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質屋の道具「試金石と硝酸」その2

鴫原質店の弟さんです。

質屋で使うアイテム紹介。「試金石と硝酸」その2です。
前回の「試金石と硝酸」で触れましたが、金の純度の違いによる試金石の痕跡について、24金の指輪が入ってきたのでできるうちにご紹介します。

最初はK24-K22-K18-K14-K9の5種類を使おうと思いましたが、このK24の指輪ももう溶かしてしまうので今あるものだけでやる事にしました。

今回用意できたのはこちら。
konseki1konseki1左がK24、中央がK18、右が14Kと刻印があります。

これらを試金石に擦った跡がこちらです。
konseki2konseki2微妙な色の違いが分かりますね。純度が高いほど黄土色に近い痕跡が残り、純度が低いものほど白が混ざってくる感じでしょうか。要するに金をこすれば黄土色が残り、それ以外の金属の場合は大抵白くなります。

そしてこの痕跡に硝酸をかけてみます。
konseki3konseki3全ての痕跡が黄土色になりました。これが金そのもの色です。硝酸により他の金属が溶けて金の部分だけが残るので、たとえ何金だろうとも理屈的には同じ色になります。

そしてもう一つ着目したい点が痕跡の大きさの違い。試金石に金が入っている物体を擦りつけたときに、純度が低いほど金以外の金属の痕跡が付きますが、硝酸をかけるとそれらが溶けてしまう為に痕跡の形が変わっていきます。例えば最近よくあるK9などの金属では、痕跡の大半がなくなり、わずかに黄土色の部分が残るだけです。これって前回試金石の使い方でご紹介したメッキ時計の痕跡の残り方と殆ど変わらないので、慣れていない方や理屈が分からない方だと判別方法としても役に立ちません。それ故に視認検査や比重やら試金石やら様々な観点から見ることが金の判別には大切なことなんですね。
 

ただ、そんなことを言っておりますが、私たちは比重計やら硝酸やら試金石など頻繁に使うものではありません。殆どのものは見るだけで査定を決めてしまいます。使うのは何かしらの違和感があるとき。直感的な重さや色、傷のつき方などなど色々ありますが、やっぱり駄目なものは何かに気が付きます。仕事なので当たりまえですが。

そして今これを書きながら一つ間違ったな~と思ったことがありました。
擦りつける回数が一定ではなかったことに気が付きました。18金と14金の違いが若干分かりずらいので一応補足しますと、18金の痕跡の形はほぼ残るのに対して、14金の痕跡の方は特に中央部が消滅しております。同じ部分で5つの線を引くような痕跡を残したりするとよいのかもしれませんね。

さてどうしましょう?
試金石と硝酸その3も書こうかな。
プラチナと硝酸の関係について全く触れていなかったことに気が付きました!
少し考えておきますね。

今日は以上です。

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