質屋のスタッフブログ
2021年08月20日
鴫原質店の弟さんです。
先日、中央宝石研究所(ホームページはこちら)にソーティングを依頼していたルースダイアが無事に戻ってきました。以前に納品されていた分も含めると合計14点のルースダイアモンドです。
これらは今週末に開催される宮城質屋協同組合の市場に出品します。毎月の通常の市場とは異なり、8月の市場は大会と呼ばれており、各質屋より高額商品が出品される傾向があります。そしてまた、開催場所も温泉ホテルなどの会議室を借りて開催され、通例であればそのまま温泉に宿泊して深夜まで宴会が続き、そして次の日はゴルフなど、同業者のコミュニケーションを深める親睦の場としても長年続けられていました。ただ、昨年はコロナの影響により宿泊も飲み会も無しになりましたし、今年も昨年同様に寂しい大会になりそうです。
前にダイアモンドに関して書いた事があるのも、恐らくはこの時期のはず。グレーディングがいいダイアモンドを取っておいて、纏めてソーティングをとり、この時期の大会で売却するのが当店ルーティンです。大会には通常の市場に参加して頂いている宝石業者様の他に、とある大手企業のダイアモンド専業バイヤーさんも来るため、値段に全くブレがない安心感があります。そういう理由もあり、特に良いグレードのダイアモンドだけは長期間保管しているわけです。
因みにソーティングとは、鑑定機関の簡易鑑定書の事で、そのダイアモンドの「カラット、カラー、クラリティ、カット」の4Cに加え、蛍光性などの追加情報が枠の下に記載されます。値段を決める要素が鑑定機関により確約されるので、買手とすれば安心して値段がつけられますよね。例えばこのダイアモンド!。
このレポートを見た場合にダイアモンドを見る事なしに値段をつける事が可能かもしれません。一般的に言われる最高峰グレードですね。いや・・・・・やっぱりダイアモンドは見るかも・・・・、必ず見るよね。ダイアモンドの照りとか、そのダイアモンドレポート通りかなど必ず見ます。とはいえ、ダイアモンドを見なくても値段の想定はできるって感じかな。
今回の14点のルースダイアで一番高額なのはこちらのお品。
グレードだけ見ると「いまいちじゃない?」と思う方もいると思いますが、2カラットオーバーのVS2は最近では珍しくなりました。市場が終わった後にダイアモンドうんちくをまた書くつもりなので、実際に売れた競り値も合わせてご報告します。
1カラットオーバーのダイアモンドに関しては多少グレードが弱くてもソーティングを取ります。
赤丸のところのグレーディングがいまいちと思う方もいるかもしれませんが、1カラットを越えるとクラリティが「I1」か「SI2」かで金額にものすごい差が出る為、その判断を確定させる為にあえてソーティングを取ります。1カラット以上でで「SI2」と「GOOD」が合わされば、例え「I」カラーでも結構な金額になるのでとても優秀な商材です。
とはいえ1カラットオーバーでも、カラーやクラリティやカットの全てで総合的に悪いものは、ソーティングを取ることもありません。例えばこちらの指輪も1カラットのダイアモンドがついてますが、ルーペで視認するだけで直ぐに分かる様々なマイナス点があります。
そのマイナス点の一部を撮影してみました。
市場に参加されるバイヤーさんのスキルが非常に高いので、このようにルーペで見れば簡単に判断できるものが特に多いものは、ダイアモンドのグレーディングというよりは色石的な感覚で値段を決定する事が多く、バイヤーさんの判断により値段もまちまちです。ダイアモンドの専門家のなかで一番高く買ってくれる人に委ねるだけかな。宝石としてダイアモンドをみる目線だけでなく、鉱物として様々な視点で覗き込む事も大切です。(写真の精度がいまいちですが、ダイアモンドの色々な部分にクラックや割れ、そして一部のインクルージョンを撮影してます。)
結婚指輪なんかに使われることが多い0.5カラットのソーティング。
このくらいの重さ(カラット)だと、選んだダイアモンドしかソーティングを取らないのでグレードがいいのは当たり前です。しかし今年は数量が少ないな(涙)。でも「D、VVS2、GOOD」とかいい響きだ!。
更に結婚指輪に使われることが多い0.3カラットのソーティング。
扱う多くのダイアモンドの中でグレードが良いものと判断したものだけをソーティングに出しているので、グレードがいいのは当然なのですが、このクラスの数量が品質に関わらず極端に少なくなってきたように思います。当店の社長曰く「今年は随分すくないな~」との事。
ダイアモンドの数が少なくなってきた理由は色々と想像できますが、お客様の需要そのものが変化してきた気がします。15年位前であれば、店頭で1カラットのダイアモンドペンダントや指輪などは本当のスター商品でした。グレードに関係なく、【1カラットのダイアモンド】という言葉に価値を感じられるお客様がとても多かったことを覚えています。そして今現在、1カラットダイアモンドを探すお客様は本当に少なくなっており、そういう需要自体が少なくなってきたのかな?と感じています。またそれと同様に、高額な質のいい宝石(←様々な)に関して、日本人の多くの方が余り興味を示さなくなったような・・・。もちろん宝石が大好きすぎる人もいますが、全体的な絶対数が減少している気がするという意味です。
【以下 私の妄想で事実ではありません】
私にとって、「結婚する時にダイアモンドリングを渡す事」は、当然の事であり使命(=やらなければいけない事)のようなものだったと思います。
そして20年も時が流れると、その当たり前だと思っていたことが、実は単なる流行であり、その流行りの中で出来た固定概念が文化として根付いていたのかもしれないと感じています。今時の結婚ってどのくらいの割合でダイアモンドリングを渡すのかな?。渡さない人もいっぱいいそうな気がします。
考えてみれば、40年前の流行として、お嫁にいく時に着物を持たせた文化がありました。そしてまた、その更に前ではお嫁に行くときに箪笥を持たせるという文化もあったようです。例え話の視点が完全にズレているますが、言いたいことは文化の話です。流行や固定概念から生じる風習を文化とするのであれば、文化はその時代ごとに変化していき、その変化が新しい常識を生むのでしょう。箪笥も着物も今時では持たせないし、もしかしたら「結婚=ダイアモンドリングを渡す」という文化が既に変化しているのかも。何となくですが、「結婚する時はダイアモンドを渡さないといけない」という意味不明な使命感そのものが、もしかしたら誰かによって植え付けられた固定概念のような気もします。私も結婚する時ダイアモンドリングを渡しましたが、20年以上その指輪を見ておりません。因みにプラチナの婚約指は夫婦揃って「無くした派」です。指輪を買わずに海外旅行にでも行って、思い出作りをすればよかった・・・・というのは今だから思う感覚なのかしら?。
何故かは知りませんが、ソーティングの話からとんでもない方向に話が変化していきました(笑)。一体何を書こうとしていたのだろう(反省)。いつもの事ですが、書きたいように書くと曲がっていきます(←性格が曲がっているのでしょうがない!)。修正するとまた時間がかかるので、このまま終わりたいと思います。読みづらくてすみません。次回の更新でダイアモンドのグレードを決める部分に触れたいと思います。ちょうど目の前に教材のあるうちに写真だけ撮っておきますね。
本日は以上でございます。
2021年08月16日
鴫原質店の弟さんです。
お盆休みという名の世間一般で当たり前となっている長期休暇もなく、毎日セカセカと作業に没頭し続けただけで、今年の夏はもうすでに終わってしまった感じがします(哀)。そしてこのブログも前回の更新から2週間が経過している事に気が付き、少しだけ時間を割り当てて、イソイソと更新します。最低でも週一回の更新を目指していますが、やる事が積み重なっていると2の次になってしまいがちです。
丁度いい事に、先月末の買取品にクルーガーランド金貨の1/2オンス君がいました。
この金貨に関しては前に1/4オンス(こちら))と1/10オンス(こちら)を取り上げた事があり、金貨の特徴なども以前に詳しく説明しているのでご興味があればリンクを確認下さい。
ちょっと違った点は見た事もないケースがついている事。
1/2オンス君専用のケースのようで、しっかりとネーミングがされてます。そしてまた、誰かにプレゼントする為のようなメッセージカード(?)のようなものもついておりました。初めて見たし、恐らく今後見る事も無さそうなので気が付いてよかったかな。
コインの表面にはいつもと変わらず、トランスヴァール共和国の元大統領ポール・クリューガーの肖像です。でも前に紹介したコインと比べると顔がでかくなっています。
重さが増えるとコインの直径が大きくなるので、1オンスのコインの顔はもっとでかいのでしょう・・・・、美しい女性の顔ならいいけどなんだか魅かれないな~(笑)。
裏面にはスプリングボック君!。
アンテロープの一種とされていますが、南アフリカのドラケンスバーグ山脈などを中心に生息する美しい羚羊(レイヨウ)さんのようです。牛なのかヤギなのかは知りませんが(←アンテロープです)、とても高くジャンプできる動物さんみたいですね。興味があればグーグル先生で「スプリングボック ジャンプ」と画像検索してみて下さい。飛び過ぎるところは少し笑えます。
そしてこのコインの重さはは17.0g。
コインの金品位は22金なので、15.55グラムの金と1.45グラムの銅で合成されており総計で17.0gという感じかな。金貨の通例として、1/2オンスのコインの重量は31.1グラム/2=15.55グラムで造られるますが、このクルーガーランド金貨だけは使われている金の重量を刻印している珍しい金貨です。
という事で簡単ではありますがクルーガーランド金貨1/2オンスの紹介でした。クルーガーランド金貨は4種類の重さで発行された金貨ですが、このブログで取り上げてないものは1オンス金貨を残すのみです。暫く前に見た事はありますが、最近ではとにかく少なくなってきたように思えるので、コンプリート出来るチャンスがこればいいなと思います。
とはいえ、1オンスになる事でコインの重さと直径が大きくなるだけで、違いといえば重量表示が1OZ表示になる事と、大きなスプリングボック君に出会えるだけの事。更には表面のおっちゃんの大きな横顔は見なくてもいいので、「1オンスコインが見たい」とは思っていませんが、もし手元にくることがあれば取り上げたいと思います。
本日は以上です。
2021年07月27日
鴫原質店の弟さんです。
日々の作業が膨大に積み重なっており、ブログの更新という感じの状況ではなく放置してしまいました。この状況は暫く続きそうなので、今回は暫く前に一度アップした後、一日で公開を止めた私的な日記を再公開させて頂きます。一応定期更新を目標にしていますが、今回は繋ぎということになりますかね。
さてさて、今回の内容は随分前の休日日記です。気づけばこのカテゴリーは、前回の更新から随分時間が経っています。月2回の更新目標はどこにいった?(汗)。とはいえ、コロナ渦の関連で外出や外食は控える生活を続けており、子供と公園にいく以外はあまり変わった事をしていないので、書ける事がないのも現状。そんな中ではありますが、とある休日に家族で「お食い初め」のお祝いをしましたので、今回はそれに関して書いてます。
この日(どの日だ?)は、ドチビの「お食い初め」の儀式をおこないました!。(パチパチパチ=拍手)
数日前に楽天市場で注文した鯛(手抜き?!)を中心に、ハマグリの汁物や赤飯を【自家製】で作り神棚に納めます。「ちゃんとしました!」的な記念撮影をした画像があって良かった。おかげでブログが書けます‥‥。因みに【自家製】と強調しましたが、私が料理したものではなく奥様が愛情を込めて作った料理です。
ウィキペディアで調べてみると「お食い初め」は平安時代から続く儀式のようですね。
一汁三菜(いちじゅうさんさい)の祝い膳(いわいぜん)を用意して「一生涯、食べることに困らないように」との願いを込めて食事をする真似をさせます。やってる方は意味不明な充実感がありますが、小さな子供にとっては迷惑な話でしかありません。
子供に関連した行事で昔から続く伝統的なものは多いですが、それらを繰り返し何度か経験し、その場で見てきた事や感じてきた事が累積して、私独自の怪しい思想にいきつきました(←いけない発想です)。それはこのような行事が昔ながらの祈りや願いという枠を超え、親の自己満足感の為にしっかりやっているという事。「お食い初め」は子供にとっては優しい儀式ですが、1歳の誕生日にする「一升餅」は幼児虐待のような感じがして胸が痛いです。何故に足が弱い小さな赤ちゃんに重たい物を背負わせて転ばせるのか。3歳の時の七五三では、言う事を聞かない子を怒鳴る親御さんを何度も見てきました。衣装が汚れるとか時間の都合とか本当に色々な要因はありますが、結果して子供の為のお祝いである事を忘れがちです。私自信も「子供なんてそんなもんだ」と色々許せるようになったのは数年前からで、上の子供の時は色々と叱ってしまった後悔がいつまでも残り続けています。
夕食はお祝い事という事もあり「回るお寿司」をテイクアウトしました。
結構な量に見えますが5人分なので丁度いい位です。「お食い初め」って子供の為のお祝いですが、このお祝い事を楽しんでいるのは親に他なりません。ちなみにこれははま寿司(はま寿司公式ホームページ)さんのお寿司です。宣伝ではありませんが、テイクアウトのシステムがとても便利でお勧めです。
更には食後のケーキ。
一応頭数は揃えて6個ありますが、赤ちゃんは食べる事ができません。繰り返しますが「お食い初め」って子供のお祝い事ですが、楽しんでいる又は満足しているのは親に他なりません。残った一つは誰のお腹に入っていくのかな?。
そして次の日、朝食を食べていると冷蔵庫を見た奥様が「あ~~」と奇声を発しました。
「だすの忘れた~」と冷蔵庫から取り出したのは煮物。一汁三菜の欠けていた1品のようですが、「いいんでないかな」と本心で言いました。そしてこれも本音ですが、誰にも迷惑はかけておらず親の自己満足がほんの少しだけ削れただにすぎません。(このブログは奥様もたまに見ているので、喧嘩にならなければと願います。)
前も書いたことがありますが、歴史上の統計で子供の出生率が極端に低い時に新しい命を授かりました。
そしてあまり見向きされない恐ろしい現実があります。2021年以降、昭和47年生まれから続く「団塊のジュニア世代」が50歳となり、それに私も含めた年代が数年後にそこを通過していきます。国立社会保障・人口問題研究所の人口将来推計によると、来年(2020年)には、日本の女性の過半数(2人に1人)が50歳以上になり高齢化社会が加速します。今の時代では「40歳代」は男女ともに若い世代と位置づけられ、実際に質屋組合でも消防団でも地域のおやじの会でも、私は最若輩の一人です。この傾向と考え方は我々世代が生きている間続いていき、恐らくは「50歳代はまだまだ若造」→「60歳代はまだまだ若い世代」→「70歳代はまだまだ働き盛り」といつまでも永遠とシフトして続いていくのでしょう。
それに関連して社会も大きく変わっていきます。今現在の宮城県の人口はだいたい230万人で、65歳以上の人口が63万人らしい。単純に考えても近い将来に市町村として成り立たなくなる地域が、東北地方では多いと簡単に想像できます。経済とか社会情勢とかの情報が好きな私ですが、この子が成人する20年後の日本の状況とかを想像すると凄く怖くなります。お店とか会社とか、商店とか町自体とか、いったいどのくらいの割合で変化するのか想像すらできません。
直面する問題では近くの小中学校が廃校にならない事を心より切に願います。宮城県の公式ページで定期的に更新される情報を見る事ができますが(「設置・廃止等学校一覧」)、比較的近い地域の学校が閉校されるというニュースを見ると異世界の話ではない事を改めて実感します。
本日は以上でございます。