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スタッフブログ

シングルモルトウイスキー「山崎 55年」

鴫原質店の弟さんです。
今回は前回の続き。(カテゴリーは一応質屋で登録してます)

私たち(質屋)は仕事の都合上、2次流通の価格には敏感でなければなりません。「何故?」と思う方も多いはずなので、具体的な例を出してみます。

例えば、コロナウィルスが広まり始めた頃から任天堂スイッチの価格が暴騰しました。家で過ごす時間が増えたことや海外需要も影響していたようです。店頭で定価で購入しても粗利を出して売り抜けるルートがあった為、多くの方が量販店に並ぶ風景がニュースにさえなりましたね。

当然ですが、中古品も大幅に値上がりし、定価と殆ど変わらない値段で取引されるようになります。そして当店は質屋です。相場に合わせて融資を行うので、中古品のスイッチの質入値段も少しだけあげました。何故少しかというと、人が製造するゲーム機本体の流行相場などすぐに終わる事を想定するからです。いっぱい作れば必ず余るのは当たり前で、いつかこの流行相場も終わります。

任天堂スイッチのメーカー希望小売価格は29,980円+税ですが、今現在の2次流通価格(ヤフオク!から)は35,000円(税込)。ヤフオク!での任天堂スイッチの価格ヤフオク!での任天堂スイッチの価格
実質まだ定価を越えて取引が続いているように見えますが、ヤフオクの手数料を考えると殆ど利幅がない状況にあり、流行相場の終焉を感じます。とはいえ、カードのポイントやペイペイのキャンペーンなどが絡めばもう少し続くかもしれません。任天堂スイッチを例に出しましたが、このように流行や社会現象の認識が少なからず仕事に影響します。

相場感に常に敏感でありたいと願う私ですが、今年の初旬、猛烈に手に入れたい一品がありました。それがこちらです(公式HP)。山崎55年山崎55年サントリー最高酒齢のシングルモルトウイスキー「山崎 55年」
抽選販売100本、販売価格¥3,300,000(税込)

この3百3十万円という金額の感じ方は人によって全く違います。私の場合ですが「安すぎる!」と感じてしまったのです。その感覚にはもちろん背景があります。世界の権威あるウイスキーグランプリで受賞し続けたことなどの影響もあり、世界中で日本のウイスキーの需要はとても高く、そして増え続けていると知っていました。

数年前までは「ニッカの竹鶴」や「サントリーの山崎」はショットバーなどでも安価で飲める美味しいお酒だったのに、今は酒屋さんで買う事さえ難しくなりました。例えば「竹鶴21年」は参考小売価格¥15,000(税別)とアサヒビールの公式ホームページで明記しておりますが、この「竹鶴21年」の2流通価格は5万から8万です。竹鶴シリーズで一番の量販モデルである「竹鶴ピュアモルト」でさえ、2次流通の世界では定価を何割も超えて販売されている状況です。(ヤマヤさんで定価より安く販売しているのも現状ですが)。

とはいえ、サラリーマンの私にとって300万円は大金です。子供達もいますし、しょせんお小遣い制の私が自分で購入を決められるはずもなく、奥様に「買っていい?」と聞いたら想像通りどやされました。この販売値段がどれだけ安いかを説明しても全く何も感じないようです。人の手を使って55年間かけて製造したものにどれだけの価値を見出せるか、そこがあからさまにかみ合いません。

山崎モルト原酒の中から、1964年蒸溜のホワイトオーク樽原酒や1960年蒸溜のミズナラ樽原酒など、熟成のピークを迎えた原酒を厳選しブレンドした。アルコール度は46%。生産量は限定100本。(画像は公式HPから)山崎55年山崎55年Web画像を見せながら、とんでもないものが売りに出されるんだよ!と伝えても嫁には響きません(汗)

平行線のまま、結果的にいうと必死の説得で一応許可をもらい、胸を張って抽選に応募しましたが‥‥‥抽選に外れました(号泣)抽選結果抽選結果夫婦感の悪い雰囲気はそれにて解決‥‥よかったのか悪かったのか(汗)。

欲しかった理由は、仕事を退職したらお祝いに飲みたい。なんだか頑張る意気込みがでるようにも感じたからです。ただ、とにかく手に入れたかったです。書いていて思いましたが、抽選倍率はどのくらいだったのかな?

数が少なくその存在がプレミアム的なものは、とんでもない金額に化ける可能性を秘めています。(私が当選しても売るつもりはありませんけど。)。購入意思を示す際に転売禁止であることを了承することが抽選に参加する絶対条件でしたが‥‥‥‥‥‥。

しばらくして、具合の悪いニュースを発見してしまうのです。

サントリーのシングルモルトウイスキー「山崎 55年」香港で開催されたボナムズのオークションで620万香港ドル(約8,500万円)で落札!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
売るのか‥‥)涙涙涙涙涙
そうです!これがこのウィスキーの価値なんです。
(転売禁止の約束を忘れてしまった人がいたらしい!)

オークション手数料やら管理料やら為替換金手数料やらを考えても、恐らくはとんでもない利益になったのではないでしょうか?。数千万円の粗利か~~~羨ましい限りですね。でも後、数年保管していれば、価値はもっと上がったかもしれません。金額には驚きましたがなんとも残念なことかも。でもどうだろうか?自分ならどうしただろう?数千万円か~~~妄想が止まらない・・・(笑)

酒は酒屋という昔の常識が無くなり、簡単な申請をすれば2次流通でお酒を扱えるようになりました。その結果、人気のあるものはお金を出して買い集めて、酒屋でない店舗が酒を売る時代になりました。その結果として本当に欲しい方は、意味もない利益が乗っけられた商品を購入しなければいけません。メーカーが直販サイトで価格を需要に合わせて調整しながら販売すれば、会社の利益も上がり株価もあがり、働く人の給料も上がり日本経済の役に立つはずなのですが、2次流通を利用した方が利益を出している現状を見ると何となく残念な気がします。

という訳で今回はウィスキーのお話でした。今年はマスクの転売が法律で禁止されたなどが記憶に新しいですが、自由過ぎる経済の弊害が色々なところにでている点は見逃してはいけないことなのかもしれませんね。もちろん、私たち業種はその一部である事は認識しておりますが‥‥。本日は以上です。

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