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質屋の道具「試金石と硝酸」その3

鴫原質店の弟さんです。
質屋で使うアイテム紹介の「試金石と硝酸」ついて今回はプラチナについて書きます。

その1で硝酸に溶けるものと溶けないものについて軽く触れましたが、プラチナは溶けない金属です。金を試金石に擦りつけた時にその色で純度が想像できる旨の内容をその2で書きましたが、プラチナの場合はどうでしょう?

結果から言うと痕跡から純度は全く分かりません!そのことを実際にやってみたいと思います。

嬉しい事に昨日たまたま「純Pt」のネックレスを店頭で買い取りました。
puratina1puratina1プラチナは柔らかい金属の為、純Ptのアクセサリーはさほど見かけません。すぐに溶かしてしまう予定なので、これがあるうちにサクッと本日記事化します。

対比するのはPt850の指輪にしました。純度の違いが殆ど変化しない理由を後で解説します。
puratina2puratina2Pt999とPt850を試金石に擦りつけた痕跡はこんな感じです。前回は適当に擦りつけて少し失敗したので軽くこする感じで7本の線を引きました。puratina3puratina3

そこに硝酸をかけます。
puratina4puratina4ぬれて薄く見えますが実は形は変わっておりません。
(薄くなったジャンとか言われそうな気が・・・・・・)

さっきは軽く擦りましたが、次はすぐそばにPt850で何度もガジガジと擦りつけてみます。それが硝酸に浸かっていくところを4枚の画像で撮ってみました。puratina5puratina5このように硝酸に浸かると色は若干変わりますが、金の時と違うのはその痕跡の形が変わらないことです。

なんか左上と右下で形が違うことに気が付きましたので一応解説します。この最後に擦りつけた部分を別角度でみるとこのように見えます。puratina6puratina6

これは試金石の上にのっていたプラチナの粉です。更に光を反射させて硝酸の上部をみた画像がこちら。puratina7puratina7硝酸の上にぷかぷかと浮いています。硝酸の浮力で試金石から離れたプラチナがあるので形が変化したように見えるという訳ですね。プラチナは硝酸には溶けないのです。強く擦りつけた時はこのような症状がみられるのもプラチナの一つの現象かもしれませんね。

あくまでも一般的な話になりますが、ジュエリーに使われているプラチナはパラジウムとの合金です。Pt900とPt850は90%が又は85%がプラチナということを意味し、そしてその残りの金属はパラジウムが使われることが多いです(※シルバーもありますが)。プラチナは強い耐酸性をもち硝酸には溶けません。その為、試金石に擦りつけただけでは純度が分からないということです。

その特徴を伝える為にやってみましたが、私はプラチナに対して硝酸と試金石を使うことは殆どありません。プラチナには独特の色があるのであまり悩むことが少ない為です。同じ銀色といってもシルバーやホワイトゴールドとは異なり黒っぽい銀色がその特徴であり、同じような銀色はあまり見かけません。

その他の特徴もあります。こんなことをいうと意味不明な表現に聞こえそうですが、独特の柔らかさからくる傷のつき方なども他の銀色金属とは異なり、目で見て分かる判断材料になります。

今回はこの辺りで終わります。
また何か話のネタになりそうなものがありましたら取り上げたいと思います。
以上

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