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カラーチェンジガーネットとアレキサンドライト

鴫原質店の弟さんです。

ネット販売用に写真をパシャパシャ撮影して加工する単調作業が続く退屈な日常の中、たま~に「おおっ!これはっ!」と心ときめく品物があったりします。そんな個人的に何かを感じたものをブログで紹介したりするのが少し好きかもしれない。 指輪の商品画像今回の紹介するお品物はこの指輪。手間を省く為にネット用の商品画像をそのまま使用しますが、宝石が好きな方はこの青っぽい透き通った石を見て「あれかな?」と瞬間的に思う方が多いのではないでしょうか?。

そしてもう一つの画像を追加します。色が変わる宝石この画像をみて最初に想像した宝石名が確信に変わるかも。私自信はこれを見たら個人的に大好きな「アレキサンドライト!」を思い浮かべます。赤っぽいライトに反応して色を変える摩訶不思議な魅力を持つアレキサンドライトは宝石好きに特に好まれ、大きなものはとても高価です。

ところがこの鉱物様はアレキサンドライトではありません。ソーティング「今までの話の流れは何だった?」と突っ込みが入りそうな流れですが、なんとこの鉱物はカラーチェンジガーネット。「なんだ・・・ガーネットか」と誰かの心の声が聞こえてきそうな気分です。普通の一般的にありふれたガーネットは物量がとても多い為、2次流通ではさほど価値がつかないのも一つの現実です。とはいえ、キャンプファイヤーの焔に照らされて色が変わりすれば、私にはそれだけで魅力的なので、鉱物の名前や種類なんてどうだっていいところ。むしろガーネットがセッティングされている珍しさに好感がもてます。

見た目が殆ど変わらないこの2つの鉱物の違いを、どのように判別するかについて。蛍光性を確認してる画像屈折率を測れば分かりますし、ソーティングに出せば簡単に分かりますがもっと簡単な方法があります。暗いところで紫外線を照らすとアレキサンドライトは光に反応して赤っぽくなりますが、ガーネットは全く反応しません。理由は簡単で、アレキサンドライトには蛍光性があり、ガーネットには蛍光性がないから。とても簡単な判別法なので知っていて損はありません。相変わらず話がそれますが、私はブラックライトでダイアモンドを照らすのが大好きで、蛍光性のあるダイアモンドは元気よく紫外線に反応して青白く光ります。画像でも分かる通り、同じメレダイアでもこんなに違いがあって楽しいですよ(笑)。

ジュエリーに関する見解は人の数だけ違います。マネキンが指輪をしてる風景宝飾品の売買価値や使われている鉱物の価値だけがその楽しみ方ではなく、身につけた時の感じや見た目を重視する方も多いのが現実だと私は感じています。こんな感じで指につけた時、このセットされた鉱物がガーネットなのかアレキサンドライトなのか、見た目で判断できる人は恐らくいません。赤い光で変色する鉱物がセットされている綺麗な宝飾品であるこの指輪は、こ十分素敵なジュエリーとして成立してるのではないでしょうか。

ガーネットの和名は「柘榴石(ざくろいし)」でモース硬度(鉱物の硬さ)は7.0-7.5。1月の誕生石として知られている他、誰が考えたのか分からない様々な「宝石言葉」もあり、パワーストーンアクセサリーにも多く使用されます。一般的なガーネットと少し異なるカラーチェンジタイプガーネットにも様々な種類があり、その個体によって特徴的な色の変化があり、そしてまた白色灯や赤色灯など光の種類によっても色の変化が異なります。鉱物内に多く含まれるバナジウムや、鉱物形成段階における様々な物質の微妙な入り方によってその特徴は変化するので個体差が大きいんですね。GIAのホームページ(こちら)にガーネットに関する色々な資料があるので、ご興味ある方はご覧ください。英文の説明もグーグル先生が簡単に翻訳してくれる時代なので興味さえあれば簡単に楽しめます!。

今回取り上げたのはアレキサンドライトと同色に変色するものでしたが、青や赤やオレンジや虹色など変化する色も様々あり、そんな特徴からガーネットは「殆ど全ての色をカバーする」珍しい宝石の一つとなり、珍しいものはやはり高価かな。ガーネットは十分魅力的な鉱物で、素敵なジュエリーを構成できる一つの宝石であり、ブルガリなどのハイジュエリーにも多く使われいます。アレキサンドライトとガーネットの比較から始まりましたが、私的には「セットされた鉱物の名前や種類って重要なのか?」と、このジュエリーを見てると思ってしまいます。「なんだ・・・ガーネットか」とか思わずに、「ガーネットか!。珍しくていいじゃん」という考え方もありのような気がしますが、皆さんはどう思いますか?。

本日は以上でございます。

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