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質屋のスタッフブログ

質屋の道具「ウォッチエキスパート2その4」

鴫原質店の弟さんです。
「質屋で使うアイテム紹介」のウォッチエキスパート2。

ここまでくるのに長くなりましたが本日よりテスターを使ってみましょう。
店頭で販売している商品(停止状態)のゼンマイを20回程度巻いてからテスターにのせます。
(=ゼンマイはいっぱい巻かないという意図です)

まずはROLEXの16234という腕時計からです。
当店の提携工房でオーバーホールと外装仕上げをしてから販売しているものです。

確認するのは主に下記3つの数字とグラフ。
日差 +8秒
振り角254
片振り0.1

日差は24時間でどの程度時間がずれるかを示します。この時計は1日で8秒進みます。
振り角はテンプが反復する角度ですが、よくゼンマイを巻いた状態で280位までがよい調整のようですね。時間が経って(ゼンマイの力が弱くなって)きたときに、この振り角がある一定の数値を示さないようではゼンマイなどに異常があることが多いです。その為、ゼンマイをよく巻いた状態と一定程度巻いた状態でテスターの数値を見ることも必要です。正しいのかどうかは分かりませんが、私はゼンマイを5~10回程度巻いた時の日差や振り角なども気にします。
片振りはアンクルの往復するタイミングのズレを数値化したもの。簡単にいうと「チック タック チック タック」の間隔のズレのようなイメージで数値は低いほど良いです。

オーバーホールをして各種調整も行っておりますので何も問題はありませんね。

 

続きましてROLEXの216570という腕時計です。
こちらは外装仕上げをした時に内部点検及び調整をしております。

日差 +8秒
振り角267
片振り0.2

こちらも簡単に言うと点検と調整をしているので問題ありません。
本来は色々な姿勢でこの数値をみていきますが整備されている時計ですのでどの姿勢でも問題ないので省きます。

 

ちなみに16234のゼンマイをさらにリューズ10回転分巻き上げると下記のようになります。
振り角が理想的な数値になり、日差が+6秒になり更に安定しました。

最後に1つ、着目したい点。(気が付きました?)
この整備された2つの時計の数値やグラフが本当に似ていること。

こちらの2点の時計は当店提携の時計工房で調整されました。その工房で調整されるものは大体の場合はこのような状態と数値になってきます。技師さんの理想と考え方で時計の調整も変わります。別の工房に出すこともありますがそんな時はこれとは違う調整がされてくることもあります。ちなみにこの2機種の波形を見ると振り角に若干の違いがありますが、ゼンマイの巻き具合で少し変化する数値ですしムーブメントも違う為、全く問題視しません。

 

時計の内部状況を数値として確認できるこのアイテム。
時計の買取の時も販売の時も非常に重要な役割をはたしていますね。
今回は整備された状態の良いものです。
次回からは問題ありの症状をご紹介したいと思います。
 
時計の修理/電池交却/販売/買取は仙台の鴫原質店へ
お見積は無料ですのでお気軽にご利用下さい。
本格的な修理は専門の時計工房で技術者がおこないます。



質屋の道具「ウォッチエキスパート2その3」

鴫原質店の弟さんです。
さて前回の質屋のアイテム紹介の続きです。
「ウォッチエキスパート2」の計測について。

ご興味のある方のみご覧ください。
興味が無い方は何も面白くありません。

 

<以下 説明書の丸写し>

【13.2 図形記録】

この図形記録は、2つのビートに要した時間を測り、この測定機に記録された公称数値と比較した数値を記録します。測定した数値がこの公称数値と一致していれば、点(ドット)が前のドット近くに液晶画面上では横に次々現れます。しかし、振動音が早かったり、遅れたりした場合は、公称数値と比較した差の分、点線が上又は下方向へと表示されます。

このドットの並びの図形は歩度以外に、例えばビートエラーやカンギ車の歯の具合も見ることができます。

 

【13.3 歩度偏差】

このほどのかたよりは、上記の2つのビート時間と公称数値のとの差を、2秒毎に積算し日差(秒/日)に交換し画面に表示されます。

 

【13.4 振り角】

振り角の計算は、パルスAとパルスCの間の時間を測定します。

この2つのパルスの間、テンプは決まった角度で回転します。これを拘束角と言い、時計ムーブメントの設計により決定されているため、パラメーターの測定項目をセットする必要があります。添付の振り角が大きい場合、この拘束角を通過する時間は短く、小さい場合は拘束角を通過するに必要な時間が長いことになります。

この結果、振り角は振動数と拘束角を考慮し、振動信号のパルスAとパルスBの間の時間で計算されます。WATCH EXPERT2は常に測定時間の振り角の平均値を計算します。

 

【13.5 片振り】
時計にビートエラーがある場合、時計のチックータックに要した時間、タックーチックに要した時間が異なることになります。そして、2秒毎に測定し平均値をスクリーンに表示します。

<ここまでで十分なので以上で終わります>

 

私個人の感想です。
「なるほどな~~~」と「そうなんだ~~~」といった感じです。
インターネットで調べて理屈説明をしているところなかったのでただ書いてみました。
簡単に言いますとこの機械にかけることで調整が必要な個所が分かるといったところでしょう。

私も勉強にもなったし知識も増えたけど、この更新は少し虚しさがあります。
専門分野への突入はブログ的にはやはり無理があるかも。
道具紹介でできるだけ終わったほうが楽しく読めますしすね。

さて次回からようやく実践です!
まだ続くんかい!?とか言われそうですね。
ハイそうです。あと3回くらいはこのお話です。

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KIBOTCHA(キボッチャ)

鴫原質店の弟さんです。

10月28日の休日は東松島市にあるKIBOTCHA(キボッチャ)という施設に行ってきました。
(宮城県東松島市野蒜字亀岡80)

「宮城県」「子供」「お風呂」などと検索していたと思います。偶然に見つけることができて「レンタルタオルとお風呂+施設利用料700円というクーポン」もあり、さっそく次の日に訪問したという次第で、そもそもその施設が何なのかなど見向きもしておりません。行く前の私の間隔としては「海を見て」「子供と遊んで」「お風呂入って」「ご飯食べて」などそんな軽い気持ちでのお出かけです。

予備知識もなくカーナビを頼りながら付いた場所はこちら。

回りに何もありません。
人もいなく車が数台。何だろう?大丈夫なのかな?この場所でこの規模の施設がなりたつのか?
などなどと最初の感覚はそんなもんです。とりあえず色々と見ていきます。

最初に目に入ったのがコレ。

手ぶらでバーベキューができアルコールの飲み放題もあります。

そのすぐ奥に「森のキッチン」というレストラン。

白い帽子に白い服の本格的なコックさんが2名見えました。

入口の看板と料金表です

レンタルバイクや自転車があり近くの散策に使えそう。
右上の津波ラインに注目です。

入口のスタッフさんに話を聞きまして全てを理解しました。
ここは東日本大震災で津波の被害を受け廃校になった旧学校です。
外見から昔は学校だったのだろうな的な感覚はありましたが震災でとは思っておらずショックを受けます。

キッズルームやロープの使い方、火おこしの仕方を学ぶとこ

綺麗な宿泊施設。

のんびり汗を流したお風呂(実際に入ってきました)

ここまでの事を見て頂くと複合的な宿泊施設的な感じですね。

ここから少しシリアスです。
デジタル資料室、語り部の部屋

資料室では震災の記録をデジタル画像で様々放映されております。
語り部の部屋ではスタッフの方が震災時の思い出をお話されます。

シアタールームがありました。

びっくりするような巨大な180度スクリーンに町の様子が映し出されます。
約2分ほどしか見てないのでその後どんな映像があるかは不明です。
(※子供放置はできなかったので)

デジタル資料室で映し出されていた画像でこの場所がどんな被害があったかが分かります。
注意:震災の風景を載せます。苦手な方見ないほうがいいです。

震災前と現在の廊下です。

震災直後の画像2枚

震災後の数日間にわたる日記が当時の新聞の切取を貼りながら残されてました。

原発が爆発したときの記事もあり心が痛みます。

 

広々とした校庭には震災後数年間、自動車やごみの山が消えなかったそうです。その他にもッズルームのスタッフ(おばちゃん)が、この周囲で亡くなった方の人数や倒壊した家の数などを教えてくれます。
とはいっても悲観的なことばかりではなく、この施設をつくった45歳の会社社長のことをうれしそうにいい、仕事を作ってくれたことを感謝していると明るく言っておりました。実際に松島自衛隊の航空祭のときはここの宿泊施設も満室になり、この日も5組総勢19名の方がバーベキューを楽しんでいたこと、色々な場所から人が遊びに来てくれること、そして皆さんに感謝しているといってくれます。

私が滞在している間だけでも30名(子供含む)ほどの方をみましたし、お風呂に入っていった人も数名おりました。

この場所でビジネスが成り立つのか。そういう悲観的なことではなくこの場所だから意味があるのかもしれません。もっと周知して認知度があがれば、地域のお祭りや修学旅行、地域の会社の社員研修などにも十分活用できる施設です。野蒜海水浴場が復活すれば夏休みシーズンは非常に穴場になるかもしれません。今後の発展を心から望んでおります。

私ができることなどはありませんが、せめて近場に行ったときには、食事をしてお風呂につかるなど、少しではありますがお金を使って応援したいと思います。





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