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20フラン金貨「マリアンヌ・ルースター」と質屋の貨幣考察

鴫原質店の弟さんです。

「マリアンヌ」と「にわとり君」を鑑賞

久しぶりに100年以上前の金貨を見たので、備忘録も兼ねて記録しておこうと思いました。 ペンダントトップとして枠にはめられた20フラン マリアンヌ・ルースター金貨 フランス「20フラン マリアンヌ・ルースター金貨」というもので、1907年から1914年まで鋳造された古いふる~い実貨幣の金貨です。

表面には、フランス共和国を象徴する女性像「マリアンヌ」が、フランス革命の象徴でもあるフリジア帽をかぶった姿で描かれています。 マリアンヌの細かい部分を撮影した画像 金貨の造りが素晴らしく、角度を変えてマリアンヌ様をマジマジと鑑賞してしまいました。こういうの見る度に思うけどさ、このお金ってどうやって持ち運びしたんだろう。一般市民も手にした現物のお金(流通貨幣)だけど、こんな小さくて高額なものを、どのように落とさず持ち歩いてたのかしら?

もう片面には「にわとり」君。 裏面のルースターを撮影した画像 「夜明け」「警戒」「国民の目覚め」をイメージさせる雄鶏(ルースター)。農業国フランスを象徴するモチーフとしても親しまれている存在との事。なんか「にわとり」君もマジマジと観察するとかっこいいね!

フランス革命の理念「自由・平等・友愛」

「へ~~」って眺めてしまったのは、金貨のサイド(横の部分)。 金貨の横に刻まれた文字を撮影した画像 フランス共和国の公式な標語「LIBERTÉ・ÉGALITÉ・FRATERNITÉ」。フランス革命の理念を受け継ぎ、現在まで大切にされている言葉のようです。日本語で「自由・平等・友愛」と訳されますが、心に響くいい言葉。この数年を振り返ると色々な事がありましたが、この理念が今後も大切にされ続けていてほしいと感じます。

金貨スペック

  • 重量:約6.45g
  • 含有金量:約5.81g(残りは銅)
  • 品位:21.6金(純度90%)
  • 比重:16.93(ま~銅割金貨の水準ですな)
  • 直径:約21ミリ

金貨の重量と比重とサイズを撮影した画像

銅が入っている金貨は硬度が高く、実貨幣として使われていた割には綺麗な状態で残っているモノが多いのも特徴だね。摩耗して0.01g減ってるのが面白い(笑)。

当時の貨幣価値の考察

この時代、当時のフランスでは金本位制が敷かれており、これら20フラン金貨(ナポレオン金貨やルースター金貨)が広く流通していたそうです。フランスパン(1kg)が約0.35〜0.40フラン前後、牛乳(1リットル)が約0.10〜0.15フラン前後。当時の一般労働者の日給はだいたい2フランから5フラン程度という情報もネットで見つけました(※この辺は資料によって幅があるため、あくまで参考値ね)。

現代の価値へ単純換算するのは難しいですが、当時の購買力などを基準にすると、数万円から十数万円程度に相当するという見方になるのか? もちろん単純比較はできないので、このあたりはあくまで参考程度に見ていただければと思います。

戦時経済への突入と貨幣の行方

この金貨が鋳造された1907年から1914年、フランス国内もまた激動の時代で、調べると当時のフランス国内でも様々な衝突があったことが分かります。そして1914年8月3日、ドイツがフランスに宣戦布告し、国家の命運をかけた第一次世界大戦へと突入していくことに。戦費調達や金の海外流出を防ぐため、フランスは金本位制を一時停止せざるを得ない状況に進んでいきます。

そして、20フラン金貨などの硬貨が市場から姿を消した結果、都市や一部の自治体が独自の「地域紙幣(まさに紙)」を発行せざるを得なかったという不思議な昔話。もちろん地域独自の紙幣(代用貨幣)は、「民衆の信用のもとに利用され」経済活動は維持されたようでした。それを踏まえると、貨幣発行母体が機能していれば「その信用に基づいて成り立つ存在が貨幣」という一例でもあるのかな。古いお金を見ては過去の歴史を調べる事が多いですが、その時々で状況こそ違えど、まさに「歴史は韻を踏む」という言葉を思い浮べてしまいます。

最後に

【兌換(だかん)】という言葉があります。紙幣や貨幣を、発行体の信用だけに頼らない価値を持つものと交換できる仕組みを指す言葉ですが、その兌換を停止した歴史もこれまで何度か見てきました。結局のところ、流通経路が止まれば「時の貨幣」との交換はすぐにできなくなる仕組みでもあります。ただ、いい隠し場所さえあれば、この金貨のように後世に残すこともできるので、長い年月を経た資産保全という意味では心強い存在なのかもしれない。有事を生き延び、再び平時を迎えた時、あるいは子や孫へ託す資産としてはかなり有効な手段であることは間違いなさそうです。

ただ、こうした歴史を見ていると、貨幣の仕組みや価値も、結局は社会が平穏に機能してこそ成り立つものなのだとも思えてきます。いろいろ考えてしまいましたが、やっぱり一番大切なのは平和なのではなかろうか……。100年以上前の金貨から、思いがけず「自由・平等・友愛」という言葉を考える機会になりました。世界が少しでも平和であり続けることを願いつつ、本日のお話はこの辺で。

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