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メーカー純正2次電池

鴫原質店の弟さんです。

今回はちょっとした悪あがきのお話です。目の前にシチズンのエコドライブXC(クロスシー)という時計があります。外装に目につく大きな傷もなく綺麗なお品物です シチズンクロスシーエコドライブとは、わずかな光を電気に変えて時計を動かし、余った2次電池に蓄えるシチズン独自の技術(←メーカーHPより)。蓄電量も多いので普通に使用していたら止まることもなく、また時間の狂いもなく、そして更に軽い時計が多い。手間いらずの故障が少ない時計で私が好きな部類のお品物。きっと喜んで購入してくれる人がいるでしょう。ただこの商品には問題があり、ソーラー充電を長時間しても数秒に1回秒針が進む電池切れの症状が改善しません。よくある話ですがバッテリーの寿命です。

シチズンの腕時計は裏蓋に機種番号(キャリバーNo)が書いてあります。裏蓋の刻印この機種番号をもとに、シチズンの修理センターのホームページで修理代を調べてみたところこんな感じ。メーカー修理代金1万7千円か‥‥‥、この値段が高いとは思いませんが往復の送料や税金を考えると2万円超えます。その値段を原価に上乗せしてこの商品が売れるかどうか、なんだか微妙だな。

ヤフオク!でクロスシーの落札値段を調べると数千円(涙)。もちろん外側が傷だらけなので安いのですが、この商品を修理したところで果たしていくらで売れるのか。それ以前に2万5千円以上で買ってくれる人がいるかを考えます。ちなみに、修理代を考えるとこの2万5千円が原価となり、ネットでの販売手数料などを考えると2万8千円で売れてトントンです。

私の中でこの値段はあまり現実的でないので、自分で何とかしようと試みます。時計内部の様子裏蓋を外すと案外普通の構造です。

問題はコレ!専用バッテリーUT621充電可能な二次電池(バッテリー)。話は単純でこれを交換すればいいだけの話です。専用端子UT621と刻印されたこの蓄電池の裏面には、専用端子がついており同じものを探す必要があります。バッテリーを外した機械因みにバッテリーを外すとこんな感じになっており、溝に専用端子を差し込む構造になっております。

そして問題のバッテリーを探してみます。調べてみると日本の企業であるFKD株式会社さんが製造した製品のようですが一般小売はされていないとのこと。2000年中盤には三洋電機でも製造されていたという記事もネットで見ましたが、いずれにせよ手に入れられるかどうか。とあるホームページでシチズン純正部品925―7701という名前の部品という事が判明するも、1時間位色々探しても販売しているところを見つけられませんでした(涙)。

ということで、とても残念ですが小売りを諦めます。2次流通の市場でセイコーやシチズンの優秀な電波ソーラー時計が安く買える理由がこれなのかも。部品がないので自己修理が難しく、更には修理代が商品の2次流通価格よりも高い状態。また、部品の供給が終わればメーカーでも修理できなくなるものもあるようでした。技術者であればバッテリーに着けられた端子を、別バッテリーに溶接して利用することも可能でしょうが、同じ規格のバッテリーがあればの話。それ以前に、私にはそこまでの技術がありません。

ということで、動いていない又は動作不良のソーラー時計を買取するときは、それ相応のリスクをちゃんと考えて見積しましょう!。シチズンの純正部品でも、インターネット上で購入が可能なものも多く、事前に調べるというのも一つの手かな。ということで残念ではありますが、今回は損切決定でジャンク品として処分して終わりにします。部品あればいいのにな‥‥‥(哀)。

本日は以上でございます。

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