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ダイアモンドのカラーグレードについて

鴫原質店の弟さんです。

前回の流れの続きで、本日はダイアモンドのカラーグレードについて書いていきます。正直言って、カラーグレードの説明が一番難しい・・・・・・。無色の「D」カラーに黄色味が混じってくるとカラーグレードが段階的に落ちますが、「D-E-F-G-H-I-J-K-L-M」と非常に細かく分けられております。感覚的な世界なので、単純に見比べてフィーリングが伝わればいいかな~という程度で考えてます。

まず最初に教材として比較するのはこちらのルースダイアモンド。比較するダイアモンドのソーティングレポート最高グレードの「Dカラー」とそこから3段階下がる「Gカラー」です。この程度の差でデジカメの画像で色の違いが分かるのだろうか‥‥、というのが私の本音。

祈りながら写真を撮影した画像がこちらです。DカラーとGカラーを横に並べた画像一応ですが、光が反射していない部分を比較するとGカラーのダイアモンドが黄ばんでいるのが分かります。どうなんだろう?分かりますかね?(汗)。余談ですが、ダイアモンドの黒っぽく見える部分に関してはカットグレードが関係しており、「エクセレント」と「グッド」の差が露骨に撮影する事ができました!。「カットグレード」がいいと黒い部分が減ります。

少しくどいですが撮影環境を変えました。でもこれは話の流れで必要な事です。白い背景に変えてDカラーとGカラーを横に並べた画像こちらの画像でもダイアモンドの真ん中位を比較すると黄色さが分かります!。ただ背景の白がダイアモンド全体に侵食して黄色味が薄くなっているので、前の画像の方が分かりやすいと思います。このように透明なダイアモンドは背景色やその周りの色の影響を大きく受けてしまいます。

次に選定するダイアモンドを変更して、今度はこの3つで比較してみます。DとGとIカラーのソーティングレポート「Dカラー」と「Gカラー」は先程と同じですが、「Iカラー」を選んでみました。

選んだものを3つ並べてみます。DとGとIカラーを並べてみた画像ピントが合っていない右端がDカラーで、左が「Gカラー」、真ん中が「Iカラー」です。Dとの比較は簡単ですが、「G」と「I]の比較はとても難しいかもしれません。どっちが黄色いか…って言われてもね(笑)、というのが普通の感覚なのではないでしょうか。こんな微妙な違いで、更には照明の色や光量、そして背景色にも影響されてしまうので、ダイアモンド単体でカラーを完全に判別することはとても難しい事です。

ダイアモンドのカラーはこんなに些細な違いの話です。しかも透明なダイアモンドは背景色の影響を確実に受けてしまう事もご理解頂けたかと。そして次に通販ページから3パターンの指輪を画像を借りてきました。台座の違う3つの指輪の画像画像の上2つは金色の台に設置されているのでその影響をモロに受けています・・・・、というか黄色いダイアモンドです。無色透明のダイアモンドを金の台座の上に載せても、実はその意味があまりなく、金の台座にはカラーグレードの良いものを使わない傾向が昔からあります。またプラチナ台だとしても、レールセッティングされているものも指の色に大きく反応してしまいます。

無色のダイアモンドを強調する場合は、他の色に影響を受けないように工夫された台座が必要であり、そのような宝飾品は古風と思えるようなデザインが多いかもしれません。例えば、昭和の時代に流行していた「縦爪のリング」は本当に良質なダイアモンドとの相性が抜群で、別に古いデザインという訳ではなく良質なダイアモンドを使った結果、あのデザインの指輪が多かったのだと思います。画像左下の指輪は海外で造られた品物ですが、とても良いダイアモンドを使っており、このような高さ(指からの距離)や、例えメレダイアでも周りの色に影響を受けないように一つ一つに台座をつけるなどの工夫がされていて、ダイアモンドの品質がしっかりと活かされています。

最高級の無色のダイアモンドばかりを使用しているものは、当然いい品物に間違いありません。ただ、前回と同様に費用対効果は必ず出てくるお話です。「Dカラー」と「Gカラー」ではお値段にかなりの違いがありますし、「Gカラー」と「Iカラー」でも結構値段が違います。私もたまに見るGIAのホームページ(こちら)で贅沢にも「Dカラー~Zカラー」までの色見本が掲載されます。中盤のGIAカラースケールという部分ですが、良かったら見てみて下さい。

グレードが良いダイアモンドが設置された縦爪のダイアモンドリングは、今時分では宝飾品として身にまとう人は減っています。その理由は「ダイアモンドのグレードがどうこう」という問題ではなく、ファッション性の問題が大きいはず。そういう目線でみれば、ダイアモンドを鉱物として見た場合のグレーディングと、ダイアモンドを宝飾品の一部として見た場合の評価では、価値観が大きく違うのかもしれません。ブラウンダイアは専門家が鉱物として評価したグレーディングでは相当下の価値になってしまいますが、素敵なデザインに仕上がっていれば宝飾品としての価値は十分あるのも事実です。「ダイアモンドを鉱物として見るのか」又は「宝飾品の一部としてみるのか」で価値観は大きく異なり、宝飾品の一部である場合、最高級グレードのDカラーにこだわる必要が無いようにさえ思えてきます。もちろん、全てが無色透明のDカラーであればより良く高額な物でしょうが、費用対効果の話は必ず出てくる部分。繰り返しますが、宝石は自分の余裕のある範囲で楽しむものです。グレードとかに拘らず、自分の好みのデザインで眺めている事が楽しく満足できる品物であれば、「いい物」として所有する事に喜びを感じ、それこそが費用対効果がいいものになると私は感じています。

最後に私の好みですが(←いらない!?)、宝飾品としてデザインが素敵でお洒落に感じられ、ピカピカと徹底して光るものが好きです。実はこのピカピカと光るダイアモンドは、カットグレードとある程度のクラリティが必要で、カラーグレードと光るダイアモンドはあまり関係ありません。ブラウンでも!ライトイエローでも!ビカビカ光るジュエリーはにとても魅力を感じます。お値段的に私でも買えそうだしね!。「あれ??」、これってカラーグレードと全く関係ない部分ですね!(汗)。

本日は以上でございます。

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