2022年06月11日
鴫原質店の弟さんです。
今回はお店で買取させて頂いた品物でいい感じの時計があったのでご紹介させて頂きます。
それはグランドセイコーの「4520-8000」(茶色ベルト)と「6145-8000」(青色ベルト)の2点。セイコーの型番に関して簡単に触れると、「ハイフン」の前が搭載ムーブメントを表しており、キャリバー「6145」は1968年に造られ国内で初搭載された自動巻き10振動ムーブメント。そしてキャリバー「4520」はそれに続いて発売された10振動の手巻きムーブメントです。
「10振動って何よ?」と思う方もいると思うので補足すると、時計の心臓部であるテンプ(振り子のような部品)が1秒間に5往復(10振動)する事を意味し、1時間になんと36,000回も振動する、とても忙しそうで働き者の構造をしている心臓(ムーブメント)の事です。現在の機械式ムーブメントは28,800(8振動)が主流で、それを超えるものはハイビートと一般的に呼ばれています。良い面としては「安定的に高い精度を出し易い」、悪い面としては「部品の消耗や油切れが早い」というところかな。時計に愛を感じる方の中には、全力で動き続けるハイビートの音が好きな方も多いのではないでしょうか。
それでは「4520-8000」の方から見てみます。
GS文字の下に刻まれた「HIーBEAT」の文字が特徴的かな。私よりも年寄りな時計に全く見えず、グランドセイコーのデザインがどれだけ先進的だったか思い知らされます。
裏蓋はこんな感じ。
シリアル番号の最初の一文字は西暦の一桁を表しており「〇〇〇8年」に造られた事を意味し、ムーブメントの製造時期から推測すると1968年に製造された時計だと分かります。そしてシリアルのその次の文字は製造月を表しており、9月に製造された子だと判明します。つまりこの子は今年の8月で54歳になるんですね。ハピバ~(笑)。
そんなにお年を召されていても今時の若者達と見た目はあまり変わりません。
時計の裏の金色GSメダルや「SEIKO」ロゴが大きく違う点かな。この部分を見れば「おっちゃんか!?」って判明する分かり易い特徴かもしれません。
折角なので裏蓋を開けてムーブメントを拝見させて頂きましょう。
搭載されている25石ムーブメント「Cal.4520」は、当時のクロノメーター規格よりも、精度を更に追及して製造されたという話も有名で、それは「グランドセイコー規格」と呼ばれているようです。機械式時計の精度はこの時すでに完成に域にあったのかもしれません。ムーブメントには個体ナンバーが記されていて、当時の最高級品の一つであったことが想像できますね。なんか夢があるお話です。
ムーブメントのあちこちに傷があるのが少し痛々しいけど、これも今まで頑張ってきた証かな。
54年の間に何度(そしてまた何人に)この姿を見せたのか分かりませんが、ネジを外せばネジの頭が歪みますし、ピンセットで摘まめばその部分に傷がついていきます。オーバーホールは時計にとって大切なメンテナンスである一方で、こういう小さな傷が増えてしまう可能性が必ずあるという事を、多くの方は知る由もないのが現実です。傷など付けずに組み終えるのは理想ですが、ドライバーが滑るだけで傷は刻んでしまうもので、無傷で終わるって本当に難しい事だと思います。そして、そんな傷の一つ一つもこの時計が生きてきた証だと感じてしまいます。
最後にウォッチエキスパート2君に心音を計測して頂きます。
「日差」や「振り角」などを見ると調子はいまいちで、要するに整備が必要な状態。左上の「+20」は1日20秒進む事を意味しますが、ハイビートのムーブメントなら±5秒以内の調整も可能だし、そもそもにして「振り角」が少なく、ま~油切れやらゼンマイが下手ってるなどが考えられる状態ですかね。時計内部の状態を見る為に「カチカチカチ」という音をスピーカーで聞いていましたが、私の背後で仕事をしていた社長さまが「それハイビートなの?」と反応しました。一心不乱に動き続けるハイビートの心音は本当に快適で特徴的です。
次は「6145-8000」をご紹介。
前期モデルと後期モデルがあり、GSの文字の下に「HI-BEAT」と書かれたこの子は後期モデル。その部分に「GRAND SEIKO」と表記されているのが前期モデルになり、前期モデルの製造期間は僅か数カ月で個体数はとても少ないようです。シリアルから読み取れる情報として、この子は1969年8月生まれの53歳という事。やっぱりもうすぐハピバ~ですね。
国内で最初に搭載された自動巻き10振動ムーブメント「6145」を拝見しようとしたところ・・・。
完全固着して裏蓋が回りませんでした。アンティークあるあるってやつです。このような場合、専用薬液をピチピチと垂らしながら地道に開ける努力をする他ありませんが、当店にそのような設備が無いので、今回は諦める事にしました。本当に残念です(涙)。
この腕時計達が製造されていたまさにその1969年、セイコーは世界初のクオーツ(電池)式腕時計を発売しました。電池式時計の小型化に成功し、腕時計の世界常識を塗り替えてしまいます。それによりクオーツ機構は世界中に広がり、誰もが手に入れる事ができる手ごろな価格で、正確な時を刻む腕時計が手に入れられるようになっていきます。時計の歴史の中で「クオーツショック」と呼ばれる程大きな出来事であり、それにより機械式時計のメーカーに大きな打撃を与えることになっていきます。もちろんその中にはグランドセイコーも含まれておりました。※グランドセイコーのホームページ(こちら)から一部引用しており、ストーリー3の部分で書いてある出来事です。
このような歴史などと見合わせても、今回紹介した2つの機械時計は大きな転換期に製造された貴重な時計であり、現在の時計技術は半世紀も前に確立されていたものだと分かります。現代における腕時計の大型化や超高級化と、機械時計の衰退と復興の物語は、腕時計に求めるニーズの変化による影響のような気もしており、とても興味深い事に思えます。正確に「時」を刻む為に四苦八苦しながら発達してきた技術が、クォーツ時計の登場により存在意義そのものを失い、機械式腕時計に新たな価値を与える必要があったのかもしれません。そもそもにして、腕時計って何の為に使うのだろう・・・、そんなことを考えさせられてしまいます。
本日は以上でございます。

こちらは地方自治法施行60周年を記念して平成25年に発行された宮城県の千円銀貨です。発行年度は違いますが47都道府県バージョンが造られており、各県のデザインは造幣局のページ(
英語表記になっていて外国人観光客に売れないかな~と考えてしまいます。右下に撮影場所と思われる「岩井崎(気仙沼市)」と表示されてるのいい感じですね。
光のページェント(仙台市)と右下に書かれておりました。やっぱりここも裏面は英語表示です。
表面のデザインは「伊達政宗と慶弔遣欧使節船」という事。伊達政宗って眼帯をした独眼竜というイメージが強いので、「あれ?」と感じたのは私だけでしょうか?。そしてまた、これは千円貨幣なのですがカラーの貨幣って初めてみるような気がします。なんかカッコいい!。
こちらは全国共通のデザインで【日本の四季の代表的な自然美である「雪」「月」「花(桜」を環状に循環するように構成しています】という説明がありました。後程その説明部分の画像を掲載させて頂きます。
角度を変えると「60」と「47」という文字が薄っすら浮かびます。地方自治法施行60周年記念と47都道府県から採用した数字と仕掛けでしょう。画像で確認しづらいのは私の写真撮影技術が下手糞なだけで、実物はもっと鮮明に数字が浮かび上がります。日本の貨幣の造りは本当に凄いといつも感じています。
青葉城とページェントと松島海岸の写真が採用されていました。何故かは知りませんが「ホッとする」のは地元民だからかな?。この3つに関しては知名度の高い観光要素だけど、表紙の気仙沼に関して、どういう意図で採用されたのか興味深いですね。
上で説明している部分はこちらに書かれていたことをそのまま書き出しています。
ここでは記念銀貨の説明が記されており、純銀の31.1グラム、直径40ミリ、発行枚数10万枚の銀貨でる事が分かります。造幣局の公式ホームページ(
若手スタッフM君が今回も頑張ってくれています。約2分間の放送に使う素材の撮影時間が約2時間ですので、番組収録の大変さをシミジミと感じます。関係する方々へ心より感謝してお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。そして来店されたお客様を優先して頂き、撮影開始時間を遅らせてしまった事を深くお詫び申し上げます。
八木山は仙台市内中心部付近にあるところですが、「大正時代以降に、地元の商人である八木氏がここを所有し、行楽地や住宅地として開発したことから、八木山と呼ばれるようになった」(←ウィキペディアからそのまま引用)との事。そんな山を「かぶっている」という発想が面白く、「やまヤギ」君の頭の角は山の頂上に建っているtbc東北放送の電波塔なんだろうな~と私は想像しています(←事実か知りません)。ネーミングも姿も全てにおいてセンスいいな~と感じたので「やまヤギ」君が好きになってしまいました。ぬいぐるみがあれば欲しいな~。
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