質屋のスタッフブログ
2019年05月23日
鴫原質店の弟さんです。
本日は質屋で使うアイテム紹介。
HOROTEC(ホロテック)社が製造している裏蓋オープナー。
(今回はしっかり使用している道具紹介ですぞ!)

これは名前の通りオメガのシーマスターの裏蓋を開ける専門用具です。
(考えてみればなんて贅沢な道具なのでしょう)
見て分かるとおり結構頑丈なつくりで、先端部分を入れ替えることでメンズ用とレディース用を切り替えます。


さっそくお店の在庫の裏蓋外してみますね。
シーマスターの裏蓋の5つの穴の場所を確認しながら、オープナーの5つの突起を入れ込みます。


横から見るとこんな感じになります。
そのまま回すとネジ式の裏蓋が開きます。防水性能を維持する為に密閉度は強いので、回すときに若干力が必要になります。
蓋ととるとこんな感じ。ムーブメントに蓋が乗っております。


この蓋はただ上にかぶさっているだけでしてちょっとしたコツで外れます。どこでもいいので横から少し押してあげるだけ。何かにハマっているわけでもなく、溝に乗っかっているだけなのですから。
間違ってもガチガチ色んな外圧を加えないことが大事。というのは私10数年前にラジオペンチなどで無理やり摘まもうとしたことがあるので経験者、そして時計を痛めた加害者です!(笑)
中の蓋を外すと構造が分かります。


ムーブメントが乗った台の回りに溝があり、そこに中蓋がおいてあるだけなのですね。でもコツが分からないと外すのは結構大変かもしれません。
このアイテムは楽天などでも売っているものですが1万円以上する高価なもの。「質屋に必要か」とか思われるかもしれないので補足しますが、オメガのシーマスターは流通量も多く当店でも中古で多くの本数を販売してきましたし、今もまだ販売しております。お客様の時計の電池交換もしますし店頭在庫の電池交換もします。使う頻度はドライバーほどでないにしろ結構使います。
電池交換をする町の時計屋さんが各地域にあると思いますが、オメガの電池交換をやらないというお店も少なからずあります。この道具がないとシーマスターさんは開きませんから。
鴫原質店はオメガのシーマスターの電池交換を600円でやっております。電池の原価を考慮し手間賃(時間給という意味)を考えると100回電池交換を受け付けても道具代にはならないような気がします。でも電池が切れたシーマスターを買い取るときなどは、すぐに電池を交換して動作確認をして適正な価格で見積もりできますし、店頭在庫の電池交換も簡単にできます。
それに私がこの職場に入る15年くらい前からこの道具はここにありますので十数年間も使用している道具です。もう十二分に購入価格以上の役割を果たしてくれました。しかも非常に頑丈なのでこの先10年以上経ってもまだ同じものを使っている光景を簡単に想像できます。
今日はしばらくぶりに愛着のある道具紹介でした。
以上
本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
時計の修理/電池交却/販売/買取は仙台の鴫原質店へ
お見積は無料ですのでお気軽にご利用下さい。
2019年05月20日
鴫原質店の弟さんです。
本日は質屋で使うアイテム。
紹介するのは「レプシ ウォッチアナライザー」です。


これは以前紹介した時計のタイムグラファー「ウォッチエキスパート2」と同様の使い方をする道具。タイムグラファー自体が高価なものなので現在でも162,000円で楽天市場などでも販売されているようです。
その特徴はスマートフォンやタブレットとつなぎ、その画面で測定データを見るということと、小さく軽いのでどこにでも持ち運びができること、場所を選ばずどこでも測定できるというところでしょうか。本当に素晴らしい一品です。
振動数、振り角、精度、拘束角が確認できるだけでもう機能的には十分すぎますが、測定時間の計測やアプリ内でのデータ管理なども可能で、まさに情報化社会のタイムグラファーというにふさわしいアイテムですね。
(言葉の意味などについては質屋あれこれの過去記事からウォッチエキスパートで確認下さい。)
お店には愛用のタイムグラファーがあるので店舗では使いません。
ですが私たち質屋さんは全国のオークション会場で時計をみて仕入れを行います。そんなときに時計の内部状況を調べることができたら!そんな思いから購入したようです。


この画像の台の上に腕時計をおいて、コードでスマートフォンとつないでアプリを起動するだけで時計のテストができるってすごくないですか!本当に最高のアイデアだと思います。
しかしながら使っておりません(涙)。
(欲しい人にとってはすごく怒られそう)
それでも「猫に小判」とか「豚に真珠」とかの意味に当てはまるとは思ってはおりません。決められた時間のなかで時計の下見をする為、一つ一つ計測する時間がないことを、この道具を手に入れて初めて気が付いたという感じでしょうか。非常に多くの品物が出品されてくる市場では、一つ一つを下見した上で購入価格の限界値を算出します。
その時の相場や外装の状態や付属品などなど。大体の場合は時間が無くてすべての出品物に目がいかないことが多いはずですが、それを時計内部にまで目を向けたら作業時間がさらに短くなります。出品されている時計を全て下見できるほどの人員と時間さえないだけです。
言い訳に聞こえますが使いたいのですが使えない感じでしょうか。
スタッフが増員され時計の仕入れにさらなる人員と力を我社が注ぐとき、この道具は非常にいい仕事をしてくれるに違いないので、それまではゆっくりと眠らせてあげましょう。
お店にあるけど使ってないアイテムが3連続続きました。(汗)
どこが質屋で使うアイテム紹介なんでしょう?(笑)
次はちゃんと使っている道具を紹介しないと!
本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
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2019年05月18日
鴫原質店の弟さんです。
本日は質屋で使うアイテム。
バッテリー&パルスチェッカー(QBC-22)をご紹介。


はっきりと申し上げますが使いません。
(じゃ~なんで取り上げたとの声が聞こえそうです!)
「質屋で使うアイテム紹介?」と突っ込みもありそうなので私は使いませんと濁します。
(最近は当店にあるアイテム紹介になってきた?)
説明書の画像を載せるので、その後使用用途を解説しますね。




上記の説明を読んでご理解いただけたように、時計をくみ上げた後の動作確認で使用するものです。言葉を変えていうと、組立したものやオーバーホールしたものの動作テストなどに使われるもでのす。しかもこれ8,500円もしたのか?


ですが私は質屋でございます。
時計の分解清掃はやりません(笑)
このままではブログの内容的につまらないのでちょっと昔話を!
全く別の話ですが、数年前に東京のある時計工房で「時計技能士2級の試験対策講座」という3日間の研修を受けてきたことがあります。この2級の国家試験に合格するには、クォーツムーブメントの分解と再組立てという課題も入っており、それらの手順を詳しく説明頂きながら実践してきました。
その内容はアルバのクォーツムーブメントを全て分解しそれを全て元通りに組立てること。
部品が少ないはずのクォーツなのですが、初めての細かい作業に私は四苦八苦の状況です。針を傷つけないように抜く作業や文字盤のセッティング、一般的なカレンダーの構造やその部分をリューズ操作で動かす仕組み、リューズとオシドリネジの関係や時計の多重構造などなど様々なことを、「きずみ」という3倍程度の拡大率のルーペを常時つけながら、実際に目の前で見て考え体験させて頂きました。
組立てのときは必要な個所に油を差し、組上がったムーブメントの電圧を測り規定値におさまるかどうかがチェックされます。油が多くてもダメですし、埃がはいってもだめですし大変な作業です。時計の油って一般的に思う「1滴」の10分の1もいらないのです。今ではいい思い出ですね。私が色々とブログに書いているもの、例えばドライバーに関する色々なことも、そこで教えて頂いた技工士の方(時計技能士の1級をお持ちの方です)に教わったものです。
時計の構造など本屋インターネットを見れば簡単に分かる時代です。ただ実際に時計の輪列(歯車の重なり)を自分で組むのは大変です。油をつける場所など一生懸命考えてここだ!などとやってみるも、結果して歯車の負荷になる部分に油が広がり、全ての歯車を油とりの液体で清掃し、それを何度も成功するまで(=又は時間切れになるまで)繰り返します。非常に簡単な構造の卸価格が200円程度のムーブメントでしたが2日間かかってやっと分解と組立が終わりました。でも最後は消費電力が規定を超えていただので、どこかしらに負荷がかかったまま組み立てたという残念な結果。油の量が多かったのだと今では思います。
話をそらしましたが、このアイテムは組上がったものをテストすること、又は分解する前に時計の悪い部分を非常におおざっぱに想定できるという便利さがあります。クォーツムーブメントの分解をする質屋さんがあればそちらではご使用いただいているかもしれません。でも当店では不要です。不調があれば速攻で時計工房に確認をお願いしてしまいますので。
だって!餅は餅屋っていうじゃないですか!(^-^)
アイテムの説明を載せてすぐ終わりのはずが、まただらだらと書いてしまいました。
もう終わりにします。
本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
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