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ルイヴィトン「N41207」ポシェット・アクセソワールの価格変動で感じる事

鴫原質店の弟さんです。

6月末の事ですが、新品(未使用品)のルイヴィトンを同じお客様から3つ譲って頂きました。3つのルイヴィトン製品の写真今回は左上の画像の白いポーチについて、買取した際の実話の出来事と、経験と思い出からくる偏見のお話です。

ルイヴィトンの新品に関して、当店では相場がある商品は買取値段をホームページに明記しています。ホームページに公表してる買取価格これは実際のサイト画面ですが、白いポーチ「N4127」ポシェット・アクセソワールの新品は127,000円で買取させて頂きました。

新品のルイヴィトンの査定は「状態の確認」をするだけで特別な知識は不要です。新品(未使用品)と判断する場合は、お客様も確認できる当社のホームページから型番検索で値段を見るだけで、そこに何かを「考える」的な要素はありません。(※もちろん真贋判定は必要です)アクセサリーポーチの画像このポーチに関しても同様の流れで値段決めましたが、社長と私が「これ 間違ってない?」と同じような反応をします。お客様もホームページで値段を確認されて遠方から来てるので、間違っていた場合「すみません」ではすみません(←おやじギャグ?!)。取り合えずルイヴィトンの公式ページ(こちら)で定価そのものを改めて確認し、相場も確認しますが何の間違いもありませんでした。考えてみれば、アクセサリーポーチの新品を買い取ったのは何年振りなんだろう?。定価が「¥155,100もするんだ~~」と驚くぐらい、このポーチについて見向きもしなかった期間が長い事を認識します。

「これ 間違ってない?」と定価それ自体に疑問を抱いた理由もあります。それは旧型アクセサリーポーチの昔らかの記憶や経験よるところ。旧型といっても、姿形が殆ど変わらないこの子の事です。旧型アクセサリーポーチの写真20年前位の事ですが、モノグラムのアクセサリーポーチが大流行し、非常に多くの中古品がありました。その頃の市場(業者間オークション)相場では数千円で競り落とされ、店頭販売価格も1万円を割るものが多かった記憶があります。5千円で買ってきて9千円で店頭で販売するなどの感じかな。しかも大流行した品物は中古の数量が莫大に存在するので、どこにでもあった定番商品の一つです。ところがこの数年、海外直輸出業者がルイヴィトン製品を買う相場で、このポーチも非常に高値で競り落とされており、「海外では人気商品なんだろうな~」とは思っていましたが、今時の定価がこんなに高い事を初めて知ります(←アホですよね~~)。

昔の中古相場が数千円だったという話は、信じられない方もいるかもしれません。2002年のルイヴィトンのカタログ取敢えず2002年のルイヴィトンのカタログを引っ張り出してきます。

2002年の中盤に価格改定がありましたが、改定前の定価は26,000円だったようです。2002年のアクセサリーポーチの値段このブログで何回かだしてますが、この頃はカタログを毎年購入して価格を書き込むという、今では信じられない地道な世界。仕事としてやってきた事なので、この情報に間違いありません。そして現状のアクセサリーポーチの形状はモノグラム柄にしかなく、ダミエのアクセサリーポーチは四角いものでした。その後ダミエ柄でも同じ形状のアクセサリーポーチがでてきますが、基本的に新品定価がこういう値段だったところが着目点です。

このような思い出や記憶がある故に、現状のアクセサリーポーチの定価が¥155,100という事に「これ 間違ってない?」と思ってしまった訳です。ルイヴィトンの定価が上がった事や海外での中古相場の影響、そして最近での猛烈な為替変動も加味して、国内での中古相場も大きく上昇しました。そして、それに合わせて売買をしている現状ではありますが、昔の価格を知る「私達と同年代か、ご年配のお客様」が店頭販売価格を見て首を傾げてしまう方がいるのも頷けます。以前も「ルイヴィトンの価格推移」について書いた事がありますが、このポーチの躍進には驚きしかありません。そもそも、こまめに情報のアップデートをしていれば定価変動は当然の知識でしょうが、数がすごく多かった大流行品が故に気にも留めなかった点も、このような誤解の原因だと反省しています。

因みに、こういう事を書いていると、「私も年なんだな~」と実感します。亡き祖父は「幼い頃に2銭で買った餡餅が美味しかった」という思い出話を何度もしてくれました。亡き父は「子供の頃、キャラメルは6個入りで10円だった」と教えてくれました。聞いてる時は「そんな昔の話・・・」なんて思っていたけど、私が言っている事ってそれと同じです。歴史の流れを見る限り、多くの物の値段は過去と比べると上昇を続けます。貨幣価値が実質的に下がり、貨幣価値の切り上げもされ「銭」という貨幣が事実上消滅しました。そういう歴史上の流れをみてみても、今は「価格が高い!」と思っているものも、未来の世界では「とんでもなく安い価格」になる日が訪れるのかもしれません。というか既にそういう事例が目の前にあるのに「見てない」「知らない」「感じない」と、平和ボケあるあるの無関心が今回の話であるようにも思えます。最近は特に「インフレ」感が国内でも漂っており、デフレ経済にどっぷり浸った金銭感覚である私は、今後数年間、どんな世界になっていくのだろう?と悲観的な事ばかり考えてしまいます。

本日は以上でございます。

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