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質屋ブログ

時計研磨

鴫原質店の弟さんです。

もうすぐゴールデンウィークですね。休み明けは休日日記などをまたアップすると思うので、少し前に書いていた「質屋あれこれ」ネタでブログ更新です。この系統が読んでいただけている方には好評頂いてます。
休日日記はブログ的に不要かもしれないという噂も‥‥。
(一応色んな所の紹介的に書き続けますのでご勘弁ください。)

さて、4月初旬のことですが非常に良い状態のIWCの時計が入荷しました。
kenma5kenma5
目で見た感じでは小さな傷がベルトにあるくらいでとっても綺麗なお品物。
しかも付属品完備です!

インターネットに掲載して販売する為、洗浄して乾かして、本体のあらゆるところと付属品の写真をパシャパシャと撮りました。その後、サクッと加工して出すぞーなどと意気込んで撮った写真を見ると……傷が結構あるではないですか(T_T:)

写真の画像はマクロレンズで写すので私の老いた目には見えないものもしっかりと映し出します。一応ルーペで確認すると細かいのが結構あります。

この時点で選択を迫られます。
このまま画像を加工して売りに出すか
磨いて綺麗にして最初から全てやりなおすか。

結果的にサラっと磨いてすべての画像を取り直した為、前後の写真が揃ったのでブログネタにしちゃいます。今回の対象の画像はこちら。
kenma4kenma4定規を置きました。僅か8ミリのこの鏡面部分がベゼル一周分です。アイフォンでは傷なんぞ映りませんでした!

そして磨く前と磨いた後がこちらです。kenma1kenma1綺麗になりました(分かりますかね?)。これで写真の見栄えもよくなります。肉眼で見た見た目は変わりません。だって見えないのですから。画像では小傷が少し見えますがこれで実物の8倍くらいの拡大率です。

ついでにベルトもサラっと磨きました。
傷がある状態で出しても問題ないのですがどうせ磨くならということで綺麗にした次第です。
最初がこちらkenma2kenma2研磨してこちら。kenma3kenma3もとが綺麗な為に大した違いではありませんが小傷が消えています。もうこの領域の話は自己満足なのかもしれません。

この品物には随分と長い時間をかけてしまいました。
研磨作業などは5分もかかりませんが写真の撮り直しは30分くらい(それ以上かも)かかります。

でもこの工程を一人でやっているからやり直しなど思いつくのかもしれません。仮に「メンテナンスや清掃をする人」「写真を撮る人」「画像の加工をする人」が分かれていたら、他の人にやり直しをさせるわけですから簡単には言い出せませんよね。しかもこんな小さな自己満足の世界で。目に見えない傷があるから磨いて写真を取り直すなんて、大きな組織ではなかなかできなさそうです。
 
ですが私は「無駄な時間を使った」などとは思っておりません
 
私が思うに役割が全く違うことをしております。
傷を消すときは「できるだけ本来の形を維持して傷を目立たなくすること」
写真を撮ってるときは「傷をより鮮明に映し出すこと」
画像加工のときは「映っているものをより強調すること」
という感じでしょうか。

手を抜くことはどの段階でもできます。画像の加工で全て白ぼけにして傷を見えなくする。写真を遠めから撮り傷が映らないように撮影する、などなど。コントラストをあげる、画像レベルを下げる、などなど。
綺麗に見せる為の方法などいくらでもあるのです。

私の完全な持論ですが、中古品の特性上、商品を綺麗に見せる必要はないと考えています。メーカーの商品カタログのような画像は不要で、限られた画像の枚数でどれだけ商品の状態を伝えられるかが一番重要だと思います。これは社内でも賛否両論があり、なぜ目に見えない部分を映し出す必要があるかは議論が絶えません。でもこれは担当者のこだわりというしかありません。自己満足も少しありますが、すべては購入頂いた方に納得して満足いただく為なのですから。

傷が多い商品はその傷を見せることが必要です。
傷がない商品は本当に綺麗であるという事を見せることが必要です。
画像でも言葉でもいいので商品の状態をしっかり伝えることが目的です。ただ当店の通販ページでは言葉よりも画像が多いだけの話。写真を減らして言葉でしっかり伝える手法の方が時間効率は良さそうですが・・・・・、果たして何が正解なのでしょう? 私はただ百聞は一見に如かずという思いがありこのようなことになっているだけです。

ただ、当店で購入されたお客様は「画像よりずっと綺麗な商品が届いた」などのお褒めのお言葉を頂きます。お話さえしたことがない常連の方も増えてきました。時計を買うならお宅からと、もう何本も購入頂いているお客様も本当に多いです。業者のリピーター様も多いです。

ご満足頂いている結果だと思いたいです。
お店やスタッフの顔の見えない通信販売だからこそ購入検討時の安心感に繋がればと思って頑張っております。

ということで
WC アクアタイマー オートマティック2000(IW356805)はこちらのページで販売しております。
ご検討よろしくお願いいたします。
以上

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