質屋のスタッフブログ
2025年07月07日
鴫原質店の弟さんです。
お店で買取りさせて頂いたアクセサリーに、無意味な私の好奇心が引きつけられました。
思考回路が少し怪しい人間である私は、その品物から感じた何かで一人で勝手に空想劇を繰り広げる妄想癖があり、くだらない話ばかりですが思った事を取り上げたいと思います。
こちらがそのお品物で、箱に書かれてるのは「LANVIN」(ランバン)という文字。
ご年配の方なら馴染み深い名前かね?。PARISとの記載がある通り、フランスのファッションブランドです。
お「フランス」ぅ~を感じるエレガントなデザインだ。
「モノの価値=売った場合の金額」という概念が現代の市場心理にある中で、「すぐ売れる=剥離で扱える」とか「全く売れる気がしない=必然的に粗利率が高くなる」という資本主義市場における原理を垣間見ても、売主と買主の両方にとって、この中古アクセサリーに「今時における価値感」は無さそうです。「一生物」と過去に呼ばれてた伝統工芸品などの高額品達は、そんな市場心理により、その存続価値が薄れ続けてるのも一つの事実であり、少し悲しい現実でもあるのかな・・・。
このアクセサリーに魅かれたのは、裏側で「ひっそり」と主張してる文字とその背景について興味が湧いたから。
LNAVIN「GERMANY」(ドイツ)との刻印が、化粧箱に刻まれた「PARIS」との関係性が面白い。「イタリア製」とか「フランス製」をブランドとして認識していた時代を空想し、「フランス製のお洋服」や「イタリア製の高級家具」などが人々の興味に触れていた時代もあったようです。そんな感覚が世界の常識なのか、それとも島国特有の異国に対する憧れか、どっちなんだろう?。昭和中期の時代に実在した「日本のハワイ」→「新婚旅行は熱海へ」というフレーズを見るに、まだ見ぬ海外への憧れも強かった可能性を個人的には空想してしまいます。事実なんて知らんけどね。
そしてコレ、西ドイツ製!。
学生の頃に学んだはずの1989年の出来事の後、この言葉は日常では見る事が無くなりました。学生の頃は「つまらん!」と感じながら、テストの点数の為だけに学んだ事柄も、最近はホントに興味深く、楽しみながら歴史を見つめてます。はっきり言いきりますが「歳」なんでしょうね・・・(哀)。「に~~~しドイツが破裂した ボン!」って地理の勉強で覚えたのを思い出すわ~~。(※)当時の西ドイツの首都がボンという都市でした。
この品物をみた後、ドイツの歴史をサラリと読んでみましたが、「マルク」という2002年に廃止された貨幣に関してほんの少しだけ学びました。深堀なんてしたくない「戦争」という特殊な状況を完全に切り離しますが、困難な状況回避を目的にした計画性のない通貨発行量増加がインフレに繋がり、社会的不安の増大と政治混乱と庶民貧困化を招き、そしてインフレは隣国へと波及して、派生した社会不安から局地的な紛争へと広がっていく歴史を垣間見る事ができます。この数年間、海の向こう側でおきた出来事と、100年前の出来事との似てる部分だけを観察しても、色々な事を考えさせられました。そして、初めて知った「レンテンマルクの奇跡」という政策も興味深く、新通貨「レテンマルク」を発行して、従来の1兆マルク(旧通貨)を1レンテンマルクとして交換・・・・・したらしい。その後も政策は色々続くけど、一つの事実としては、旧通貨マルクの通貨価値をほぼゼロにしたようです。そんな時の資産防衛対策として、国の政策に影響されない不換紙幣(金・銀・プラチナ・仮想通貨等)が注目されるの理解しますが、雲の上の方々の聡明なかじ取りに期待し続けるのみですね。
お金でモノが買えなくなった国の通貨に興味を抱き、色んな事を学んだここ数年。通貨価値存続の前提などの学問的な要件が多かった気がするけど、7月3日、遠い遠い海のはるか向こうの先進国で起きた2度目のトリプル安(通貨安・株価安・債権安)は、「それだけで・・・そうなるんだ」という驚きがありました。今月は国内の今後に影響する大事な一大行事が進行中で、日本国債の金利や為替がどう動くか、自学自習を兼ねて考えてたりもします。もう既に、中長期国債の金利が上昇し始めてるの理由は恐らく・・・。そして複合要因はあるにせよ、為替は・・・どうなるんだろう?。
いつもの事ではありますが、何故にアクセサリーからこんな話になったのか・・・【謎だ】。ま~思ってる事をバチバチ~バチ~~って書いて、ちょっとだけ構成弄って、誤字脱字チェックをする程度なんで、所詮ブログって事でお許し頂ければ助かります。さて、今日は令和7年7月7日の七夕で願いが叶いそうな気もするから、世界平和をしっかり祈って終わろうかな。ど~か平和でありますように。
本日は以上でございます。
2025年07月02日
鴫原です。
更新が遅くなりました。今回はコピー品(偽造品)編です。
タイの街を歩いている人々をみるとシャネル、ヴィトン、ゴヤール、グッチ、そしてロレックス、とブランド所持率が非常に高く驚きです。
日本人もブランド品が好きですがタイの方々ははそんなものじゃなさそうです。
そしてタイの街を歩くとコピー品専門店?が至る所にあります。
*ここは以前は風俗街だったところが浄化作戦により風俗店が姿を消し、今ではコピー品街となったそうです。
露店だけではありません。
*ある大型ショッピングモールの1Fフロアの8割はコピー品専門店でした。
*露店で売っているのは出来が悪いものが多く、酷いものは5m離れていてもコピー品と分かります。
藤田さんとタイでお仕事をされ長期滞在している山本さんにお付き合い頂き、コピー品のレベルを調査することにしました。山本さんは何十年もタイでお仕事をされており、タイ語もペラペラです。
ここからは写真を撮れる状況(勇気がないだけです)ではないので文章だけとなります。
露店ではなく店舗型のコピー店に入りましたが、あまり出来はよくありません。
怖そうな店員さんにもっと出来の良いものが無いかと尋ねると、ついてこいとのこと…
『最近タイでは拉致が流行っていると聞いたけど。拉致されたりしないよな…』と恐れながらもついていくと、別の店舗に案内されました。
確かに先程の店よりは出来が良いものが並んでおりますが、当店にも頻繁に持ち込まれるコピー品レベルです。
先程の店員さんと比べると、このお店の店員さんはにこやかで話しやすそうな方です。
再度、もっと出来の良いものは無いかと尋ねました。
一瞬、店員さんの目が輝いたのを僕は見逃しませんでした。
「ついてきて」と言われるままについていくと隠し扉が開き、案内されます。
隠し扉の先には防犯カメラを写したモニター等がある事務所風のところでした。
『ここでコピー品を見せてくれるのかな?』と思っていると鏡がドアのように開き、更に奥に案内されます。
二重の隠し扉の先には階段があり、それを登っていきます。
『やっぱり監禁かも・・・』と思いながら階段を一段一段登っていくと・・・
一階の店舗の倍はある広さの部屋に沢山の品物が並んでいます。どうやら拉致ではなさそうで安心しました。
エルメス、シャネル、ルイヴィトン、ディオール、グッチ等の人気商品が所狭しと並んでいます。
先ずは一番出来の良いバーキンを見せてもらいます。
店頭で査定するように隅から隅まで見てみてもかなり出来は良く、熱心にコピー品の勉強をしていない人なら本物と思うレベルです。
ただ、私が今までみてきたコピー品の中でかなり上の出来ではありますが、最高ではありません。
私「このバーキンはいくらですか?」
店員さん「15万円だよ」
私「もうすこし出来の良いのはないの?」
店員さん「よく知ってるね!最近入ってこないんだよね。でもこれで十分だよ。大阪の●●の○○なんか500万円分も買っていったよ」
15万円という単価も驚きだけど、500万円分って…その品物の先の流れはどうなるのでしょうか?
次は時計を見せていただきます。
数点見ても良く見かけるレベルの出来です。
時計はあまり得意じゃないのでしょうか。
続いてはディオールのブックトートです。4種類あり、面白いことに価格により出来が違います。
以前搾取問題でニュースにもなりましたが、こういう原材料が安いモデルは原価≒製作時間でしょうから、ある意味正直な価格設定な気もします。
とはいうものの、正直という表現は適切ではないかもしれません。勿論タイでもコピー品販売は犯罪で、警察も放置しているわけではなく偶にブランドの社員と警察が取り調べに来るそうです。
「先日はゴヤールと警察が来たよ」とにこやかにしゃべります。
「でも事前に情報が入ってくるから問題ないんだよね」
確かに2重の隠し扉に、事前情報があれば簡単には摘発されなそうです。
当店は全国質屋ブランド品協会(ATF)に加盟しているため毎月コピー品の勉強をしていますが、これだけたくさんの上質な(?)コピー品をみれる機会はありません。
もっと見ていたかったのですが、お付き合い頂いたお二人にも申し訳ないですし、店員さんにも申し訳ありません。
欲しいものが無いので帰りますと伝えると「また来てね」とすんなり返して頂きました。
偽物ではないけど微妙なラインのお店もいっぱいありました
2025年06月24日
鴫原質店の弟さんです。
今日は激動の10日間が意外な結末で終えて、色んな不安が吹っ飛んだ良き早朝を向かえました。始まりは先週金曜日(6月13日)の朝9時頃の事、お店のシャッターを10時に開ける迄「ぼけぇ~~」っと急激な上昇を続けた原油価格を観察。この時のスクリーンショットがコレ(上ね)で、僅か2時間で12%も上がったところで、「どうやって生きていこう・・・(←大げさに言ってます!)」などと考えますが、騒いでもバタバタしても意味がないので、ずっと見続けました。
そして本日の朝までの価格をスクリーンショットしたのが下で、世の中落ち着きを取り戻した事を改めて実感し、関係してただろう多くの方の英断に驚愕してます。
原油取引にはドルが使われる事が多く(←ちょっと前まで全部ドルだった)、米国様の今の状況とはいえ、ドルに換金する割合が必然的に多くなり、この期間のドルインデックスとドル円の動きがこんな感じ。有事のドル買いという説もある。
たった10日でこんなに円安進行で、その後は急激に円高。「原油を下げろ!」と世界中に発信していたあのお方(※人物名外します)の声を見てましたが、どうも世界を壊したい悪者には見えず、やってる事は人(米国民)の為のように感じてます。事実が何なのかが本当に分からない。
ぎゃ~ぎゃ~騒いだ4月初旬のあの日以来、大きく色々動いてるけど、ドル建てゴールドも色んなものに反応して上下し、何のネタにもならない状況です。
ただ、この10日間ほどの動き(下チャート)は、先人達が経験則から名前を決めたチャート形状から、その後の流れはルールに従っている感じ。トリプルトップからのダウントレンド・・・・。金(ゴールド)にそのような技術的なものがあてはまる理由を考えるのも面白いです。紛争拡大すればまたボン!と上がりそうだけど・・・なんとも言い難い。一応、海外大手の予想屋さんの来年度末までのゴールド(ドル建て)展望は、1オンス4千ドル付近と2.6千ドル付近と分かれてる状況です。ま~、仕事上必要な情報でもあるから、今後もぼけ~っと眺めてましょ。予想屋さん(売買を生業にしてる専門家様)でも意見が分かれるので、決め打ちは危険。中央銀行の外貨準備の話もあるけど、ドル価値が下がれば、それに合わせたリバランスでゴールド保有を減らすのが自然だと思う(←個人的に)けど、どうなのか?。考えて答え合わせを繰り返し、今後の動きには引き続き注目しておこうと思います。さ~て、今後どうなるんだろうね?。
先の事なんぞ知る訳ないけど、植田先生達のお話はしっかりと聞く私。日銀金融政策決定会合が終わりましたが、政府と日銀で長期金利上昇抑制に動いた感じあります。引締めの中での緩和策?なので何となく円安要因なのかな?。以下日銀(こちら)発表のスクリーンショットです。
「輸入物価上昇の影響が減衰」って捉え方が難しい(※誰か教えて!)。平民の私には、円の実質実効為替レートがドンドン下がり続けてる点が将来の不安で、円高に振れる分には実生活にプラスの面も一応あるのでいいけど、円安が継続的にずっと続くような流れになったら、経済理論上とる行動は一つしかない。トルコリラやペソやスリランカルピーなど、通貨価値があっという間に減った実例は最近でも多くあり、ま~ゆっくりだけど、円も似たような流れを過去10年間で意図的につくりだし、そこから抜けだすのは大変そう・・・だけど、緩和からゆっくり引締めへ転じる今後に大いに期待して円を見てたりします。この数年、何度のこの話をしてるか分からんけど、国内外来に関わらず、円高要因も円安要因も複数あり、円という通貨様の価値はユラユラ楓のように動き続けてます。通貨の運命は国と日銀政策次第なので、とても大切なんだけど、私の周りの人は誰も興味ないのよね(哀)。
今回の件も、色々メディアで報道されてはいましたが、紛争はしたくない方々のご英断で瞬間的に終わりを迎えたように見えました(※個人的に)。賛否両論がメディアという媒体を通じて入ってきますが、何が正しいのか判断するのがとても難しい時代です。受けた側の発言も報道されてたけど、事実なのかどうなのかは分からないし、ひとつ感じ取れたのは、皆が争いがしたい訳ではないようにも思えました。誰が何と何のために争ってるだろう・・・。そしてもう一つ、「有事の円買い」は起こらず、有事で通貨安に向かった事が残念で、そこは今後の日銀の活躍に期待したいところです。気にしなければ何もない10日間、気にして観察すれば歴史に残るカモしれない10日間。興味を持って観察してたけど、少し疲れた10日間でもある。そして来月からはもっと色々な事がほぼ同時にでてくるから、あの方は大忙しで、ホントに目が離せないですね(笑)。まだまだ色んな事がおきるかもしれませんけど、世界が平和でありますようにと、毎度毎度祈り続けたいと思います。
本日は以上でございます。