平成2年と書かれているので、出来上がり次第の順次発送って感じだったのでしょう。12月23日に郵便局でハンコを押してたとすると、平成2年の春頃に発想されたのかな~など、勝手に想像してみます。

まだ誰にも開封されてないメダルを私が取り出します(←恐れ多く、そしてスミマセン!)。開封作業風景クリアファイルのような本の一部から厚紙上に封をされたページを抜き取り、金メダルの固定方法を確認していきます。こういう記念品は大切に保管されているだけで、開封されていない事が多いです。というか開封するとその価値が減るので当然の事ですけどね。

金貨の表面はこんなデザインです。記念メダル表面のデザイン画像4枚目の説明書きに「表面の意匠は、皇運の弥栄を讃える日・月の錦旗に陛下を象徴する鳳凰を描き、聖寿萬歳の数字を配したもの」と詳しい解説がありました。語彙力に欠ける私にはかなり読みずらい・・・というか読めない(涙)。天皇陛下に関連するものには鳳凰が描かれている事が多いですが、陛下を象徴する対象として鳳凰が採用されていたんですね。そして一つの疑問が生じました(←どうでもいい話です)。このメダルを手にしたことのある人って世界に何人いるんだろう。

金貨の裏面のデザインがこちら。記念メダル裏面のデザイン説明書きを丸写しすると「裏面の意匠は、菊花と桐花と奉祝の文字を中央に表し、周囲には記念事項銘と輝く日・月を謹刻した清楚なデザイン」という事。丸写しをするだけでも漢字変換が結構大変でした。憲法とか法律もそうだけど、日本語って難しすぎるような気がします。私の教養が足りない事は十二分に理解したとしても、難しすぎる気がする。

メダルを見ていると流石に松本徽章工業さんの作品という感じです。記念メダル細部の画像このブログでも何度も取り上げていますが、デザイン性や表現力にいつも魅入ってしまいます。純金という文字の後ろに刻まれた刻印こそが松本徽章工業さんのブランド刻印で、貴重な記念品の多くはこちらのメーカー様が製造していると私は認識しています。(公式HPはこちら

今回の品物は、34年前に僅か300個だけ造られた珍しい品物で、恐らく今後の人生で再び見る事はないと思います。品物の売買を繰り返すという仕事柄、多くの品物を手に取って見る事ができますが、こういう工芸品的な品物を見るといつも「この姿を崩すのは勿体ないな・・・」と感じてます。「誰かに売れないかな?」とも考えますが現実はそんなに簡単ではありません。興味がある方には気を引く品物かもしれませんが、多くの方がこういうものに興味がないのが普通だと思っています。せめて品物への敬意として、開封して観察して調べるくらいの事はしてあげたいですね。

本日は以上でございます。

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