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「フランツ=ヨーゼフ1世」の「ダガット金貨」からクローネという通貨を学ぶ

鴫原質店の弟さんです。

少し珍しい金貨を見つけたので鑑賞し・調べ・物思いに耽る!。男性が描かれたペンダントヘット超有名人なので見た瞬間に分かる人も多そうかな。個人的に男性の肖像には魅かれませんが、この世代のヨーロッパ歴史は好きなので、こういう品物を見た時に学習を兼ねて色々調べる事が多いです。

ヘット部分に金性を示す刻印があるけれど、私には認識不能。枠の刻印ト国内で製造されたものではなさそうだけど、いつの時代のものだろうか。

金の枠などには興味がないのでコインを取り出します。爪を壊した画像「そ~っと」とやったのに折れちゃった!。ま~、もともと壊すつもりなんで、何一つ問題無し。

こちらの男性はハンガリー帝国、ハプスブルク家の3人目のオーストリア皇帝:フランツ=ヨーゼフ1世。フランツ=ヨーゼフ1世のレリーフこの帝国が衰退する物語は、色々な映画やドラマで様々な描写がされており、多くのお話では「皇后エリーザベト」がその陰の立役者、もしくは主役を勤めてます。この時代の物語は、色恋のドロドロ感や豪華絢爛な貴族たちの生活感が垣間見れ、怪しい憧れや好奇心、そして様々な願望を抱いて眺めてると意外と面白い・・・。

どことなく頼りなく見える、優しそうな眼差しの皇帝様。物語の多くでは、母親に従う(逆らえない?)「マザ△ン(※書かないでおく)」という設定ですが、事実はどうだったのだろう?。ヨーゼフ1世のレリーフのアップ画像この方の世継ぎとして、息子様の統治が2年程続きましたが、帝国最後の皇帝と言われてるようです。戦争と略奪・国の繁栄と衰退がヨーロッパ各地で繰り返された歴史を、高校の世界史で勉強しましたが、名前が横文字ばかりで中々記憶できず、テストの点数は酷い有様だったな(汗)。

もう片方にはハプスブルグ家の紋章!。「双頭の鷲」が紋章の特徴的ですが、王族や貴族が持つ2つの権力を表すらしい。ハプスブルグ家の紋章ヨーゼフ1世がレリーフされたこの金貨は「ダガット金貨」と呼ばれる金貨のごく一部です。長きに渡りヨーロッパの国際的通貨として流通した金貨が「ダガット金貨」と呼ばれますが、発行される地域や国も異り多様な種類があります。ヨーゼフ1世が彫られてるダガット金貨が発行されたのは、1854年から1915年だけど、復刻版として1915年の年号で多く発行されてるが故に、この金貨も復刻版だと思われます。今回は金貨に興味を抱いた訳ではないので、金貨の歴史の深堀はやめとこう(汗)。長くなるから・・・。

ハプスブルグ家の歴史は長い戦いの歴史。国内の権力争いの他、ヨーロッパの戦争の多くに関わっていたのは史実です。紋章の細かい部分を眺めると、物騒なイメージしか沸かない!。警察とか平等とか、そういう概念がなさそう(※推測)な社会なので、襲撃とか略奪とか多かったんだろうな。ハプスブルグ家の紋章のアップ画像ハプスブルグ家はその派生により、いくつかの国を統治をしていたようですが、第一世界大戦の敗北によりこのオーストリアの帝国は解体され、一つの歴史が終わりました。その中心人物がフランツ=ヨーゼフ1世なので、多くの物語に登場する訳ですね。尚、「オーストリアのハプスブルグ家」での物語であり、他の国のハプスブルグ家もあるようです。深堀したい方はチャッピーやジェミニに尋ねれば、全知全能のグーグル先生の情報網を簡単にまとめ上げてくれるので、とても楽な時代です(笑)。

金貨をX線分析機にかけて見ると僅かに銅(CU)が入っていて、23金位の成分比率だな。X線分析の結果重さは3.49グラムで、直径約2センチメートル。このコインの公表値では3.5グラムらしく、経年劣化で少し削れたのかしら。

個人が鑑賞できる過去の史実が、本当の事なのかは別として、私達が日常生活で大切だと認識している「貨幣価値」も国の繁栄と衰退の中で動いている事は歴史を見れば明らかです。この帝国が滅んだ後、帝国内の通貨圏は解体され、その地区を継承した国の通貨圏に組み込まれ、その地域の住民は新しい門出を向かえる事になります。いくつかの通貨があったなかで、代表的通貨「ハンガリー・クローネ」はそのまま使われたようですが、激しいインフレ(通貨下落)を経た後、10,000クローネを1シリング(オーストラリア・シリング)に切り替えられたとの事。クローネは1892年から1918年の僅か26年間のみ使用され、通貨価値がほぼゼロになった一つの歴史でもあります。前に「シリング」について書いた事があったような、なかったような?。シリングとユーロの交換比率だっけ??。一応・・・付け加えときますが「クローネ」ってデンマークとかの今現在の通貨でもあり、混同するとダメな点です。大日本帝国時代の「円」と現代の「円」の違い・・・的な感じかな。

このような品物を偶然見た際に、国の歴史や通貨などを調べる事が趣味となっておりますが、「争い(※実弾に限らず)」「貨幣価値下落」「インフレ」が絶妙に絡み合う点はとても興味深いことです。過去の話ではなく、現在進行形でも、世界の数カ所で色々ある事なので!。今起きてる様々な事が、どんな結末になるか想像もできませんが、未来の歴史教科書にはどのように記載されるのだろう?。もちろん国によって残される事実は違うのでしょうが、どのように語り継がれるのか後々(多分数年後)確認しておきたいところ。ただ、未来があればの話でしかないので、世界が平和でありますように!と、いつものようにお祈りして、帝国滅亡のお話を終わります。

本日は以上でございます。

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