質屋のスタッフブログ
2021年05月28日
鴫原質店の弟さんです。
質流品の中に古いオメガの時計がありました。
古いシーマスタープロフェッショナルで200メートル防水のクォーツ(電池式)時計です。正確には分かりませんが1990年代前後に販売された商品という事。電池切れか壊れているのか、蔵から出してきた時点で動いておりません。こんな時はまず最初に動くかどうかを調べないと!。私の感覚で正直に言いますと、30年も前の電池式時計が何の問題もなく動作すること自体、とても不思議な事に思います。
という事で電池交換をしてみます。因みに私、この時計を開けるのが初めてで少しだけウキウキ。初見の品物は色々と考えながら触っていくので結構楽しかったりします。
まずは時計ホルダーに固定。裏蓋を見るとシーマスター専用工具を使わない構造ですね。
取敢えずは一般的な裏蓋オープナーで回してみます。
かなり手ごたえが硬く手が疲れます。錆によるものか、時計自体の精密な構造なのかは分かる由もありません。
ネジ構造になっている裏蓋を回すと、外周のみが外れて中央の裏蓋はまだ残っています。裏蓋そのものが2つのパーツで構成されている事が分かりました。
そして灰色のゴム素材が目につきます。どういう構造何だろう?と色々推測しながら次の手を考えます。
隙間からピンセットで恐る恐る触ってみると灰色のゴム素材はパッキンのようなものだと判明します。
そしてこの灰色のパーツを取ろうとすると、固着した裏蓋もくっついてきてしまった(汗)。
古い時計だとよくある現象ですが、これを壊したら代用品がないので気をつけないとね。でもこの構造で200メートルの防水性能か~という感じ。最初に開けた裏蓋の外周と裏蓋中央部分、そしてケースの気密性がとても高いのかな。
そしてムーブメントまであっさりと到達。結構簡単ジャン!。
Cal1438と印字があるムーブメント様。スイスが世界に誇る、大手時計製造メーカーのETA社製ムーブメントです。ETAのムーブが使われている品物は、何かが壊れても殆どの場合は修理が可能で、私は個人的に好きだし見ていて安心できます。汎用性であるが故にパーツの供給体制がしっかりしており、部品自体の価格も割安なので修理費も安く済むことが大きな利点。そしてこの時計に関して言えば、SR916SWという大きな電池を搭載しているところも私好み。電池交換の頻度が減るしね!。
そして電池を交換したら動作してくれました。メンテナンスの際に部品交換をした可能性もありますが、30年前に製造された電池時計が動いている事自体が凄いな思います。古いモデルで残存の個体数も減少していると思われ、今後また触れる機会はあるのかないのか。もしかしたらこれが最後かもしれないので、ブログに残しておく事にしました。
本日は以上でございます。
2021年05月21日
鴫原質店の弟さんです。
今回はお店で買取した指輪のお話です。当店では中古の宝石を販売をしてますが、買取品の中で店頭に商品として並ぶのは買取品の2割位しかなく、多くのものが金属として再利用される方へ向かいます。私たちは「潰す」とか「溶かす」と言いますが、そのスクラップ専用置き場からこの指輪を発掘してきました。
デザインが古く、更には石も欠けており、これを宝飾品(ジュエリー)として購入頂ける可能性は低そうです。それ故に金属スクラップの判断が下されたのかもしれません。
悪く言えば古臭い、良く言えばアンティーク。でもね、個人的には「素敵なルビーだ」と思ってしまったのです。時間の無駄になる可能性が高いですが、私の個人的意向で販売努力をしてみます。商品画像を撮って、素敵と感じた部分を商品写真で掲載してみます。(※使用している画像は全て商品画像を転用してます)
私の思入れが通じたのか、いい感じに映ってくれます。10年くらい前は宝石好きのお客様がとても多く、このような品物を喜んで買ってくれたことを思い出しました。デザインや金額重視の現代ジュエリーとは異なり、「これこそが宝石だ」と言わんばかりの輝きを放ちます。売れればいいな~。
凄く地味に見えるこの指輪も、こんな感じで見てみれば素敵でしょ。(完全に自己満!)
強い光で照らしており若干サギっぽく感じるので、画像に赤文字で書き足します。誤解は避けたいので。
蛍光灯の光でも見る事ができるシルクインクルージョン。
この青い光は過熱処理がされてない場合に見られる現象です。でも加圧温度が低い場合にこの青色が残存する事もあるらしいので、現段階で非加熱とは言い切れないとの事。判断は見た方にお任せするので、この光が見る事がこの写真一枚で伝わればいいな。産地証明やソーティングを取る費用は無駄になる可能性があり、この現象のみで価値を感じてくれる人がいればいいのですが。というか普通の人が見たら「何だこれ?」ってなりそうですね。これでいいのか本当に悩みますが、石が好きな詳しい人以外は買ってくれないと思うので、いい事にしましょ!。
詳しい方なら分かってくれるのかな?。
顕微鏡でシルクインクルージョンをバシッと撮影しました。
このシルクインクルージョンって見てると本当に綺麗です。
顕微鏡を覗いている時、光の反射角度を変えるとキラキラと輝いてます。でも普通はこれを見る道具ってありませんよね。私は幸せものかもしれません(笑)。ここまでやっていながら、「これは本当に商品画像なのか?」と感じる自分もいます。完全に自己満の状態です。商品説明にすらなっていない気がしますが、シルクインクルージョンがしっかり見えるスタールビーで青色の反射もあるという事が伝われば‥‥‥。
悪い部分もしっかりと。
石の傷を顕微鏡で撮りました。傷があるって言ってもさ、人の手によってついた傷かどうかは分かりませんよ。もともと地中深くに埋まっていた鉱物をカットしたものが宝石です。その生成の過程でヒビ割れする事など当たり前にあるので、判断は全て見た方に委ねます。
ということで商品画像を撮ったついでにブログに書いて見ました。昔はこういうルビーって凄く人気だったんだけどな。今時のファッションでは宝飾品として成り立ってないのかもしれません。だとしても、跡形もなく壊すのはいつでもできるので、品物に敬意をもって次の所有者様を探してみます。買って貰えればいいね。もし売れなくても新しい別の枠(台座)を見つけてあげたいと思います。でもこれって商品画像として成り立っているのかしら?。普通の会社だったら上司に叱られそうな気もします。やっぱり私は私は幸せものかもしれません(笑)。
本日は以上でございます。
<令和3年5月31日に追記します。>
5月28日にこの指輪に関してヤフーオークションを通じて色々な質問を頂き、指輪を購入頂きました。ルビーの真贋について不安があるようでしたが、当店の社長であるGAI GGが「私が鑑定してます」「別途費用はかかりますが、中央宝石研究所かGAIで鑑定書をつくる事ができます」など返答をしたところ、当店を信用頂き購入してもらいました。写真の出来栄えが良すぎる(肉眼で見る事が出来ない部分を沢山画像に載せている為)こともあり私はかなり不安になりましたが、先程メールにてとても気に入ったという旨の連絡があり安堵しています。違う商品についての質問も頂いているので、本当に宝石が好きな方だと想像できます。専門性に特化した商品画像でしたが、分かってくれる人だったり、本当にいいものを欲しい方に突き刺さる情報だったのかもしれません。私にとってもいい経験になりました。
2021年05月17日
鴫原質店の弟さんです。
今回は5月16日の休日日記です。宮城県では5月11日よりまん延防止法重点措置が解除され、今まで閉園されていた市町村で運営する施設や公園が利用できるようになりました。ただ重点措置解除に伴う経過措置としてリバウンド防止徹底期間が5月末まで定められ、様々な制約がある状況に変わりはありません。それでも県のホームページを確認すると「不要不急の外出や移動を自粛すること」という文言が、「外出・移動の際には三密等の回避やマスク着用・手指衛生等の基本的な感染対策を徹底すること」と変更されてます。これを見る限り「出かけてもいい」と読めるので、密にならないように遊びに行くことにします。よくある「あれした」「これした」で終わりそうなブログです。
とにかく体を動かしてもらいたいので、早朝9時に「向山中央公園」に子供2人を連れていきます。上の子はテレビゲームをしていたところを無理矢理連行された事、また高いと所が嫌いな事もあり不機嫌極まりない状況でした。下画像の右上で超不貞腐れた感じが見て取れますが、それでもすぐにチビに釣られて遊んでくれました。良かった。
人が疎らな公園で1時間位遊んでいると、天気が良く気温も高かった事もあり、汗が止まりません。この公園には自動販売機が無く、全員が「のどが渇いた!」という意見で一致したので10時過ぎに帰路につきます。少し失敗したな~と思う一方で、取敢えず運動できたので満足感がありました。
そしてその後スポ少へ息子さんを送っていきます。夕方のお迎えまでの4時間の遊び先は、年パスを買っている八木山ベニーランドへ。暫くぶりの来園ですが、入口に自動検温器が増設されています。
うちのチビ助は検温できる身長に届かず、ひたすらジャンプを繰り返してました。なんだかほのぼのする光景です。
宮城県より「三密を回避して」とのご指示が出ているので、混んでいたら場所を変えるつもりでした。ところが入園してすぐ、これなら気兼ねなく遊べそうと悟ります。
何かに並ぶとか、人と接するとか、そんな環境ではありません。この半年に何度か来ていますが一番人が少ないと思われます。
乗り物に乗るだけなのですが、私は早々に疲れ果てました。
待ち時間が殆ど皆無なので、終わったら乗る、終わったらまた乗るの繰り返し。何が面白いのかメリーゴーランドの5連続には気力が削られ、揺れるような乗り物以外は全て外から傍観するようになります。それでもチビ助は、飽きるどころか走り回って次々と遊具にに乗りまくってした。近所の公園気分で遊園地を堪能しているようです。
そして救世主が登場。
偶然居合わせた少し年上の女の子が、1時間ほど一緒に遊んでくれました。意識の強い子で「一緒の椅子には座らない」を徹底してます。ティーカップに乗る時も、別の椅子に分かれて座ってました。こんな小さな子供まで意識しているのに‥‥、立場ある人たちがパーティーをしていたニュースをふと思い出し悲しくなります。
そんな感じで16時20分まで遊び続け、その足でスポ少の会場へ向かってこの日の最後の務めを果たします。ようやく普通の休日を過ごせたように思えた長い一日でした。
「感染防止対策」という言葉を耳にするようになり、随分長い時間が経過しました。殆どの人がそれぞれの立場で意識していると思います。でも私は「どんなことがダメで、どれがいいのか」について、最近少し分からなくなってきてます。人ごみを避ける生活を意識し続けてはいますが、本日は理由もなく「遊園地に行くのがダメかも」と思ったのです。でも恐らくですが、悪いことはしていない気がするのでブログに書きました。どこに行くのが悪いとか、これはダメとかではなく、不特定多数で密集する事を避ける事が大切なのかな?。いつ行っても人が全くいない美術館とかが閉園対象になったりすると、自分が思っている判断基準が不透明になったりします。今一度、明確な指針が欲しいころ合いのような気がします。
本日は以上でございます。