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「質屋の道具」 Vanta蛍光X線分析計

鴫原質店の弟さんです。

当社に新しい機材が導入されたので「質屋の道具」シリーズとしてご紹介します。導入されたX線分析機こちらはエビデントのVanta蛍光X線分析計というもの(メーカーページはこちら)。正直、信じられませんが社長様が買っちゃったみたいです。

大きな箱が目につきますが、本体はこちらの鉄砲型の方。本体の雰囲気家庭用ゲーム機にもありそうな色合いと、子供達が使う電動水鉄砲のような見た目とは裏腹に、この子はすっごく重たくて筋トレの道具にさえ使えそう。コヤツを何と呼ぶか考え中ですが、そのうち誰かが「あだ名」をつけるのでしょう。

そしてこちらはFSの世界か・・・・?。放射線を示すマーク映画やアニメで見た事あるあのマークが(汗)。誤った使用方法をしてしまうと被爆するようです(哀)。

そんな話をしてる中、【新入社員のAK君が最新鋭の武器を捕り、即座に身構えた!!!】。手で持った感じを撮影「X線をくらえ~~」とでも言わんばかりで恐怖心が芽生えますが、これは使い方のレクチャーです。重たい本体を持つときに、落下防止を目的に結束バンドを手首にしっかり巻き付ける練習で、本当に重たいのよ。私のようなオッサンには扱いが大変で、気合を入れて持たないとギックリ腰になりそうだ。

お掃除をしながら、道具コーナーの模様替えが完了。X線分析機を設置した店内の様子持ち運びをして、ハンドガンタイプで使用するのが主流のようですが、箱状のボックスに本体を接続し、この形状のまま使用する事も可能で、オプション品みたいなものかな。このボックスがX線の拡散を防ぐとともに、スペクトラムを増幅するとか。使う頻度は下に追いやられた2つの方が遥かに多く、その二つが少し使いづらくなった気がするので、今はこの配置の上下を変更した方がいい気がしてます。

使い方の一例として、最初にやってみたのは、先月からブログに何度か登場頂いたインディアンコインの偽物君!。偽物のコインのX線分析結果判定結果はCu(銅)43.73%、Zn(亜鉛)13.74%、Au(金)42.53%との事。X線分析機の焦点距離は30ミクロンで、ミリ換算にすると0.03ミリ。スペクトラム増幅により40ミクロン位までは判定ができるとの事で、その判断距離は0.04ミリ。なかなかシビアな道具ですが、例えばインディアンコインの金属構成はAu90%のCu10%の21.6金という知識があれば、この機械だけでも直ぐに判断可能となる訳か。ま~言うても焦点距離を考慮するに、これだけに頼るとひどい目みるのは間違いなさそうです。分析してるのは表面部分の構成比でしかないので、結局は人の見る目と知識が最低限必要だね。

導入されたばかりなので、効率的な使い方が沸いてきませんが、これから試行錯誤して偉そうなコヤツをこき使ってやろうと思ってます。時計のステンレス構造の分析やブランドバックの金具分析にも使用可能なので、真贋鑑定の補助役での活躍を期待!。宝石に関しては、例えば水色のトルマリンを分析し、「銅やマンガン」が構成成分で確認できれば、ソーティングの事前段階で「パライバトルマリン」の判定がでる事が分かるので、品物の見積をするときに少し強気でイケるかも。何にせよ、これから色々と使い方を検証していかねばなるまいよ!。とはいえ、購入費用をペイできる可能性は絶望的で、費用対効果は超絶ウルトラ最悪な感じがします。ただ、上手く使いこなせレバ・・・その効果は高まっていくのかな?(焼け石に水!)。ま~既に設置されているので、これから長い時間をかけて色々と戯れ、存分にその性能を活かしてあげたいところですね。

本日は以上でございます。

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