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ダイアモンドソーティングについて

鴫原質店の弟さんです。

先日、中央宝石研究所(ホームページはこちら)にソーティングを依頼していたルースダイアが無事に戻ってきました。以前に納品されていた分も含めると合計14点のルースダイアモンドです。ソーティングをとった14個のダイアモンドこれらは今週末に開催される宮城質屋協同組合の市場に出品します。毎月の通常の市場とは異なり、8月の市場は大会と呼ばれており、各質屋より高額商品が出品される傾向があります。そしてまた、開催場所も温泉ホテルなどの会議室を借りて開催され、通例であればそのまま温泉に宿泊して深夜まで宴会が続き、そして次の日はゴルフなど、同業者のコミュニケーションを深める親睦の場としても長年続けられていました。ただ、昨年はコロナの影響により宿泊も飲み会も無しになりましたし、今年も昨年同様に寂しい大会になりそうです。

前にダイアモンドに関して書いた事があるのも、恐らくはこの時期のはず。グレーディングがいいダイアモンドを取っておいて、纏めてソーティングをとり、この時期の大会で売却するのが当店ルーティンです。大会には通常の市場に参加して頂いている宝石業者様の他に、とある大手企業のダイアモンド専業バイヤーさんも来るため、値段に全くブレがない安心感があります。そういう理由もあり、特に良いグレードのダイアモンドだけは長期間保管しているわけです。

因みにソーティングとは、鑑定機関の簡易鑑定書の事で、そのダイアモンドの「カラット、カラー、クラリティ、カット」の4Cに加え、蛍光性などの追加情報が枠の下に記載されます。値段を決める要素が鑑定機関により確約されるので、買手とすれば安心して値段がつけられますよね。例えばこのダイアモンド!。最高峰のグレーディングレポートこのレポートを見た場合にダイアモンドを見る事なしに値段をつける事が可能かもしれません。一般的に言われる最高峰グレードですね。いや・・・・・やっぱりダイアモンドは見るかも・・・・、必ず見るよね。ダイアモンドの照りとか、そのダイアモンドレポート通りかなど必ず見ます。とはいえ、ダイアモンドを見なくても値段の想定はできるって感じかな。

今回の14点のルースダイアで一番高額なのはこちらのお品。2カラットのダイアモンドレポートグレードだけ見ると「いまいちじゃない?」と思う方もいると思いますが、2カラットオーバーのVS2は最近では珍しくなりました。市場が終わった後にダイアモンドうんちくをまた書くつもりなので、実際に売れた競り値も合わせてご報告します。

1カラットオーバーのダイアモンドに関しては多少グレードが弱くてもソーティングを取ります。1カラットのソーティングレポート赤丸のところのグレーディングがいまいちと思う方もいるかもしれませんが、1カラットを越えるとクラリティが「I1」か「SI2」かで金額にものすごい差が出る為、その判断を確定させる為にあえてソーティングを取ります。1カラット以上でで「SI2」と「GOOD」が合わされば、例え「I」カラーでも結構な金額になるのでとても優秀な商材です。

とはいえ1カラットオーバーでも、カラーやクラリティやカットの全てで総合的に悪いものは、ソーティングを取ることもありません。例えばこちらの指輪も1カラットのダイアモンドがついてますが、ルーペで視認するだけで直ぐに分かる様々なマイナス点があります。1カラットのダイアモンドリングそのマイナス点の一部を撮影してみました。石の内部や割れている映像市場に参加されるバイヤーさんのスキルが非常に高いので、このようにルーペで見れば簡単に判断できるものが特に多いものは、ダイアモンドのグレーディングというよりは色石的な感覚で値段を決定する事が多く、バイヤーさんの判断により値段もまちまちです。ダイアモンドの専門家のなかで一番高く買ってくれる人に委ねるだけかな。宝石としてダイアモンドをみる目線だけでなく、鉱物として様々な視点で覗き込む事も大切です。(写真の精度がいまいちですが、ダイアモンドの色々な部分にクラックや割れ、そして一部のインクルージョンを撮影してます。)

結婚指輪なんかに使われることが多い0.5カラットのソーティング。0.5カラットのソーティング3個の画像このくらいの重さ(カラット)だと、選んだダイアモンドしかソーティングを取らないのでグレードがいいのは当たり前です。しかし今年は数量が少ないな(涙)。でも「D、VVS2、GOOD」とかいい響きだ!。

更に結婚指輪に使われることが多い0.3カラットのソーティング。0.3カラットのソーティング4個の画像扱う多くのダイアモンドの中でグレードが良いものと判断したものだけをソーティングに出しているので、グレードがいいのは当然なのですが、このクラスの数量が品質に関わらず極端に少なくなってきたように思います。当店の社長曰く「今年は随分すくないな~」との事。

ダイアモンドの数が少なくなってきた理由は色々と想像できますが、お客様の需要そのものが変化してきた気がします。15年位前であれば、店頭で1カラットのダイアモンドペンダントや指輪などは本当のスター商品でした。グレードに関係なく、【1カラットのダイアモンド】という言葉に価値を感じられるお客様がとても多かったことを覚えています。そして今現在、1カラットダイアモンドを探すお客様は本当に少なくなっており、そういう需要自体が少なくなってきたのかな?と感じています。またそれと同様に、高額な質のいい宝石(←様々な)に関して、日本人の多くの方が余り興味を示さなくなったような・・・。もちろん宝石が大好きすぎる人もいますが、全体的な絶対数が減少している気がするという意味です。

【以下 私の妄想で事実ではありません】
私にとって、「結婚する時にダイアモンドリングを渡す事」は、当然の事であり使命(=やらなければいけない事)のようなものだったと思います。

そして20年も時が流れると、その当たり前だと思っていたことが、実は単なる流行であり、その流行りの中で出来た固定概念が文化として根付いていたのかもしれないと感じています。今時の結婚ってどのくらいの割合でダイアモンドリングを渡すのかな?。渡さない人もいっぱいいそうな気がします。

考えてみれば、40年前の流行として、お嫁にいく時に着物を持たせた文化がありました。そしてまた、その更に前ではお嫁に行くときに箪笥を持たせるという文化もあったようです。例え話の視点が完全にズレているますが、言いたいことは文化の話です。流行や固定概念から生じる風習を文化とするのであれば、文化はその時代ごとに変化していき、その変化が新しい常識を生むのでしょう。箪笥も着物も今時では持たせないし、もしかしたら「結婚=ダイアモンドリングを渡す」という文化が既に変化しているのかも。何となくですが、「結婚する時はダイアモンドを渡さないといけない」という意味不明な使命感そのものが、もしかしたら誰かによって植え付けられた固定概念のような気もします。私も結婚する時ダイアモンドリングを渡しましたが、20年以上その指輪を見ておりません。因みにプラチナの婚約指は夫婦揃って「無くした派」です。指輪を買わずに海外旅行にでも行って、思い出作りをすればよかった・・・・というのは今だから思う感覚なのかしら?。

何故かは知りませんが、ソーティングの話からとんでもない方向に話が変化していきました(笑)。一体何を書こうとしていたのだろう(反省)。いつもの事ですが、書きたいように書くと曲がっていきます(←性格が曲がっているのでしょうがない!)。修正するとまた時間がかかるので、このまま終わりたいと思います。読みづらくてすみません。次回の更新でダイアモンドのグレードを決める部分に触れたいと思います。ちょうど目の前に教材のあるうちに写真だけ撮っておきますね。

本日は以上でございます。

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