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明治時代より続く実家について(前編)

鴫原質店の弟さんです。

今回は11月のとある休日の出来事です。その日は小学校の体育館が取れなかった事で子供のスポ少が急遽お休みになり、私にとってはとても稀な「何も予定がない休日」ができました。1日フリーなので暫く行ってなかった(嫁方の)実家に日帰り帰省し、孫たちの成長を見てもらう事にします。義母が子供達に合うのは約半年ぶりなので、突然の訪問にも関わらず楽しみに待っていてくれたようでした。

尚、今回のブログは実家に帰ったお話ではなく、実家そのものについて。良い面と悪い面はあるものの、私にとっては心のどこかで憧れてしまう環境だと感じています。そして自分がどれだけ恵まれた環境で生活しているのかが実感でき、多くの事を考えてさせられてしまいます。掲載画像が多くなるので前半と後半の2回に分けたいと思います。ご興味がある方はご覧ください。

福島県のとある市の更には山の中。大自然に囲まれたところに私たちの実家はあります。道路からの実家の外観道路から3枚の写真を撮ってきました。樹齢何年かは知る由もありませんが、とんでもなく大きな木に囲まれた広大な土地にその家は存在し、木々の間から屋根が少しだけ垣間見ることができます。ここを最初に訪れたのは25年も昔の事で、最初の印象はそれは驚きの一言。住んでいる地域や環境は人それぞれ異なりますが、私にとってここの環境は体験したことがない世界感で包まれています。

大きな木の間を奥に進むと、明治時代に建てられたという母屋が見えてきます。母屋の写真大政奉還により徳川の時代から明治の世に移り、様々な出来事を経て明治時代は45年間で終わりますが、この建物はいつ建てられたのかとても興味深々です(明治のいつよ?)。築100年以上なのは分かりますが、時間軸が違い過ぎて聞く話全てが雑なんですよね・・・。例えば昔、この母屋では昔養蚕業をしており、蚕を飼っていたとか。義母がここに嫁ぐ前の話のようで、詳しくは聞けませんが、ここに来ると「昔っていつだ?」と色々な場面で感じてしまいます。

母屋が見えたところから先に進むと玄関が(画像右上)。玄関の風景そこを開けると土間(画像左上)があり、その先には薪が無造作に置かれています。尚、右下の画像は建物の外に沢山重なっている薪を撮影したもの。私たちの日常にはない世界感が実生活としてここには残っていて、そういう部分を見る事ができる貴重なところです。そして私も子供達もこの家が大好きです!。尚、お嫁様はあまり好きではなさそうです・・・。おばあちゃんに会うために、怪しいドレスを身に纏う不思議少女と薪のミスマッチがいい感じかな。

土間の左の戸を開けるとそこには居間があります。今はそこに薪ストーブが置かれていて、煙突の「カランカラン」という音や薪が燃える時の「パチパチ」という音が常に聞こえ、心地よい暖かさと何とも言えない雰囲気を味わえます。居間の薪ストーブストーブの上の風車が温度計替わりで、この風車の回り方を見ると状態が分かるということ。燃えるものが無くなくなると、ストーブの温度が低くなりこの風車が止まるという先人の知恵。回転が弱くなるのを見て新しい薪を入れれば寒い思いをしなくていいという、まさに感動という言葉に値する知識だと思います。新しく薪を入れる時に煙が部屋中に充満しますが、こういう古民家には今流行りの気密性などはありません。直ぐに新鮮な空気がどこからか入り込んでくるから不思議です。私は所詮25年のお付き合いなので知りませんが、昔はここに囲炉裏があったという事です。繰り返しますがこの家に来て思う事があります。昔っていつだ・・・・?。この時間軸の中では私がここに初めて来た25年前は最近の出来事になるのでしょうか。

玄関を入った正面の戸を開けると土間続きの台所があります。台所の様子土足でも入っていける土間続きに不思議といい雰囲気を感じるね。そんでこのキッチンには明かりが電球1個という衝撃的な環境。正直言って夜は結構怖い場所かも。綺麗に整理整頓されているので不安はありませんが、大自然の中なのでネズミや虫などがウロウロしていても不思議ではないかも。それにしても、突然の訪問でいきなり台所の写真を撮影してしまいすみません(汗)。

キッチンの奥には昔ながらの厨房器具が(だから昔っていつだ?)。昔の薪コンロこれはなんていうんだろ?。薪コンロとでも呼ぶのだろうか・・・。プロパンガスの普及により使用頻度はめっぽう減ったらしいですが、正月に餅を大量に作る時にはたまに使うとの事。薪による火力の調整技術など、義母が元気なうちに教わっておきたいかも。次に宿泊する機会があったらこれで豚汁でも作ってみたい!。

居間の奥には広大な空間の部屋があります。中央の部屋4メートルもありそうな大きな空間は、家で味わう事が出来ない素敵な環境。とはいえ暖房効率は最悪ではっきり言っていつでも寒いこのお部屋。外観で気が付きますが、この部屋の屋根の上には煙突のようなものがでており、昔はここでは火を炊いたりしていたのかな(?)などと想像してます。天井や床も後付けの可能性は捨てきれません。部屋の中央に囲炉裏とかあったような感じもするし。事実は知らないので、色々なところを見れば見るほど勝手な空想ばかりして楽しんでます。繰り返しますが完全に私の空想です。

この部屋の右の壁を見ると建物の歴史をヒシヒシ感じる事ができます。神棚多くのご先祖様がここに祈りを捧げてきたはずです。築100年以上もここに祭られてきた神様は、どんな人にどんな願いを持ちかけられてきたのだろう。残ってるお札を注意深く見ても既に何が書いているのか分かりません。焚火の煤などの付着か、ただの経年劣化か。このようなところを見ると思考が完全に停止して見入ってしまいます。ここで生きてきた色々な方々の思いが詰まっている気がしてなりません。家具の傾き具合が気になるところだね。

仏壇の隣の引き戸を開けると納戸を通じてイレへの廊下があります。トイレへの廊下この廊下さん、トイレの前に電球が1個あるだけで廊下に他の光はありません。また天井の穴はいい雰囲気を醸し出していますが、外気の冷たい風ガンガン入ってきて夜のトイレに起きてしまった恐怖心を掻き立てます。夏の風物詩である肝試しにはピッタリ!かも。

母屋の話だった前半はここで終わりにしたいと思います。家そのものが広すぎて、私が入った事の無い部屋もありますし、先祖代々の絵や写真そして表彰状などが飾られた部屋もあります。訪問者として私が入れる部分だけを紹介させて頂きました。日常生活では体験できない事が多くありこの家がとても好きです。後半は結構衝撃的な母屋の周りをご紹介したいと思います。ご興味ある方はしばしお待ち下さいませ。

本日は以上でございます。