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カルティエラニエールのサイズ変更!

鴫原質店の弟さんです。

店頭に宝石を並べるまでの私の仕事の流れですが、最初に値札を造り、傷消し(表面研磨)、バフ粉の洗い流し洗浄、油落とし洗浄、写真撮影、画像の加工、というような工程を全て終えた後、値札を商品に付けて店頭に陳列します。

本日は、写真撮影までやったのに店頭に出せない商品をご紹介。それがこちら。

ラニエールの写真ラニエールの写真

カルティエのラニエールというリングですが、面取が多く研磨作業がとても大変です。研磨機との接触面を平行にして1面ずつこまめに磨いていかないと、面の角が丸くなってしまうので、地道に磨いていく必要があります。研磨をおこなった後にバフ粉を洗浄して、目につく傷があればまた研磨するという事を繰り返す為、この指輪の研磨作業だけで30分以上かかってしまいました。

それが終わると写真撮影!マクロレンズで見て気になる傷があると、研磨粉が入ったクロスで表面をなめし、できれば肉眼では見えないようにしてあげます。マクロレンズを通して物を見ると実物の数倍大きく見えるので、研磨や掃除などは撮影時は頻繁にやっている感じがします。

写真撮影も終盤に差し掛かったとき、撮った写真をみて違和感を覚えます。それがこの2つの画像です。

違和感がある画像違和感がある画像

この品物のサイズ表記は「49」(日本でいう9号)なのに、サイズ棒にさしてみると7号しかありません。カルティエのリングで、49の表記で8号とかは結構頻繁に見てきたのですが、2号も違うものを見たことがなく「こんなのあるのかな~」と皆に問いかけてみました。

(次の瞬間)

若手スタッフM君は「偽物なんじゃないですか?」と、、、、、そして社長さんは「刻印や作りを見てもものは大丈夫だ」といいます。私は「こういうのもあるのかな~?でもお客さんは納得しなさそうだから業者売りかな?」というような話をした直後、社長さんから「サイズ変更してない?」と強烈な発想がありました。

(数秒考えました)

ラニエール、、、、、、サイズ変更なんてできる訳がない!デザイン的に無理だし、、、、など思った後、撮影した画像を一応みてみたら。

サイズ変更の証拠サイズ変更の証拠

切った跡がある・・・・・・・・・。

サイズ変更するんか! というかできるんか!
信じられん(T_T;)です。

色々手を尽くした後の検品で、店頭販売をしないという商品はバッグなどでは多いです。ポケットの中の汚れやファスナ回りのトラブルなど、パッと見て分からないものが理由だったりします。今回のこの指輪に関しては、デザインの特徴上、サイズ変更?というか指輪をぶった切ることなどできないという概念から、このつなぎ目を最初から最後まで見ることができませんでした。

お客様に売ってからでは遅いのでとても良かったですが、先入観って怖いですね。手を加えたこの品物は当店で販売することはできません。業者売りか、はたまた金塊への道筋をたどるのか、少し考えてから少しでも高く売れることを模索したいと思います。

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