こんにちわ。鴫原質店の弟さんです。
今回は私的な日記で、質屋とはな~~~んにも関係ないです(質屋と関係ない話は結構多いですけど‥‥)。内容はしばらく前の話になりますがコロナ渦における出産の体験実話です。もしかしたら数日で削除するかもしれませんのでご了承下さい。
通常時の出産は、立会などに備え父となる男性にもいくつかの事前講習があります。それが普通だと思ってましたが、コロナ渦において、そのようなものは一切なく、また父親が病院へ行くこともありませんでした。このブログにたまに登場する娘の出産の時は、深夜の同じ時間帯に3人の出産が重なり、病院側も大慌ての状況。手が全く足りない状況だったこともあり、何の経験もない私が助産師さんの指示により、「ここを強く押して!」とか「お父さん力緩めて」とか、散々に怒鳴られて出産のお手伝いをした事も今ではいい思い出です。そしてコロナ渦においては、感染対策が重視され病院に一度も入れてもらえません。子供達の出産を全て立ち会ってきた私にとって、とても悲劇的な事でした(哀)。
予定日を控えた数カ月前、病院からこちらの紙を頂きます。 ポイントを青い〇で囲んでみます。来院する時の約束事項として「体調が悪い時や発熱時」そして「家族が発熱しているかどうか」なども事前に電話で報告して来院すること。また病院に入院している間、面会は一切できず、電話での問い合わせにも対応ができないということ(個人情報保護の為)。
また、事前に同意しなければならない事があります。入院するタイミングでPCR検査をおこない、陽性がでた時は帝王切開で対応する旨が記載されてます。出産予定日の随分前からこの件について同意が必要です。また帝王切開をするときは、家族が病院の敷地内(駐車場)で待機という指示が明確にあります。万が一の何かに備える為とのことです。
「コロナに感染しないよう努力する」というのは当然の事でしたが、途中から状況が変わります。高齢出産の影響によるものか定かではありませんが、中盤から妊娠糖尿病の症状がでて、インスリン注射が処方され服用することになります。糖尿病だと重症化しやすいと言われており、そこからは「絶対に感染してはいけない」と意識が変わります。母体と子供の両方を失う可能性を考えると、外食さえ怖くてできませんでした。更には社会人として信じられない事ですが、2カ月ほど業界の市場(競り場)も欠席し、徹底して人との接触避け続けます。コソコソと人との触れ合いを避け続け、最初こそ違和感がありましたが、良くも悪くも自然と周りの輪から離れていき、その状況が普通となり気にもしなくなります。
そしてようやく、待ちわびた時をむかえます。ただ、非常に悪いタイミングで風邪のような症状があり、時より咳が出る体調のまま陣痛が始まりました。家族全員の体調と陣痛の間隔を産科に何度も連絡し、来院指示がでたタイミングで車を走らせます。病院の駐車場に着いたら「連絡を下さい」とも言われました。そして駐車場に着いたことを電話で伝えると「そちらに向かうので車で待機していて下さい」という事。車の中で陣痛に耐える母体を心配しながらの時間なので、「まだかな?どうしたんだろ?」など、とても長い時間に感じたのを覚えています。5分程度が過ぎた頃、全身防護服の先生と看護婦さんが迎えに来てくれました。「まずPCR検査をしますのでお父さんは駐車場で待機して下さい」と離れた場所から伝えられます。そして「PCR検査の結果は約1時間後になるので、いつでも対応できるようにして下さい」との事。そう言い残し、母体と荷物を病院内へ運んでくれました。病院の感染対策が想像をはるかに超えており、逆に安心感がありました。風邪の症状があるので先生方も怖かったと思います。本当にありがとうございます。
真っ暗な駐車場で一人ポツンと待機指示を遂行していると、30分ほどの時間が過ぎたところで奥様から着信が入ります。「産まれました!」との事。電話の向こうでは赤ん坊の声が大きく響き渡っており、長い期間の苦労が終わったことで安堵しました。色々な感情が溢れ出しますが、その電話の中で看護婦さんより「もう帰ってもいいですよ」との優しいお気遣いが‥‥‥。産まれたてホヤホヤを見る事もなく、一人寂しく帰路につきました(悲)。
帰宅後は少し興奮してたこともあり、長い禁酒生活に終止符を打ち、ひとりで祝い酒!。すると飲み始めて10数分後に病院から電話が!。「何かあったのか!」と焦って電話にでると「PCR検査は陰性でした」との事…‥‥。夜中の2時過ぎの連絡にしてはパンチの効いた連絡です(笑)。「そんなことか~」とも思いましたが、院内の環境においてはこれが重要事項なのかもしれません。検査結果がでるよりも出産の方が早い事を想定していないスキームでしたが、病院側の対応にとても好感があります。考えてみれば、本当に命のやり取りをしている現場です。風邪かコロナかは凄く重要ですよね。でも電話が鳴った時は心臓が止まるかと思うほど焦りました。
男性にとっての出産は少し他人事な部分が確かにあります。ただ、今回は色々なことが重なり必死に手伝いができたと思います。
(掲載した症状の画像は、本人の依頼により5月12日に削除しました。)
妊娠糖尿病や下肢静脈瘤、そして全身の浮腫みなど今まで経験したことがない事ばかりに加え、コロナ渦の不安感が募った長い期間でした。「出産は命がけ」と昔から言われておりますが、今回は特に「命がけ」を痛感し続けたので、沢山の感謝を奥様に伝えてます。
尚、下肢静脈瘤については出産後に自然に薄くなり症状が良くなりました。また、糖尿病の症状は消えインスリンも不要な生活が戻り安堵しております。象の足のように浮腫み切った足も自然完治していきました。若い時は気づきませんでしたが、出産がどれだけ大変な事か改めて学んだ出来事です。
ニュースでも報道されてますが、本当に医療が必要な時に病院にさえいけない事が現実であるようです。宮城県においても感染が拡大するにつれて、「病院は大丈夫だろうか」と不安になったこともありました。医療現場の皆さま方へ感謝し、自分自身が感染を広げないように用心する生活を継続したいと思います。
(最後に)
人口統計を見ても歴史的に出産数が少ない時期にに新しい家族を授かりました。宮城県における出生率は全国で下から2番目の低さという事です。幼稚園の願書を出す為に真冬の寒い中、徹夜で10時間並び続けたこともありましたが、恐らくこの子の学年ではそういう苦労は無さそうです。近くの学校が無くなってなければありがたいのですが…‥。
とあるデータによると、2040年の宮城県の人口分布は人口の2.6人に1人が65歳以上となり、現在の市町村体系の維持が難しくなる可能性も。消費者の減少により、多くの商店や施設の維持が困難になるのかもしれません。少子化の理由は様々あると思いますが、その理由の一つには先行きの不安や経済状況などもあると思います(事実は知りませんけど…)。欲しい人に諦めではなく、前向きな希望を抱いてもらう為に、国や自治体にこそ頑張って欲しいところ。様々な支援拡充により、どんな状況の人でも安心して子育てができる環境を整備して頂けたらと心から願うばかりです。
本日は以上でございます。