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質屋の道具「研磨機の実際の使用例」

鴫原質店の弟さんです。

先日研磨機のご紹介をしましたがオメガの時計を磨いたのでそちらの紹介です。

磨く前の状態がこんな感じです。

傷だらけのイメージが伝わりますかね (汗汗)

まずは最初から一気にステンレス用のバフ粉を付けて全体の傷を消していきます。

これで9連ブレスが全列テカテカの状態になります。納得できるくらい傷を消したら、青粉に付け替えて鏡面仕上げであるべき部分を鏡面に仕上げます。全部を鏡面にしてもなんの問題もないのですが、実際に鏡面仕上げにするのは時間がかかるので鏡面4列の細い部分だけ中心に仕上げをしていきます。

その後鏡面にしたところをマスキングテープで保護しながら、ヘアラインを当てていきます。

既に傷は消えているので削るのではなく当てていくだけで十分です。テープを貼替ながら5列のヘアライン仕上げをするので、はっきり言って地味に時間がかかります。

そんなかんだで続けていくとこんな感じの仕上がりになりました。

画像が小さすぎて分からない(T_T:)
※ちなみに今後ブログの画像の大きさが倍位に大きくなる予定です!

パッと見は綺麗になりましが、傷残りがいたるところにあります。

ただ細かい傷なので肉眼では殆ど見えません。
本当に綺麗な商品です(=目で見る限りは!)
この一連の作業で大体40分はかかります。
時間をかければその分傷はもっと消えるかもれませんね。

ただし今回着目したい点は
腕時計の仕上げを行った際の状態は仕上げをする前から実は決まっている
というところ。
消えないものは絶対に消えないのです。例えばここ。

ぼこっと凹んでいる部分を平らにするとどうなるか簡単に想像できます。平らにすることはできますが、もともとの形状が変わってしまいます。つまりこの傷は消さない方がいい。そういう視点から見ると、だれが磨いたとしてもこの時計の程度はBなんです。

大体の品物はお金を出して時計工房で仕上げをしてもらいもらいます。ただ今回のように状態があまり良いわけでもなく、売値が高いわけでもなく、仕上げをしても傷残りが多い商品はお店で磨く分販売料金を安くして販売するという手法をとることもあります。繰り返しますが、はっきり言って目で見て分かるという大きさの傷残りではありません。綺麗な商品でございます。

こんなところも時計の商品の値段に関わってくる一例として記述してみました。
下書き一切なしのベタ打ちなので、内容に関して不備がありましたらすみません。

本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
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お見積は無料ですのでお気軽にご利用下さい。

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