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質屋の道具「キズミとその重要性」

鴫原質店の弟さんです。
前回の続きで本日はキズミがいかに大切かをご紹介。
2回前の更新の内容とだいぶ被ります。

先日、カルティエのリュバンという電池時計がインターネットで売れました。
当店では発送前に電池を新品に交換しますのでその時の様子を絡めてお話を進めます。
※売れたものの電池交換をするってなんていいお店なのでしょう!

その時計のムーブメントがこちら。kizumi3kizumi3

カルティエのレディース時計のムーブメントはとても小さく、そしてパーツが繊細に作られている為に私個人的にも好んで触りたいとは思いません。特に嫌なのが上の画像で意味ありげに青く〇をつけたネジ。このネジを外すと下の画像のようになり、電池を取り除くことができます。(ベニュワールと同じ構造です)
kizumi4kizumi4

なんだかムーブメントの話のみで終わりそうな流れ?
まぁ~書きたいように書かせて下さい。
実際の作業風景はこちら。

意味ありげな青〇に気づいて下さい。
kizumi5kizumi5

これが上の拡大画像でご覧いただいた嫌なネジの本性です。拡大してもこんな感じ。
kizumi6kizumi6

長さが2mm未満ですので直径も当然ながら小さいです。落とすとまず見つかりません。
そして最悪なことに、上の画像で見て分かる通りネジが無い状態では電池を抑える金色のプレートは反り返りがあります。つまりコレ、とっても上手にやらないと、ネジを回していく途中にネジ山が出きった瞬間にこのプレートがポンっと反り返り、このネジさんがピョーンとどこかに飛んでしまいます。

ちなみに私は経験者で、このネジは代用品がきかず、飛ばしてしまうとカルティエのコンプリトサービスでムーブメント全体の交換という恐ろしい事態が待っています。その費用は5万円をこえ、このネジだけを買うなどという生易しい事はできません。だから決して気を抜けない作業です。

そしてこのネジはドライバーを入れる溝も0.15mm程度なので普通の精密機械ドライバーなどはネジ山に入りません。私もカルティエ専用ドライバーをわざわざ作った人間です。非常に細かいこのネジは前回紹介したベニュワールなどでも使われていて結構頻繁に見ますしいじります。

やっぱりムーブメントの紹介で終わりそう(汗汗)。
※ここから頑張って方向転換します!

画像では伝わらないかもしれないので実際に作業風景だけでも想像してください。直径が僅か1cmのムーブメントの僅か直径0.2mmのネジを外す必要があるのです。片手にドライバーをもち片手で時計やパーツを押さえます。当然ですが肉眼ではネジ山さえみえません。そんな超ミクロの作業を支えてくれているのがこのキズミです。(重要でしょ!)

前回も書きましたが私は通常のキズミを装備できません!それ故、余計にこのキズミに関しては愛着があります。最初見た時はこんなのがあるぞ!と感動しました(笑)。
(最高ですよね)

でもキズミの紹介ではあまり重要性が伝わらない?などと前回は書きながら思ったので補足的にその重要性を書いてみたけど、一般的に考えればやっぱりただの拡大鏡でしょ?と思われそうかもしれませんね。自分が使えなかったものを補足しながら使えるようになった「メガネ専用」っていう部分が特に好きな部分なのかも!

今日はここまで

鴫原質店では大体の時計は600円で電池交換をしますが、このように専門的すぎる時計は800円位でやらせて頂きます。時間がかかりすぎるのでご理解下さい。

本日も鴫原質店のスタッフブログをご覧いただきありがとうございました。
時計の修理/電池交却/販売/買取は仙台の鴫原質店へ
お見積は無料ですのでお気軽にご利用下さい。

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