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最近の金相場と今後についての私的妄想

鴫原質店の弟さんです。

約ひと月ぶりのブログ更新でございます。定期更新とは一体なんだろう・・・・か(反省)。意味不明なウィルスのせいで世界中でとても大変な状況が続いていますが、当店ではとにかく忙しく動いており、何とか仕事は遂行できているかもしれないという感じが続いています。忙しい事はいい事だ!。関係している皆さまに感謝申し上げます。

今日は週末の土曜日という事もあり「何か書こう」と時間を取る事に。当店の若いスタッフが興味を持っていそうな金相場について書いてみます。取り合えず最近の金相場のグラフを田中貴金属さまからお借りしてきました(出所及びホームページはこちら)。 最近の金相場チャートこのひと月、国内金相場は上昇が続いているのが一目で分かりますね。特に最近では円安ドル高(1ドル114円)の傾向もあり、国内金相場を後押ししています。

その影響なのかは知りませんが、当店の買取も増えたように感じています。最近お店で買った沢山の金どうせ売るなら高い時に売った方がいいですしね。金を売るなら鴫原質店へ!。高価買取、見積無料、駆け引きは一切いたしません!。よろしくお願い致します(ちょっと宣伝チック)。

店頭でお客様から「これから金は上がるの?下がるの?」とよく聞かれますが、大体の場合は「それが分かれば仕事辞めますよ~」なんて笑って返答したりします。実際に私ごときでは短期相場なんて想像さえできません。それでも個人的に経済ニュースが大好きな私は、色々な指標や海外の出来事なども時間の許す限り見ております。その知識が正解かどうかなど知りませんが、少しだけお客様の要望に応える形で金相場に触れてみたいと思います。1年間の金先物チャートこれは1年間の金先物チャートをお借りしてます。短期的な上下はありますが、この一年間で言えば結構安定した相場になっていたように今では思えます。下限が¥6,000円から上限が6,750円位のレンジ相場に見えるので、超短期的な見方では、恐らくもう少し金相場が上がり「上値」を大きく抜けない限りは、ちょっとずつ反落していく可能性が高そう‥‥かな(←分かりませんが!)。レンジ相場の「上値」を抜けたら状況は変わるかもしれません。もちろん南海トラフ地震や今ニュースを騒がせている各国で抱える問題が大きくならなければのお話で、結局は「私ごときでは分からない」のが本音。っていうか、そんなの分かる人はいないと個人的に思ってます。分かってたら働きませんし(笑)。

長期的にはどうなんだろう、という事で【とってもいい資料】があったのでヤフーニュースよりお借りしました。日刊工業新聞様が作成した資料のようでヤフーニュースに掲載されいます。元記事は「こちら」ですが資料のみお借りします。金利と金相場の相関関係難しい事には触れませんが、歴史的にみて金の価格と主要国(現在ではアメリカ)との実質金利は密接な相関関係があります。金(GOLD)は確かに金銭的価値が保証されていて資産としての魅力も強いですが、それ自体が増える事もないですし、利息や配当が貰える訳でもありません。その為、実質金利が上がると金相場は下落する傾向がグラフからも分かります。分かりやすい言い方をすると、例えば銀行の定期預金が年利5%なら金を持つより定期預金組んだ方がいいですよね。金を持っていても増えないし、利息貰えないし。そういう意味ではアメリカの実質金利が上がれば、金相場は相対的に下がっていくのかもしれません。長期的な展望で言えばそんな説(そんな見方)が有力なのではないでしょうか。完全に投資関連の話になってきたのでこの件はここで終わります。

短的であれ金相場の上昇により、買取品の中には通常とは異なる品物が多く目につきます。店で買取った金の画像インゴッドや重量のあるチェーンや板材など、普段多く見られるいらなくなった宝石ではありません。相場を見て処分された方の存在を少なからず感じてしまいます。尚、少し裏話ですがこのインゴッドは日本で最も有名な大手の金属屋さんと競合し、損する可能性を覚悟の上で日本最高峰の地金屋さんを越える価格で買ってしまいました。金相場がそこから上がったので何とか利益を出せましたが、バイヤーが頑張り過ぎるのは会社的に問題ですね。逆にお客様にとっては「金を売る時は鴫原質店がいい!」となるので良い事にしておきましょう!。

本日はわざわざ福島県からご来店されたお客様に沢山の金を売って頂きました。特殊な金の材料何屋さんかは聞きませんが、一般の方が持つ意味もない24金板材や18金ロウ材と、その他にも宝石を11点程譲って頂けたので感謝してます。「まだ沢山あるから今度持ってくるね」と言って頂いた(実話)ので喜んで頂けたのかな。こんな時は対応している側も仕事のやりがいや喜びを感じます。

上の画像でも分かりますが、18金のロウ材が沢山あります。18金のロウ材これは触り方を間違えると痛いし刺さるし、若干危険物!。取り合えず全てをビニールから出して纏めておいた方がいいなと思い輪ゴムで縛りました。18金のロウ材で出来たほうき18金の「ほうき」の出来上がり!。店頭に商品として出せるかも(笑)。とは言え45グラムもあるので、売値は27万円にもなってしまい、売れる気が全くしませんね。他のスタッフは金の泡だて器と言っていましたが、これでホットケーキでも作りましょうか‥‥?。こんな感じで少しだけ皆でワイワイと遊んでみました。

金相場の話で始まっているので、相場の話に戻します。色々な指標があるにせよ、10月7日に米国債10年利回りが1.6パーセントを越えた時、個人的には「いよいよヤバイかも!」と思った事を痛烈に覚えています。とはいえ、長年見てきた感覚で言えば、自己の推測など当たる事は稀です。ましてやその「推測」で会社の方針を決定できるはずもありません。当店でも金製品の在庫を沢山抱えているので、個人的には金はどんどん上がって欲しいとは思いますが、個人の推測や思いや想定ではなく、世間一般の相場で会社の方針を導き出すのが現実です。相場が下落すれば買値も売値も安くなりますし、相場が上がれば買値も売値も高くなるだけの話。どんなに何を調べても、結局は相場に準じてやり続けるだけでしかありません。

絶対に売れないと思われる金製品は、短期相場を見てさっさと売ってしまおうとは思いますが、残念ながらその感覚こそが所詮は個人の推測や想定による避難意思でしかないのです。会社経営など、そんな推測でやってはダメな事なので、最終判断は社長様が責任を持ってやるのでしょう(笑)。そんな理由で「今後の金相場はどうなりますか」と聞かれた場合、「そんなの分かったら働きませんよ~~」と笑顔で(←これ重要)と答えてます。政治や政策の話になると、とてつもなく話が長くなるし、結局は「分からない」のが現実です。今後の金相場、ほんとどうなるのかな~(本音)。

最後に、最近の経済ニュースではアメリカのテーパリングやら利上げやら債務上限などというニュースが多くなってきました。世界中の注目がアメリカの中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(通称FRB)の政策発表に目を光らせていますが、このような流れに金相場が大きく影響するのは間違いありません。完全に趣味の世界になっておりますが、お酒を飲みながら世界のニュースに耳を傾け続けようと思います。経済ニュースとお酒が合わさると、すぐに寝れる最高の組み合わせで皆さまにお勧めしたいです。今日も長くなってすみません。そろそろ仕事します!。

本日は以上でございます。

【追記します(10月18日)】
これを読んだ娘が「金はこれから下がるんだね」と言ってきました。「そのようには書いていない」つもりですが、そう見えますかね?。「私は分からない」と一生懸命書いたつもりだったのですが、補足で少し書き足します。

インフレが今後も高まり続け、実質金利がマイナスになるようなことになれば、投資や資産を守る意味で金(GOLD)にお金が集まる可能性はあります。「実質金利」とは10債利回りから10年先期待インフレ率を引いた数値(だったような?)で決まりますが、実質金利がマイナスになるとお金は持っているだけで価値を失う事になります。実質金利が大きくマイナスになればお金の価値は下がる(物の値段は上がる)一方ですから、貨幣を金に換えておくという選択がでてくるのかな。実際に最近ではベネズエラ国内でハイパーインフレ現象で紙幣が紙くず当然になり、100万分の1に切り下げる(デノミ)政策を行いました。そのような場合に金(GOLD)を持っていると多少の上下はあるにせよ、自国通貨が大暴落しても、世界相場に合わせた金を持つ事で資産を守れるという訳です。そういう視点で相場を見ると金(GOLD)価格が上昇する可能性はあるのかも。過去を見るとオイルショックの時に同じような現象が起きたようで、その時の金価格は1ドル約40ドルから約10年で870ドル位まで暴騰したようです。10年間で約24倍という恐ろしい暴騰ぶりです。このように通常ではありえない状況を考えて、資産のほんの一部を金(GOLD)で持つのがいいとされています。ただこれは莫大な資産を持つ人の資産論のように感じており、私などには何の関係もない話です。

また金相場は世界中で売買を繰り返した結果として相場があるだけで、一般庶民など想像もできない色々な思惑がある事が想像できます。国家予算規模での金の購入などもあるのでしょう。そういう意味で、1個人が金相場のこれからを知る事などできる訳がないと思ってます。とはいえ直近で金属加工会社(例えば5706 三井金属)などの株価が上がっている事などを見ると、金(GOLD)に注目が集まっているように感じています。

主に中学校の社会の勉強で習う「金利」と「インフレ」のお話ですが、投資関連にも結構関わってくる部分なので、正直触れたくありませんでした。各国の中央銀行が自国通貨を守る為に色々な政策をとっており、そのような政策(主に金利)が金相場に大きく影響するという部分が触れたかったところです。経済の安定が中央銀行の仕事なので、上手に切り抜けて頂きたいと思ってます。尚、私は投資家でも先生でも経済学者でもなく、ただの質屋業務の従事者です。仕事に関わる事なので一応昔勉強した事がある程度の知識で、正しい事を書いていない可能性があります事をご承知おきください。

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