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日本国債 長期金利上昇中

鴫原質店の弟さんです。

今から30年以上前の話、私が高校に合格したお祝いにと、両親が少しまとまったお金をくれました(※2年分のお小遣い位です)。そのお金で近くの郵便局の定期預金を組みましたが、10年の定期預金の金利が8%以上あり、そもそも何の知識もない私(←16歳!)は、その金利水準があたかも「普通の事」と認識してしまいます。社会人になって少し経つ頃(20代中盤)、「特別金利!!」と大々的に宣伝されたメガバンクの年定期預金金利が1%で、「たったそれだけか・・・」と思いつつも「しょうがない・・・」と、貯めた僅かばかりのお金で定期を組んだ事を覚えています。ただ、それ以降の金利は下がり続け、銀行の定期預金に預けたのはそれが最後となりました。そして最近理解した事があり、それは金利上昇が消費抑制にも働くという事。貯めておけばノーリスクで増えていく→節約して消費しない方がいい→物価は強制的に下がっていくしかない→デフレーションとそんな時代だったのかもしれません。金利上昇率より物価上昇率が勝れば現金価値下落により「今買わないと値段が上がる」から買っておこうとなるんだろうが、今必要な物以外はいらなく、後で買った方がいいよねって感じだったもな。

金利が無い世界で人生の半分を過ごしましたが、国内の環境は春から大きく変化しました。ここ数日は特に、日本の国債価格の下落スピードが速いな~と眺めてます。ここ数日の日本の10年債個人的趣味もあり米金利を朝一必ず確認してますが、その際に日本の金利も確認するようになりました。YCCの元で固定してた長期金利を市場に委ねるとの事で、今後どうなるのか。興味深いというか・・・はっきり言って変化に怯えながら未来を空想中です。貯蓄運用型の生命保険登場や返礼率100%を遥かに超える学資保険、新しい運用型私的年金など、上昇幅によっては凄いものがでてくる可能性もあるのかな。長期金利の利率次第だけど。(※チャートはこちらのトレーディングビューで借りてます。)ただ、その金利を支払う為には、経済成長か大増税か(涙)、いずれにせよ税金か。

最近は円安に関する報道が増え続けてるように感じてます。昨年末までは、金利差だけでほぼ説明できたドル円相場は、年初から結構乖離して円安に振れてる状態。メディアでは金利差が・・というが、もう違うような気がするけど・・・。こちらは日米10年債の金利差とドル円チャート。日米10年債の金利差○週間で○%位の為替変動を「急激な上昇」と設定すると、為替の介入があればすぐ円売りドル買いをすると、恐ろしい確率で勝てる「円売りという仕事」が好調(?)みたいです。特に黄色い〇の部分(GWの介入後)からは顕著だ。円安については様々な理由が個々人の視点で語られてますが、金利差だけで考えれば1ドル140円以下。購買力平価で考えれば1ドル100円で、その異常な乖離幅が数カ月後にどうなるのかを考えると恐ろしい。今後数カ月で1ドル180円にも120円にも、アメリカの金利の変化やその速度によってはどちらの可能性もあるのかな(?)。ところで日本の長期金利が他の先進国より高くなったら円買い需要は起きるのかね?。世界中の皆にアピールしたい!「みんなもっと円を買っておくれよ~~」。

恐らく今時のアラフィフ以下の世代は、金利上昇という局面を実経済で体験した事がなく、私もそんな人間の一人です。金利の種類にも色々あるけど、最終的には銀行定期預金金利にも影響するので全国民に影響があるけれど、多くの方は興味のない金融の分野でもあります。先日、銀行員の方に短プラについて教えを請いました。日銀の短期金利(無担保コール翌日物)が上がると、銀行の短期貸し出し金利(短期プライムレート)が無条件で上がるらしいが、短プラは銀行が先行してあげる事もあるらしい。「仙台市 短プラ」で検索すると仙台市が各金融機関の貸出金利を簡潔にまとめてますが、秋口に上がる【カモ】という事。仙台の短プラ

そもそも日本の短期金利が上がると、「短プラ上昇」で企業の経費増加、「定期預金金利上昇」で消費抑制という安易な構図を思い浮かべると、まだ日銀が短期金利を上げするとは思えない。そんな空想が更に円安を誘導していきそうに感じてしまう(※ド素人の感想!)。でも日銀の仕事って「物価の安定」「金融市場の安定」だから物価上昇率を抑える為に金利操作はそのうちするよね。

先日発表された指標によると、2023年第3Q~2024年第1Qの前期比名目GDPは若干上振れで実質はマイナス成長。前年同期比の2024年第1Q名目GDPはプラスで実質GDPマイナス・・・。これをスタグフレーションと大学(←一応経済学部)で勉強した気がする。内容を見ると円安効果で儲かりまくってる企業が半数で、その他半分は微妙かマイナスという歪な状況。個人金融資産は前年比146兆円増(7.1%増)で円安の影響もあり、政府の純債務も減少(対外資産いっぱい持ってるから)・・・。「外国人に何かを売れる」か「海外資産を持っているか」とで、その差が大きく開いたのは意図しての事なのか、それとも偶然か。とはいえ、飲食も好調なところは好調で、価格転嫁ができて今まで通り売れてるかどうかが鍵みたい。景気がいいのか悪いのかさっぱり分からんが、一部の完全内需型商売と私のような一般労働者は物価高で苦しんでおり、そりゃ個人消費落ち込むわ。賃上げ効果が秋口からでてくる予想(←日銀の)でもあるので、デフレ完全脱却に向け政府も日銀も踏ん張りどころかもしれません。

色んな見解があるにせよ、中央銀行が金利を操作することで為替さえ大きく変動するので、金融政策の「考え方」を説く植田先生の発言はとても勉強になり楽しかったりします。ただ、金融引き締めを無風で成功したケースは「稀」であり、国内では成功したことがない(←植田先生発言)との事。某国発の〇〇ショックだって政策金利上昇の逆イールド期間を経て、何かが壊れて慌てて利下げってのが大体のパターンで、色々対策は進化してるにせよ、【最後の1マイル】(←植田先生発言!)に世界中が注目しています。取り合えず今月は7月30日・31日に日銀金融政策決定会合とFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されるので、両総裁のお言葉を聞いて自分なりにも考えてみたいと思ってます。何事も勉強の繰り返しだけど、先が見えないから、やっぱり老後が不安だよ~~(※関係ない??)。「円安でプラチナ相場が上がるな~」とか考えるのもう嫌なんですけど、打つ手なしかな(哀)。

本日は以上でございます。

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