鴫原質店の弟さんです。
今日は、先日売って頂いたROLEX 68274 L番(1990年頃製造)についてのお話です。
メーカーにてオーバーホールを行い証明書がついております。
そして見て頂きたところを拡大します!お預り日が1999年3月30日
受取り日が2020年6月4日
そしてコロナウィルス!(←あまり関係ない?)
つまり21年間もロレックスに預けっぱなしにしていたという事ですね。
ではこのロレックスはいつオーバーホールされたのでしょうか。
請求書の隅に記載されていました。請求書の作成日が1999年5月7日。消費税も5%の時代です。
21年前にオーバーホールされた時計の状態をテスターで確認します。日差はでているようですが振角が弱く、片振の症状がでています。それ以上に問題なのが異音です。右上がりの線の所々で、線と離れた部分に点が映っていますが、実際にスピーカーで音を聞くと「ギギギ~~~」とか「じゃ~~」とか変な音が聞こえてきます。凝固した油が何かしらの悪影響を与えていると思われますね。動かしたことを少し後悔しました。これにより何らかのパーツが破損する可能性すらあります。オーバーホールが絶対に必要な状態で間違いありません。
こんな事ってあまりないとは思いますが、時計をオーバーホールした場合の保証はどうなるのでしょう。受け取ってからの保証開始なのか、オーバーホールをしてから保証が開始されるのか。それ以前に、21年間もほったらかしにする持ち主の方も凄いし、21年間も保管し続けるロレックスも凄いですよね。返却する為の努力とかあったのか、とても興味深いです。
とても稀なケースだと思ったのでご紹介でした。当店でも修理が終わってから4年間も保管している時計がありますが、何度連絡を取っても取りにきてもらえないと悲しいものです。でも今回の21年を見たらたった4年だねと思うようになってしまいました。気長に待つって大事かもしれませんね。