鴫原質店の弟さんです。
今回は、「物価と賃金と日本銀行のスタンス」に関して、個人的なお勉強と思考の時間で少し硬い内容。最近こういう話が多いけど、興味の赴くままに(笑)。そして質屋ブログと位置づけられてはおりますが、一部は私のメモ帳と化しており、それが質屋と何の関係があるのかは謎です。ま~見てくれてる方がもしいたら、一緒に考えよ~って感じかな。
企業向けサービス価格指数(CSPI)
2026年7月26日、日本銀行のホームページに、企業向けサービス価格指数の6月速報値が掲載されていました。企業向けサービス価格指数(CSPI)は、企業間で取引される“サービス”の価格変動を表す物価指数ということ。消費者物価指数(CPI)や国内企業物価指数(CGPI)と並び、主要な物価指標の1つとされてるみたい。
モノ(原材料や工業製品)は含まれず、多岐にわたる事業用サービスが調査対象とのこと。たとえば「運輸・物流」「情報通信」「広告」「不動産」などが含まれるようです。実は…私は初めて意識してみる指標なので、今後の為のお勉強です(※所詮は素人サラリーマンよ!)。
まず気になったのは、国内企業物価指数(CGPI)との違い。円安や資源高の影響でCGPIが大きく上昇したのに対し、CSPIはそこまで急激には跳ねず、じわじわと追随しているように見える。モノの価格が先に大きく動き、その後にサービス価格が遅れて上がってくる。この流れは、感覚的にも少し理解できるかも。もう一つ興味深かったのは、コアコアCPIとCSPIの動きがかなり似て見え、更には動き方だけでなく、上昇水準も近い印象を受けました。
もちろん、単純に結びつけることはできないけど、どちらもエネルギーや輸入要因の影響を相対的に受けにくく、国内の賃金や人件費、需給の変化を反映しやすい指標だと考えると、似た動きになるのも不思議でない気もしてきます。ここ数年のお勉強の成果なのか、データを眺めるだけで、ふと見て気づいたり考えたりすることが増えたけど、正解かどうかは毎回別問題です。考える事と継続する事が大切だと思いたい(哀)。
もう少しこの「企業向けサービス価格指数」を深掘りしよう。今回は見やすい長期グラフを探して、「Investing.com(こちら)」からお借りします。調べてみると、国際的には SPPI(Services Producer Price Index)という呼び方が使われてるらしい。日本銀行では CSPI という名称ですが、見ている対象はかなり近しいものみたい。日本国内だけが呼び名が違うものが、意外と多い気がするが何故だ?
そして今回いちばん興味を持ったのは、日銀の利上げタイミングとサービス価格の上振れ局面を重ねて見たときの印象。もちろん植田先生たちは、多岐にわたる指標で政策判断をしてるのは理解するも、なんかいい感じで合ってるな(笑)。
金利引き上げのタイミングを重ねてみると、物価上昇圧力が高まり始めた局面で利上げを行い、その後の推移を見守っているようにも見える。もしくは、物価(CSPI)が目標以上に加熱しそうだと判断したから、先行して利上げのブレーキを踏んだ面もあるように感じました。そしてこの上昇が上振れを続けるようならば継続利上げで、このあたりの上昇率を維持したいと考えているのではないか、とも感じます。この動きは、日銀が重視する「賃金と物価の持続性」を考えるうえで、無関係ではないように思えました。
「金利操作」というと「通貨の価値を守るためにやるもの」程度の雑な理解しかなかった数年前。でも現実は、金利を上げることで需要や物価の過熱を抑え、賃金と物価のバランスを見ながら調整していく。そう考えると、サービス価格の上昇が続く局面で利上げが意識されるのも、ある程度は自然に見えてきます。勉強中のおじちゃんの理解が少しずつ進んできたカモ(笑)。
こういう新たな視点でみていると、もしCSPIが2.5~3.0%近辺で安定しているなら、企業が人件費の上昇をある程度継続的に価格へ転嫁できている状態で、賃金と物価の循環が維持されている可能性があるということ。この見方がある程度当たっているなら、今後数か月のCSPIの推移はかなり重要な要素なのかもしれない。特に8月、9月あたりの数字がこの水準感を保つなら、秋以降の政策判断を考えるうえで注目される材料の1つになる可能性はありそうです。数十日後の答え合わせが少し楽しみになってきた。
企業向けサービス価格指数(CSPI)が前年比3%前後の上昇を続けている状況は、単なる輸入コスト高だけでは説明しきれない面もありそう。仮にこれが、人件費や各種コストの上昇を企業間取引の価格へ転嫁した結果だとすれば、インフレの質が『輸入コスト高』から『賃金・人件費主導』へ変化している可能性を感じてます。
ただ、「国内企業物価指数(CGPI)」と「企業向けサービス価格指数(CSPI)」の伸び率の差が示すものは、誰かが【ババ(痛み)】を引いている環境のようにも思える(グラフの赤い線の差)。「企業の利益圧迫」か、「賃金への反映が抑えられている」か「その他」かは分らないけど、いずれ何らかの形で調整されていく可能性があるのかないのか。とはいえ、国内大手だけでみても「運輸・物流」「情報通信」「広告」「不動産」などは、どの業種も3社以上あり、それぞれ競争環境も違えば価格転嫁のしやすさも異なるのが現状で中身はかなり幅広い。
体感的に感じるのは、日常的にお世話になっている運輸・物流は、特に価格転嫁の難しさもありそうで、観察しやすい分野です。ただ、いつまでもという訳にもいかないだろうし、いつかはどうにかして対応するしかないとも想像できる。そこの差が急拡大した背景には、円安の影響も大きいように思います。為替水準が変わればこの傾向が変わるのか、それとも下から上に追いつくのか。個人的には後者がより望ましい結果になるのだと、今のところ理解してます。
日銀が目指すインフレを考察
一般的な話だけど、CPIや賃金統計に注目が集まるのは当然で、そこからの論説は専門家を中心に各種報道でも多いのが現状です。専門家とは少し異なる見方だとしても、今回初めて、企業間の取引実態を表す「企業向けサービス価格指数(CSPI)」を切り口にして考えてみると、また違った景色が見えた気がするな。「原材料価格(CGPI)」と「サービス価格(CSPI)」「消費者物価(コアコアCPI)」との関係、そこに「賃金上昇率やGDPギャップ」を繋げて考えると、植田先生の目指す国内のインフレの「本当の姿のカケラの一部」が、初めて理解できた気分になった(←これがいつも気のせいなのよ!)。今までと少し違う考えにはなってきたけど、インフレ観察の一つの要素として、見続けようと思います。
最後に
こうした価格転嫁の問題は、人口構造とも無関係ではなさそうな気がしてならない。人口分布を確認しても、生産年齢人口(一般的には15歳から64歳の人口 )は減少し続ける事はほぼ確実で、ボリュームゾーンといわれる団塊ジュニア世代(※私たち)が労働を離れる時期(約15年後)に、今現在で見えてる、そして言われている状況は更に加速していく未来も見える。そして、巡り巡って最終消費者である私たち一人ひとりも、サービスに見合った価格を受け入れていく場面が増えてくるのかもしれない。一方で、価格に見合わないサービスと認識されたものが、市場原理の中で減ってくる悲しい未来も。そして全体の需要が減る可能性すらあるのかもしれない。
賃金と物価とサービス価格の全てが上昇してるとすれば‥‥その時の未来で、私はどうやって生活してるのでしょう?(汗)。もちろん、この流れが続くのだとすればという前提ではありますが、長く広い視野で社会の変化を感じ取る必要さえ感じます。それに、インフレに抗う(あらがう)ことなく、味方につけて乗ることが、とても重要なことと思えてしまいます。個々人が自分の意志でやらないといけない事が多そうだ。
尚、経済をネタにした空想好きのおじちゃんによる、素人なりの仮説です。違っていたら笑ってください(笑)。「知る」「考える」「答えを探す」の繰り返しループになってきてますが、私自身、半年後くらいに見返して答え合わせしてみようと思います。そして今日(2026年7月31日)は、毎回楽しみにしてるご講義(金融政策決定会合後の記者会見)の時間。晩酌のつまみは、今後の見通しということで、本日のお話は終わりです。


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