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2006年頃のロレックスの保証書について

鴫原質店の弟さんです。

先日のブログで、ロレックスの付属品である保証書がリセールバリューに影響する旨を書かせて頂きました。年々中古を扱う業者も、そしてまた中古品を購入する人も増え、中古市場が成長するにつれて価値観が変化したのだと思っています。昔の保証書を紹介しながら保証書に関する昔の記憶など書いていきたいと思います。

前回のブログを書き終わった後、店頭で販売しているロレックスの保証書を引っ張り出してきました。ロレックスエクスプローラーの保証書これは「ロレックス114270 エクスプローラー」の保証書で、2006年頃に海外のどこかの国で発行されていた保証書です。お品物はまだ在庫として店頭に飾ってあるので、ご興味ある方はぜひよろしくお願い致します。

エクスプローラーって何だろうと思う方もいると思うので商品画像を掲載します。ロレックスエクスプローラーの画像ま~こんな姿の時計ですとしか言いようがない(汗)。この時計の思い出話としては、1997年のドラマ「ラブ ジェネレーション」でキムタクがつけていた事で瞬間的に中古相場が急騰した過去があること。中古のロレックスを見ている人が少なかった時代に、需要が一気に膨れ上がった為、定価以上で中古品が売買されました。その時のエクスプローラーの型番は14270という5桁で、こちらの時計はそこからマイナーチェンジされた114270という6桁の型番なので正確には異なりますが、ロレックスに興味のない方にとってはどうでもいい違いにしか思えない些細な違いがあります。

保証書の話に戻りますが、この時計の保証書は1枚の紙を折りたたんでいるだけです。保証書の全体像この頃(2006年頃)の保証書は販売された国によっても書式が異なり、確か2007年頃より世界で統一されたカードタイプに移行されていったように覚えてます(違ったらすみません)。因みに製造番号の頭文字の「Z」という事から2006年頃に本体が製造されたものと分かりますが、今と違ってロレックスが飛ぶように売れた時代ではなく、2006年頃に製造されたロレックスが2007年に販売されればカードタイプの保証書がついている場合もあります。余談ですが、2005年頃に本体が製造されたデイトジャストが2016年頃に正規代理店で新品として販売され、カードタイプの保証書が付属していた事をブログで書いた覚えがあります(年数は違うかも)。

この頃の保証書には最新のギャランティーカードでは見なかった国番号が明記されています。保証書に記載されている国番号114270の上の「888」がそれにあたり、香港で発行された保証書という意味。香港は高級中古時計の貿易の中心地として活躍しており、その頃も国内から香港にロレックスを輸出している業者さんが沢山いました。今ほどその仕組みはオープンになっていませんが、国内で仕入れたものを輸出していたようです。もちろんその後の円高の状況では逆に、多くの品物を海外から輸入してたのかな。そういう貿易の拠点は香港以外にもあり、当社の社長も以前、東南アジア(←場所は秘密)に仕事という名の【海外旅行】に行ってきた事があります・・・。そういう事に気が付く賢い行動力のある方々は、多くの財を手にしたのではないでしょうか。

そしてこれは私の思い出ですが、香港の保証書は普通に雑です(笑)。何も書かれていない保証書書ける欄があるのに未記入なのが画像でも分かりますね。書いてある事も多いですが、ボールペンで雑に書かれている物なども多く見てきました。香港経由で未使用のロレックスを仕入れ(並行輸入)、日本でボールペンで記入するなどもあり、ロレックスの保証書に今のような厳格なルールは無かったように思います。平行輸入品で南アフリカの保証書を何度かみましたが、何一つ手を付けてないものばかりだったような。そういう国なんだろうか・・・?。そういう意味では2000年前後の時代、日本の正規代理店はロレックスの保証書に購入者の住所や名前までしっかりと印刷してましたが、かなりマメな事をしていた少数民族なのかもしれないと感じています(←事実不明)。

ロレックスの保証書について続けてで書きましたが、感じてるのは保証書の意味合いが変わってきた事かな。昔(2005年頃)の中古ロレックス相場は保証書があってもなくても同じ値段で取引されてました。そもそも保証期間の切れた保証書に意味なんてないですしね。ただその頃と比べてロレックスを購入する目的に変化があり、使う為に買う道具としての購入意識割合は低下し、どちらかというと投機的、又は、コレクション的意識が高まったような気がしてます。そんな背景によりロレックスの保証書は、時計の機能や動作を保証するものでなく、真贋保証を補佐する為の一つであり、「売る時に高く売れるから保管する」的な感覚が多くの人の意識にあるように感じます(←個人の感覚です)。

ロレックスの保証書の話からリセールバリューの話も絡んでしまい相変わらず話がまとまらない私ですが、最後にもう一つ全く関係のない話を。中央銀行の金融緩和によってばら撒かれた紙幣は様々な品物の価格を押し上げました。この約2年間で投資信託も株価も高級時計も古いスポーツカーも金も銀も、そして任天堂スイッチやプレーステーション、最近では牛肉や玉ねぎや小麦やウィスキーや日本酒まで、数をあげればキリがないほど様々なものが値上がりしてます。ロレックスもその一つだと思いますが、今後行われていくだろう金融引締のタイミングで、商品相場がどのように動くのか?。2008年のサブプライムローンショックの時にもロレックス相場が暴落した事がありますが、その時は相場に一喜一憂するだけの感覚しかなく、ロジック的な事を全く理解しておりませんでしたが、今後の仕事に活かす為にも、今の現状を注意深く観察していこうと思っております。とはいえ可能であればですが、商品相場は維持してもらいたいものです。抱えてる在庫価値が減ったら会社が大変なことになるので・・・。

本日は以上でございます。

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