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50年前のROLEX その2

鴫原質店の弟さんです。
前回の続き。今日は50年前のROLEXの保証書について。
まず表紙からです。

年代物と思えないくらい美品ですね。

そして1ページ目がこちら。

驚いたのは文字などではなく、曲がって印刷されている点。
現在のROLEXについている冊子がこんなに曲がって印刷されていたら、大体の方が偽物扱いするかもしれませんね。ただこの当時の印刷技術というものもあるので、歴史を伺えるものだということにしたいです。

数ページ見ると写真や武勇伝などの記載があります。

(下記原文の丸写し)
ライン河に誤っておとしたROLEXのサブマリナーは、3カ月後に引き上げられた時、動いていました。
この文面をみて2つほど思った事。
ひとつめ:サブマリナーがサブマリーナにいつ変わったのか
ふたつめ:3カ月も動き続けたのか、引き上げの際に振って動かしたのか
ま~どうでもいい事ですがなんだか楽しくてしょうがないです。

このページが特に曲がって印刷されてました。

上部の余白に青い〇をつけましたが大きさが違うの分かりますよね。
恐らく、印刷されている内容は全部同じなのでしょうが、個々に曲がり具合には差がありそうですね。

見た瞬間笑ってしまった箇所がコレ!

私は質屋で中古のROLEXを何本も見てきましたので、このことは当然知っているしやったこともあります。プレートを曲げることでクラスプのはまり具合を緩くも固くもできるのです。そしてそれは例えば2007年頃に造られているROLEX(例えばサブマリーナ16610)でも同じことがきます。笑ってしまったのはそのことが保証書兼説明書に明記されていた点です。中古の時計でクラスプの具合が弱いものを「力で曲げて調節する」ことに対して罪悪感を覚えていた時期もあったのですが・・・・・。

なんということでしょう!
ROLEXがそれを推奨していたのですね!
私は悪いことは一切していなかったのです。
この点は本当に笑えました。

一体いつくらいまでこの表記があったのでしょうか。
古めの取り扱い説明書などが入ってきたら一つ一つ確認していきたいと思います。

最終ページにはメンテナス表のようなものがありましたが未記入です。
メンテナンス保証書も別にあるのでこのページは使われることはなかったのでしょうか?

1979年2月に正規のサービスでオーバーホールをした記録ですね。

ここで保証書の紹介は終了です。

前オーナー様。50年間大事にしまっていてくれてありがとうございました。
このROLEX1601はこの保証書と一緒に次のオーナーへ辿り着くまで流通の中で動いていくのだと思いますが、いつまでも本体と保証書が夫婦のようにくっついていられるオーナー様に辿り着けるようお祈りしております。
大変貴重なものを見せて頂きありがとうございました。

終わり。

本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
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