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思い出の着物と七五三のお参り(前編)

鴫原質店の弟さんです。
今回は少し前の休日日記でございます。

この日の数日前、家の奥の部屋の更に奥深くで、静かに長い間保管され続けていた「子供用着物」が掘り出されました。祖母が仕立てた着物この着物は呉服店を営んでいた亡き祖母が、私の子供用にと仕立ててくれた思い出深き品物です。その時は孫が1人しかいなかった事もあり、とても可愛がってくれました(感謝!)。3歳用と7歳用の2つの着物を仕立ててくれましたがどちらも一級品です。

正絹で仕立てられた子供用着物というだけで驚きですが、特にこの白という選択がどれだけ贅沢な事か!。幼児が化粧をしてこの美しい着物を纏い、汚す事さえ厭わないという祖母の覚悟と愛情をヒシヒシと感じます。今思うに、だからこそ「晴着」と呼ぶのだろうか。約15年前に仕立てられ、上の子の七五三、そして兄の結婚式の合計2回のみ長女によって袖を通された、そんな着物が13年ぶりに私の前にその姿を現しました。

この日はそんな着物をチビ助に纏わせ、塩竈神社に七五三のお参りをしてきたお話です。神社の入り口で撮影した子供の画像これは鳥居の前で撮影したものですが「超絶不機嫌」です!。顔を隠してるので分かるはずもないですが、おばあさんのように曲がった背中と、こちらを見ようともしない仕草に注目かな。素行そのものが荒ぶっており、機嫌取りが大変です。気分をのせてしまえば、いつもの如く沢山のポーズを決めてくれると思うのですが。

長くなりますが何故に粗ぶっているか?について。
約20年前より今に至るまで、「七五三の写真撮影はスタジオで!」という新しい文化が形成されました。「着物の着付けは無料」、「スタジオ内での貸しドレス無料」、「お化粧も無料」、「貸衣装の貸出は格安で」、そして撮影料はとっても得をした気分になれる3千円!。愛する子供は素敵に着飾り、アイドル気分を満喫しながら最高の微笑みを見せてくれます。そんな素晴らしい環境と、カメラマンさんの撮影技術によって映し出された沢山の素敵なわが子の晴れ姿は、あれもこれもと残したくなるのは自然現象です。

そしてそこには「七五三の記念!」にと、沢山撮影した写真を一冊の本に超絶最高に仕上げてくれるパッケージ料金が用意されています。お金の事を気にしながらも、「こんなに素晴らしい姿は残したい!」と思う心は、多額の出費さえ許容してしまいます。親も子供も皆ハッピーにさせるとてもいいビジネスモデルで、私は全ての子供にこのパッケージプランによるアルバム制作を依頼してます。(最低5万円~!)

そしてここからが子供の機嫌を損ねた本題!。
子供はスタジオに到着した後、自分が着たいドレスを選び(数着でもOK)ます。ドレスに合わせて髪型と化粧をメイクさんにして頂き、カメラマンの上手な誘導に応えるべく最高のポーズと笑顔を振りまきます!。そして衣替えのタイミングでは髪型とメイクを変更し、繰り返し最高のポーズを要求されて続けていくのです。その後、数十枚も撮影された最高の写真の中から、残したい写真と枚数の選別に移行するのですが、この時は親の悩みと裏腹に子供は完全放置状態。(←この時間を私たちは後日に回してます)。「可愛い写真は全て欲しい!」と思う心を抑えながら、「財布の中身」と「でもこれは絶対欲しい」という思いの葛藤が長い時間続くのは私だけではないはずです。簡単に言いますと、これだけで2時間以上もかかってしまい疲れない訳がありません。

その結果が招く代償ともいえる状況がまさにこれ!。(うちだけじゃないはず)車で寝てしまう子供神社に到着する頃には眠りについてます。何度か経験を積んだ私は「写真選びは後日ゆっくりと」を選択し1時間程時間の短縮をしてますが、慣れない衣装や車での疲れる体制を強制され、挙句の果てには「喉が渇いた」と言っても水分を余りもらえない状況です(トイレの為)・・・・・。この虐待かもしれない状況こそ、今時の七五三あるあるなのではないでしょうか。

車での移動時はこの腰帯が曲者です。着物の腰帯寄っかかると潰れてしまい着付も台無しになるから。その為、背もたれに背中を着けないとか、横を向くとか工夫はしますが、女の子の七五三の苦労あるあるです。因みにこの帯セットは亡き母がプレゼントしてくれた思い出のある品物で着物と同様に13年ぶりの登場した品物です。

そして眠りについた事による最強の寝ぐせ!。最強に乱れた寝ぐせワックスは既に固着しているので応急処置にて対応しました(笑)。これは私と長女が爆笑して記念撮影していた画像です。昔ほど固執しなくなったので今でこそ笑えますが、長女の時は全てが必至だった記憶があります。七五三は子供の為にやるもので、親の自己満足を満たす為の行事ではありません。そんな風に思えるようになったのは、ここ数年のことで、昔ならこんな状況を「自分の事を棚に上げて」意味もなく叱っていた気がします(←本当に反省)。スケジュール設定そのものに問題があるとか、そもそも親が着付けや髪のセットができないのが問題で、それ故にこういう事態に対応できないのが悪いとか、年齢を重ねた今現在はそんな風に思うようになりました。近年の日々の目標は子供の事では無駄に怒らない事と焦らない事かな。

長くなったので本日はここで終わりにします。思うままにキーボードを打ち続けたら、本題に辿り着きませんでした。続きは時間をみてテケテケと書いていこうと思います。尚、「車での姿勢」と「水分控える事」は、お子様の為の事とご理解下さい(汗)。またこのチビのお世話係は3人の大人が必死で機嫌取りに努めていて、今回は経験上で最もトラブルが無かったいいお参りだったと感じています。

本日は以上でございます。