鴫原質店の弟さんです。
昨日5月13日に地金(金やプラチナや銀)を処分したのですが、直近一カ月の下落相場の影響で「フっ!」と噴き出してしまう状況でした。意味合い的には笑うしかないという感じかな。そんなことを踏まえ何と無く相場について思うところを書いて見ます
まず始めにこのひと月でゴールド(金相場)がどのような動きをしたかについて。こちらは田中貴金属工業様(公式URL)からお借りしたチャートです。田中さんの1グラム税込小売価格の推移ですが、4月20日の8,969円から5月13日の8,347円となっており、短期間で約7パーセント下落しました。ここ数日の下げは為替が僅かに円高方向へ動いた事も影響してます。
そして昨日処分した100点弱の地金製品について「粗利の低い順」に並べ替えて30点ちょっと分のみエクセルで出力しました。これはリアルな「お店での買値」と「売った値段」と「粗利」の数値です。4月20日頃に買取したものはそのまま赤字(マイナス)になってます。当店の地金買取の粗利想定が5%程度なので、7%下がればそのまま2%の損失がます。
4月後半に買取したものに関してはギリギリマイナスにならないくらい。でも一番下の総計のところが悲しい数値。776,643円売って893円の利益(^ー^:)。粗利率0.1パーセントって仕事として成り立ってないです。(※粗利が低い順にソートした30点に焦点を絞った話ですけど・・・)。でもこの仕事を長年しているとこんな事しょっちゅうある事かな。
そしてお客様にもよく聞かれる「今後の金相場」についての考察。直接聞かれると「そんなの分かれば働きません」と笑顔で答えますが何となく日々考えてみたりします。指標にするのは同じく田中貴金属工業様の金年次価格推移。コロナが騒がれ始めて各国で金融緩和が始まった頃(2020年1月頃)より金価格は大きく上昇し、2年間で約1.5倍もなっています。グラム単価でいうと2,683円も上昇しているんですね。でもこれって金に限った事ではなく、コロナ対策の超金融緩和によりロレックスやシャネルも銀も株価も多くの物が値上がりしました。そして半年ほど前からはウクライナ情勢に原油高が加わり今年になってインフレ(物価上昇)が加速しています。
昨年の昨年末くらいまで「インフレは一時的」という言葉が要人発言で見られましたが、現状ではインフレ抑制の為の量的引き締め(QT)や政策金利の利上げが世間を騒がせています。次はニューヨーク金先物価格とアメリカ10年国債年利を並べて相関関係を見てみます。一般的な話ですが金利と相関関係にあるものは数多くあります。金価格も利息の影響を受けて数年という単位で反応していくことが予想され、現状で既に金利の影響を受けているようにみえます。だけど世界情勢的な事も関係しているのか、少し下落して底硬い相場のようにも感じられるのが何か不思議。金利の上昇に伴い下落基調になるのか、インフレのヘッジとして更に上昇していくのか、はたまた世界情勢の更なる動きによりどうんな影響を受けるのか。結局先の事は誰も分からないというのが真実だと思ってますが、黙ってても利息の付くところに資金が集まるのは自然の流れに感じます。
私的考えですが、金融緩和局面で上昇した品物が、引き締め局面で影響を受けない訳がないと考えてます。質屋として多くの商品を預かっている当店としては、相場の安定か上昇を常に望みますが、このような局面では弱気である必要があるのかもしれません。全部タラレバの話でしかありませんが、質預りは「最低3カ月」という期間も品物を保管しなければいけないので、暴落する可能性は常に考慮しないとね・・・。3カ月という長い期間で、どれだけ相場が変動しようが保管義務があるので、厄介な状況だな~などと感じてしまいます。相場下落が前提のような話にも見えますが、普通に上昇し続ける事もあるのであくまでも個人の感覚という点をご理解下さい。
ここまで書いておきながら、どんなに心配してもそんな思考は【無意味】で、どんなに理屈をつけても理屈通りにいくことなど経験上殆どないので、淡々と売買を繰り返していくだけのこと。神経をすり減らされる状況が今後は続きそうではありますが、こういう話ばかり考えると在庫さえ持てなくなります。無関心であった方がいいようにさえ思えてしまうので、情報集めや私的妄想はほどほどがいいのかもしれません。なので取り合えず頑張って仕事をしよう!と思います。金やプラチナの買取は鴫原質店へ(←宣伝も仕事!)。
本日は以上でございます。