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「GIA ID100」君とラボグロウンダイアモンド

鴫原質店の弟さんです。

先日、道具屋さんが定期営業でご来店され「新しいダイアモンドテスターがでました~~」と社長様とお話してました。少し小さ目なその機材を見ましたが、うちのお店はフル装備なので、必要性を一ミリも感じません(笑)。もちろん道具好きの社長様でさえ購入をお見送りです。

合成ダイアモンドを簡易的に判別する軽量機具でしたが、私の気を引いたのは実験台のこの子。サンプルと書かれたジュエリーケース化学気相成長法や化学蒸着法などと呼ばれてる、気体状態で積層させてダイアモンドを合成する科学的手法で、人工的に造り出されたCVDダイアモンドだね。GIAのページに製造方法の解説があるので興味がある方は「こちら」をご確認下さい。

許可を貰って撮影してみた。人口ダイアモンドの指輪を撮影した様子正体が分かってるから何にも面白くないし、味気なくつまらんね。CVDだと分かってみてると、見どころなんて1ミクロンさえないな(汗)。とはいえ、カットを良くすれば最高に光る石になるのは確かで、今後のこの子の価値がどうなるかは引き続き観察中です。っていうか、手の脂でべたべたの状態で撮影してしまった事への罪悪感があるけど、ホントは綺麗なんだよ(笑)。

営業さんがサンプルとして保有してた「モアサナイト」に出会ったのが結構うれしかったりして。モアサナイトの指輪を撮影した様子すげ~暫くぶりに見た!。こっちもばっち~~ね(汗)。

ダイアモンドの類似石として毛嫌いする人も多いこの子は、実はとっても美しい。モアサナイトの光の反射光の角度を変えるだけで様々な色(7色!)を見せてくれ、特徴ともいえる燃えるようなファイヤ~~~!は写真で伝わらないのが残念です。人工的に造られた化合物であるものの、見てて楽しいから個人的には好きなんですよね。このオモチャみたいな輝きが何となく可愛げです。

すげ~~暫くぶりにダブリングも鑑賞。モアサナイトのダブリング赤丸の底部(キューレット)を青丸あたりから覗き込むと、酔っ払いそうな風景が見えます。これはこれで、万華鏡みたいで好きだったりする。見れば分かるのもモアサナイトの特徴でもあるから、逆に親密感が沸くわ。

話は変わって2日前、電話で「3カラットのダイアモンド買取れますか?」と不思議なイントネーションの日本語で問い合わせがあり、その後すぐに外国人様2名の来店があり「3カラットの類似石」を見せられました。【18K刻印】の土台にギラギラ光る3カラットの透明石でしたが、状況的にルーペで見るまでもなく、ダイアモンド検査機「GIA ID100」君へ判別を依頼すると「りふぁ~~~~(※こりゃ~~天然じゃね~ゼヨ!)」との事。説明責任もあるので、18Kの土台部分もX線分析機を使って検査してみると、そっちは78%が金(ゴールド)とでたので、判定結果を写真に撮ってお見せしました。機械の写真を見せた瞬間、来店者の外国人様が二人でにこやかに笑みを浮かべ見つめ合ったのを見るに、「ここ騙せないね」と悟ってくれたみたいです。二つの高級機材ラボグロウンダイアモンド(※人口ダイア)を販売する店舗が増え始める前から、事前に予習して勉強して覚えて、凄く高価な機材も揃えた(←社長が)けど、持込がさっぱり増えないから「出番少ない機械やな~」など思ってたけど、いざこういう機会がくると頼もしいものです。X線検査機も導入当初は抵抗感があったものの、「K18」としっかり刻印された指輪やブレスレットがたまに持ち込まれる怪しい時代においては、「便利やな~~」と重宝するようになりました。もちろん、これだけに頼らず色んな視点で見る事も大事だけどね。ご来店された外国人様は「時間あるからしっかり見てね」と優しく言ってくれましたが、その瞬間の私の返答は「すぐ済みますからお待ちください」という言葉。3カラットの透明石がセットされた18K刻印の指輪の判定時間は、全て機械任せで約120秒。見積価格は指輪の金枠のみなので、取引が成立する理由も見当たらず、サクッとお帰りになられました。

実のとこ私個人としては、クレサンベールもラボダイアにも抵抗感が一切なく、もし市場がそれを認識して取引されるようになれば、人口石といえど普通に扱うだけなのだが、それはお客様(マーケット)が決める事でもあります。中古のラボダイアを欲しい人がいればお店で買取ってもいいけれど、例えば今回の3カラットの石を「3万円です」といったところで、売ってもらえる気がしない・・・。日本でもEDP(株式会社イーディーピー)が宝石用のCVD結晶を製造してるけど、15ミリ×15ミリまで対応してると会社IRに書いてあります。ブリリアントカットで10カラット位のものが造れるわけで、原価は宝石結晶の値段でカット代金がいくらで・・・みたいな計算をすれば、中古の扱い値段とかだせるのかしら?。変な話だけど、10カラットのラウンドブリリアントカットのラボダイアをネックレスにセットしたとして、ウルトラマンのカラータイマーよりも光り輝きそうで興味深いけど、それを欲がる人がどの位いるのか思考するのも楽しいかも(汗)。ま~~そもそも中古の需要があるかないかがさっぱり分かんないし、それ以前にラボダイアが売れてるのかどうかも私は知らないので、今後の流れを引き続き「ぼけ~~~~」っと観察し続けていこう!。そんで、天然とかラボとか、そういうこだわり以前に、ジュエリー業界が発展し、流行してくれるような状況になればいいな~と思ってます。

本日は以上でございます。

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