鴫原質店の弟さんです。
質屋で使うアイテム紹介。本日は「試金石と硝酸」についてサラサラと書きたいと思います。題名でその1と書いたのはその2も書きたいからです(笑)
当店の試金石と硝酸はこんな感じです。
試金石と硝酸について詳しく知りたい方はググって下さい
(文面が長いとよく言われるのですみません。)
今回私がしたいのは使い方の説明です。
用意したものは壊れた金メッキの時計と18金の指輪。
上の画像のように試金石に擦りつけると、その後が明確に残ります。
そこに硝酸をかけます。本当に少しで十分です。
メッキ時計の跡は徐々に溶けていき跡形も消えてなくなります。
でもうっすらと残りましたね!(←最後の方で触れます。一応意図的にやりました。)
そして金の部分はしっかりと残ります・・・・・と言いたかったのですが?
薄くなりました(^-^:)あれれ?(これは事故です)
なんだこれ?と擦りつけた指輪を見ると「カルティエのトリニティリング」のホワイトゴールドの部分のようです。画像にしっかりと証拠が残っております!(繰り返しますが事故です)
溶かす金属用に入っていたものを拾ってきただけなのですが、なんかネタになって得した気分です。気を取り直して同じ指輪のイエローゴールドの部分をもう一度擦りつけ硝酸をかけます。(写真取り直しました・・・・こんなので時間かけすぎですよね)
上記画像の青〇の部分でしっかりと消えずに残ります。
これで目的が達成されました。簡単に説明すると金は硝酸に溶けないことを利用した科学的判別方法です。
ちなみにプラチナも硝酸には溶けません。ステンレスやニッケル、銀や銅は徐々に溶けていきます。ホワイトゴールドは75%が金で残り25%が他の金属(ニッケルや銅やシルバーやアルミニウムなど配合は様々)でできており、試金石の表面についた金属が金以外の溶ける金属であれば、先ほどの失敗談のように薄くなっていきます。
ちなみに慣れてくると、試金石の跡をみることで金の純度の推測も可能で、純度が高ければ高いほど黄土色で純度が低いと白っぽく痕跡が残ります。
でも、この話は試金石と金属が接触する部分の金属の話である事を忘れてはいけません。例えば24金のメッキの表面1ミクロンくらいは24金です。その表面の部分を試金石にのせて硝酸をかけても溶けないことは簡単に想像できますよね。実際にメッキの腕時計の痕跡がうっすら残りました。これは表面のメッキ部分(メッキでも金です)が残ったのだと推測します(=他の金属の可能性もありますが)。
ちなみに最初に薄くなったホワイトゴールドにも同様のことがいえまして、実はこのように試金石に痕跡を残す場合の方法にも、より間違えを避ける為のコツはあるのですが、これに関しては考え方が色々分かれるので書かないでおこうと思います。
最後になりますが、硝酸はとっても危険な劇薬ですのでご注意下さい。例えば試金石の上にたらしたままにしておくと、または、瓶の蓋を開けっ放しにすると気化して空気中に分散します。こんなものが体に入って健康にいいわけがありませんので保管には十分注意が必要です。
当店では暗い倉庫の棚の奥にひっそりと瓶の中に瓶を入れて保管しておりますが、この瓶を入れている瓶が、気化した硝酸により2年くらいで溶けていく恐ろしい様子を見ております。硝酸を入れている瓶の蓋をしめていてもそうなってしまいます。地震がきて瓶が最悪倒れないようにとテープで瓶が固定されている徹底ぶりです。
今日はここまで
書き始めから考えておりました。その2では金属の純度ごとの試金石の痕跡をお見せしたいと思います。素材が集まり次第その2を書きます。
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