2023年10月11日
鴫原質店の弟さんです。
前回の続きでオメガスピードマスター(ST145.022)アポロ11号月面着陸20周年記念モデルについて、今回は付属してたパーツを見みていきます。
まず目につくのは文字盤2つとベゼルディスク。一般的にこういう交換パーツがついていること自体が珍しく興味を引き立てます。
ベゼルディスクは以前に使ってたもののようで、全体的に傷だらけ。
「ベゼルってこんなにも傷つくかな?」と瞬間的に感じましたが、それは時計の使い方の思考回路の問題で、【愛用し続ける】とこれが当たり前の事なのかもしれない。とはいえ、どこにどうぶつければこういう風になるのか、私の時計の使い方では想像でず、いかに自分がシチュエーションを選択して時計を使用していたかを悟りました(←いいか悪いかは不明!)。日常のいかなるシーンでも使用し続けると、どんな時計もこのようになっていくのでしょう・・・(←本当か?)。
そして次に、2つついていた文字盤の一つ。
「R」の形状がウニョウニョしてるやつで、恐らくこれが最初についていた文字盤かな。今現在、本体についているウニョウニョRの昨今ちょっと貴重な文字盤さえ、交換パーツだった事が分かりました。蛍光塗料の載せ方が雑に見えるのは30年前の物だから(笑)。交換するほど痛んでない気がするも、裏を見ると干支足(←赤丸の奴)が一つありません。文字盤を支える足が青丸あたりにもう一個あり、それで文字盤の姿勢制御をしてますが、取れてしまった為に交換したんでしょうね。これ、修理しようとすれば気合で修理できるはずだけど、メーカー様のオーバーホールでは無条件で交換だね。
そして付属するもう一つの文字盤は、現在でも見慣れたウニョウニョしてない「R」の新型文字盤!。
というか完全未使用の状態なので、次の交換パーツとして購入しておいた!って感じだろうか?。このような部分にも時計に対する愛着が感じられ、いつまでも使い続けるという強い覚悟を感じてしまいます。因みに赤丸で印をつけた部分が、上の文字盤で欠品していた部分です。
交換パーツと言っていいのかは知りませんが、交通事故にでも遭遇したかのように原型が崩れたコマにも好感が持てます。
ほぼ使っていない状態の2コマと、愛用された歴史を感じるコマの対比。度重なる研磨仕上げにより角は丸みを帯び、側面は内部のピン穴がそろそろ見えそうな位削れてました。まだ使えそうな状態ですが、メーカー修理の時に交換されたのかな(?)などと空想に走ります。
オーバーホールの時に交換したと思われるパーツも保管されてました。
ゼンマイとか歯車とか、普通に考えてもっと多くの交換パーツがあるはずだけど、帰ってきた部品がこれだけという事なのかな?。リューズもプッシャーも交換されてるという事は、このパーツを見ないと絶対に分かるはずもない情報なので、結構面白かったりします。
折角だからこのパーツも調べてみよう!!(←いらん行動??)
優しいお取引先(←時計工房)に「OMEGA861テクニカルガイド」のデータを譲って頂き、同形状のパーツを探してみたところ、「1766」minute-recording jumper(30分計車規制レバー)と「1231」hour wheel(筒車)だと判明します(←間違ってたらゴメンなさい)。精巧に組み上げられた機械時計のパーツなど、こういう機会がないと見る事もないから、個人的には結構好なのだ!!。筒車ってムーブメントによって形状が結構違うけど、Cal.861の筒車なんて今後一生見る機会はないだろうね。
少し前に時計屋さんでオーバーホールした証明書もついてました。
「ツヅミ車」と「キチ車」を交換したらしいが、その二つは貰えなかったのかな?。この2つはリューズ関連の歯車なので、この時にリューズも交換したのかもしれないな・・・など、事実など絶対に分からないのに、色々と想像してしまうのは悪い癖かもしれん。
今回(←2回目)で終わるつもりでしたが、また長くなり過ぎたのでいったん区切ります。ムーブメントまで見たかったけど、筒車あたりで時間を多く費やしました。書く事を最初に決めて書いてるわけではないので、話がいつもジグザグしがちですが、長すぎるのは少し問題になりかねません(←社内的に)。ということで次回(3回目)は本体とムーブメントを見てみたいと思います。そしてまた、前回も書いていますが、今現在、アポロ11号月面着陸50周年記念モデルが発売されいています(公式ページはこちら)ので、新しい限定モデルも見てみてはいかがでしょう。日本どのどこかに売れてない在庫が眠ってるかもしれませんよ!(←ないかもしれない!)。
本日は以上でございます。





それがこちらのオメガのスピードマスタープロという腕時計。マイナーチェンジを繰り返しながらのロングセラー商品であり、時計好きの方であれば多くの方が知っている、又は使った事がある人も多い有名どころのお品物です。
付属品は画像の通りですが、この時計が好きすぎる人は、これを見るだけで年代を判別できるかもしれませんね。
そんな「R」の特徴と、9時側ケースサイドに「APOLLO XI 1969」と刻まれた刻印から、この時計が1989年に発売されたアポロ11号月面着陸20周年記念の特別モデルだと分かります。生産本数は約4,000個でしたが、この時計にはシリアル番号という概念がないのも大きな特徴。ケースサイドにシリアル番号が入ったモデルも同時期に発売されており、アメリカで2,000個とドイツで250個が販売されたようです。限定と言っても結構な個体数なので、20年位前はさほど珍しいものではなかったように思えますが、個体数が減るにつれて目にする機会が減った文字盤です。
ST145.022がこの時計の型番ですが、本体にはシリアル番号という概念が存在しないので保証書にも当然記載無し。その代わりムーブメントナンバー(48252458)が記載され、ギャランティーと個体(時計本体)の結びつきは、ムーブメントを拝見する事でのみ確認できます。後で見てみましょう!。
こちらには時計本体と連動する項目の記載がなく、時計の保証に関する説明書のような内容です。右上にパンチングされた「5281」という数字は展開地を表し、日本を含む地域の説明が記載されている事を示してます。同年代に販売された他のオメガにこの冊子がついていたことがあり、多分ですが、この時計本体とこの冊子に関連性はなさそうかな。(←間違ってたらごめんなさい!!)
コップの下に敷くコースターくらいしか思い浮かばない。アメリカ国旗や地球の刺繍が手作りっぽくていい感じですが、本当に何に使うものなのかしら?。というか刺繍の精度はこれでいいんだろうか。
内張りは高級時計あるあるの劣化状況で、簡単に想像できました。敢えて高い素材を使用してるのでしょうが、多くの物がベトベトに劣化していき、多くのメーカーが今も試行錯誤の上、変更を繰り返している部分のような気がします。ベタベタしない紙や繊維素材で何故ダメなのか、いつも疑問を覚える不思議な部分です。
映画にもなった「アポロ13」のワンシーンで、地球に帰還する為に14秒だけエンジンを点火させる息が詰まりそうなシーンがありましたが、このスピードマスターのクロノグラフを作動させ時間を計測していた事を思い出します。この時計はアポロ11号と関連した時計で関連性は薄いけど、アポロ13の帰還って本当に凄い話ですよね!!。でもさ、無重力空間でも時計の精度って変わんないのかな?。重力下では「平置き」や「縦置き」で時計の振り角とか変化して、日差に影響を及ぼすのって重力の影響だよね。無重力だとどうなるんだろ・・・・?。誰か教えて下さい!!。
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